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活動報告

2015年7月29日

7月26日食とお米とその周辺の研究会 味噌の研究

米、塩、醤油、種、砂糖、油など基本的な食材の研究会ですが、大事な味噌はまだでしたので、今回調べてみました。味噌は、奈良時代に中国から伝わってきたものですが、未醤=醤油になる前の状態の大豆の発酵度がおいしいので、食べ始めたようです。

体力知力とも日本人が最も逞しかった戦国時代、武将たちは味噌を戦陣食の重要なものとして、織田信長、豊臣秀吉の豆味噌をはじめ、伊達正宗は城内に味噌工場を建てたり、武田信玄は戦争に備えて味噌作りを奨励したり、行軍中に醸造が進む味噌玉を工夫したり、徳川家康は豆味噌を愛し、江戸に取り寄せていたことなど、玄米と味噌の組み合わせが完全食で強い体を作ることを楽しく学びました。兵法書に「味噌無きは米無きより疲れるなり」とあり、味噌力を再認識しました。

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また終戦のとき原爆に被爆した秋月病院で味噌と玄米を摂り続けたところ、原爆症になる人がいなかったという話がありますが、これを科学的に証明したのが、広島大学教授の渡邊博士です。彼は、放射能と味噌の関係を研究した結果、味噌を食べさせたマウスは明らかに細胞の再生能力がアップし寿命が延びたこと、その味噌の成分がメラノイジンという味噌の醸造が進むにつれて褐色になる成分だったことを突き止めました。それだけでなく味噌はがんや循環器の病気や高血圧や糖尿病の発生を抑制する働きもあるという高機能の食品であると彼は言っています。

その味噌ですが、味噌は米麹の割合が多いほど白くて甘くなり、少ないほど赤味噌になります。また、醸造期間が長いほど、褐変反応が進み、色が濃くなり薬効成分が増します。一番薬効成分が多いのは、大豆と塩だけで3年重石をかけて醸造した豆味噌で、上記の広島大学教授の実験も豆味噌で行われました。それから塩分を気にする方も多いのですが、味噌で摂る塩分は良い力になるようでまったく心配する必要がないようです。

しかし現在市場に出回っている味噌は、醸造・発酵を止めないと、袋が膨張して商品として駄目なことから、加熱処理や酒精(醸造用アルコール)で死滅させているので、生きた味噌が持っている味噌本来の機能は期待できないのです。本当に良い生きている味噌がほしければ自分で作るしかありません。メダカのがっこうの自給自足くらぶで、原料から無農薬、無添加で生きる環境を取り戻してくれる田畑で育った大豆や米で作りましょう。(報告:中村陽子)