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活動報告

2014年11月11日

11/1タイコウさんの出汁とり教室 そばつゆ 中級編

「この教室に出たら不幸になるよ」講師の稲葉さんの不穏な言葉から出汁とり教室中級編は始まりました。

基礎編に参加した時に、おみやげにいただいた昆布と鰹節でとった出汁約200mlをあまりのおいしさに帰りの電車内で飲み干してしまった私にはその言葉の意味はうすうすわかっていました。「こんなおいしいものを知ってしまったらもう元には戻れない」。そういうことなのでしょう。

今回の中級編もまず前回のように水から真昆布を70℃くらいまで煮て、けずりたてのかごしま枕崎産の近海一本釣本枯節を投入。本物の材料さえあればあとのルールは‘昆布は水から、鰹節は沸騰してから’だけ。これが稲葉先生のシンプルな教えです。出汁の風味のバリエーションは煮詰める時間で変わるそうで、そばつゆの場合は雑味を出した方がそばと合うので、強めの火でもとの水の量の7〜8分目まで煮詰めました。ここで黄金色の出汁を味見。細胞にすっと染み込んでいくようなおいしさです。

このまま全部のみほしたい!という欲望をおさえて、この出汁に稲葉先生がつけ込んでくれたかえしを8:1の割合であわせると絶品のそばつゆのできあがりです。この時のかえしは9/15に醤油一斗(18l)と精製されていない砂糖を一貫目(3.75kg)を温めて合わせ、その後醤油の香りをとばすためにふたをせず寝かせたものでした。醤油の香りはそばの香りを損なわないようにとばしてしまうそうで、「すべてはそばのために」と気遣われた汁なのです。

出しとり教室

稲葉先生おすすめの乾麺、薮伊豆そばをゆでこのそばつゆでいただきました。シンプルなのに味が深い。参加者全員があっという間に汁を飲み干してしまいました。職人の手を経た天然の素材が生み出す旨味をいただくこの幸福感!もう気軽に町のおそば屋さんでそばを楽しむことはできません。さよなら富○そば。稲葉先生の言った不幸と本物の素晴らしさを知る幸福とをおみやげにいただいた貴重なたまりとともに持ち帰ることとなったそばつゆ教室でした。(報告:大沢佳子)