携帯サイトはこちら

活動報告

2008年5月29日

5/24-25 伊豆修善寺の田植え

 メダカのがっこうの会員になってから初めて我が家にお米が届いた時、私は思わず「あ〜、すてき!」と声をあげました。
 袋の表には稲穂を囲むカエル・トンボ・タニシ・ドジョウ・ツバメ・メダカたちが笑い(と私には見えました)、袋の裏側には「安全・安心は、ボクたちが命にかけて保証します!」と生きものたちが頼もしく宣言してくれています。
 その晩さっそく炊いたご飯のおいしかったこと。「これはたくさんの生きものが作ってくれたお米、農薬で生きものを殺さない優しい人が作ってくれたお米」そう確信して主食を食べられる幸せを、あらためてかみしめたのでした。
 さらに、毎月送られてくる会報誌は生きもの好きの私にはたまらない一冊です。表紙にはオタマジャクシの大群、ある時はカエルくんたちのドアップ、また稲刈りをする椿さん(私にお米を届けてくださる農家さんですね)の周りに集まっているサギの大群、これらの写真を見ると「人と生きものは共生できるのだな」と希望が湧いてきます。
 最初は、安全なお米を食べられればそれで十分と思っていた私も、会報誌を読んでいるうちに実際に田んぼにはどんな生きものが生息しているのか自分の目で見たくなり、今回初めて修善寺の田んぼ行事に参加しました。

080524_1.jpg
080524_2.jpg
080524_3.jpg
080524_5.jpg
080524_4.jpg

 生まれて初めての田植え体験に、私は田んぼの土に足を取られて歩くのさえ四苦八苦の有様でしたが、親切な皆さんに助けられて息切れしながらも田植えを終えることができました。
 普段コンクリートの道を歩くことに慣れ切ってしまった私には、田んぼに足を踏み入れた瞬間の土の感触は今でも忘れられません。
 生き物調査では、バットの中に糸ミミズやユスリカの幼虫、ミズムシ、サカマキガイなどを見つけることができました。また、田植えの最中には水面を走るアメンボやクモも見かけました。
 でも、それより驚いたのはたくさんのヒルが長靴に張り付いていたことです。ヒルといえば顔をしかめる人も多いかと思いますが、人に好かれようが嫌われようが彼らには関係のないこと。多様な生き物が元気に、当たり前にいることが無農薬の証拠でもあるわけです。
 ゴム長にまでしっかりとくらいついて、なかなかはがれない彼らの生命力には、ただただ感服しました。
 田植えの後は、生きものの先生と共に田んぼの周りの散策です。近くの川の石の上には、いるいる。たくさんのカエルやトンボたちが休憩?しています。
 これから降る予定の大雨を今か今かと待ちかねているのかな?などと想像していると、「さあ、これからヘビに会いに行きましょう」の先生の一言が。
 何でも、この田んぼの畦のわきにはヘビが住みついているとか。そして本当に大きなヤマカガシが、二回ほど私たちの前に顔をのぞかせてくれました。
 会員たちの注目を一身に浴びて戸惑ったような、その時のヘビの目のかわいいことといったら、ヘビ嫌いの知り合いたちにも見せてあげたいくらいでした。
 
 「あれは去年のヘビでしょう」「元気でいてくれたね」と先生や会員さんたちの会話も聞こえてきます。ヘビの方も私たちが田植えをしているのをじっと見ていたんだろうなと想像すると、なんだかとっても楽しい気分になりました。
 今回の行事にはかわいい少女が一名参加していましたが、こういう感性を持つ大人と接している限り、彼女が他の生き物を「気味が悪い」とか「邪魔だから」という理由だけで安易に排除する人にはならないだろうと心強く感じました。
 私たちは豊かな自然なしには生きられない生態系の一種類なのに、自然を破壊し汚染し続ける唯一の動物です。それを認識し、もっと謙虚になって他の生物にも畏敬の念を持たなければ、今の地球環境の悪化を食い止めることはできないと思うのです。
 今、私たちに必要なのは宇宙ステーションを建設することより、昔のようなきれいな土や水や空気を取り戻すことではないでしょうか。
 
 あの少女が私の年齢になったころ、日本中に冬・水・田んぼが広がっていたら本当に素晴らしいと思います。
※参加者の青木さまより活動報告記事を頂きました。
 ありがとうございました!