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中村陽子のコラム

2001年6月9日

ありがとうで時空を越える

 先日、粘土団子に使う種集めをしました。利根川土手に数純Lロにわたって繁殖しているのカラシ菜の種です。朝から雨が降っていたにもかかわらず、たくさんの人が来てくれました。
 人の背丈ほども伸びて種をいっぱいつけたカラシ菜の種は、触れると弾けてしまうものも多く、雨に濡れたカッパには赤い小さな種が唐閧ツきました。野生のカラシ菜の種です。さぞかし辛いでしょう。春に出る可愛い双葉も辛いので、鳥には食べられにくいかもしれません。
 種集めのあと、集会場で福岡正信さんを囲む会をしました。


「無分別」とか、「時空を越える」という話は難しくて、私には理解できませんでしたが、ただ一つ、種は間違いなく時空を越えた存在であり、その生命力の塊にこの日は数万個も触れていたのです。あの小さな粒の中に根も茎も、葉の裏も浮焜vログラムされており、砂漠に根を下ろしてさらに野生の記憶を取り戻し、繁殖していくのかと思うと、本当に不思議で、その種取りが今日しかないと言われて、いろいろな嵐閧ギター(エレキ)キべて捨てて、合わせてくれた人たちも、種と共に時空を超えて今日一日を生きている素敵な人たちだと、思いました。
 カラシ菜の根は抜いてみると、直系5センチほどもある太い根が深く伸びています。まさに地球を耕しているのは植物の根なのですね。しかしこのたくましい根が、利根川の堤防を弱くするということで、建設省によって毎年刈られて粉砕されているのです。私達が種取り作業するすぐ横には、草を粉砕する機械が置いてありました。翌日には殆ど刈られてしまうということで、この日、雨天決行になったのです。
 迎えてくださった農家の皆さん、集まってくださった皆さん、本当にありがとうございました。実はこの翌日、岩澤さんたちは、曹洞宗の若いお坊さん方と、トラック何倍も種を集めてくれたそうです。