6月28日出汁取り教室(中級編・そばつゆ)
タイコウさんは、衰退の一途をたどっているカツオの一本釣りの漁師とカビ付け本枯れ節の技術を継承している職人が生き残れるよう、本物の鰹節を消費者に知らせるための商売をしています。彼らが生活し後継者を育てられるような価格体系や環境を作っているのです。出汁取り教室もその一環で、初級編では、鰹節の知識と使い方、削り方、昆布と鰹節を使っての出汁の取り方を教えてくれます。今回は中級編なので、かえしの作り方と出汁との合わせ方でおいしいそばつゆの作り方を教えてくれました。
そばつゆの出汁をとるカツオ節は、厚く削るため、まず削り器の刃を少し出します。出汁をとる時、削りたての場合は通常の半量でよいので、鰹節を削るほうがずっと経済的です。そばつゆの場合は、削り節は血合いも含めた全体を使います。鰹節を厚く削るのは本当にコツと力が要ります。頭を削り器の真上に持っていき体重をかけてしたい押しつけて削るのがコツです。わかっていてもなかなかみんな苦労でした。
そばつゆにはかえしを合わせますが、そのかえしは醤油とみりんと砂糖を合わせて数か月おきます。本醸造の時間をかけた本物の醤油ほど返しになるのに時間がかかるそうです。メダカのがっこうの醤油ではきっと3か月以上かかるのではないかと思いました。かえしができたかどうかの目安は、醤油でもない、みりんでもない、砂糖でもない、どの味も目立っていず香りが全くなくなった状態です。みんなでかえしの味見をしました。
かえしと出汁をあわせたそばつゆは少なくとも1日置いたほうがなじんで美味しくなります。おいしいものは本当に時間がかかるのだと思いました。すべて時間をかけて用意してくださっているタイコウさんに感謝です。
蕎麦もタイコウさんご推薦の乾麺としては最高の蕎麦を用意してくれました。蕎麦ちょくに1/3ほどのそばつゆを入れ、本わさびは蕎麦のほうに少しずつつけていただくという食べ方も教えていただき、試してみました。
みんな本当においしくいただきました。(報告:中村陽子)