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中村陽子のコラム

2005年8月12日

アクエリアン革命が始まっている

●命を育む水の技術
21世紀は水の世紀。この6月、万博協会から「持続可能な地球環境に有効な技術100件」に選ばれた「藻類の働きに注目した緩速ろ過装置」と「ふゆみずたんぼ」の2つの技術は、まさに命を育む水がテーマです。水といえば、21世紀のもう一つのテーマである自然エネルギーは、人間が逆立ちしても真似できない光合成で効率よくエネルギーをつくる緑の働きや、必要に応じて次々と現れる微生物の働きを活用することが最善の方法だと思いますが、これも命を育む水の使い方が技術の鍵になります。


●水のように静かな意識革命
 20年前に出版されたマリリン・ファーガソン著「アクエリアン革命」は、本質に目覚めた人たちが意識で繋がり、水のように静かに世界を変えていく意識革命を著したものですが、今回茂木に集まった人たちにも、この意識のつながりを強く感じました。参加者の感想に「茂木は遠いところでした」とありましたが、栃木県の山の中まで、メダカのがっこうでつながる人、ラジオを聴いて集まった人、口コミの人、北海道から四国、九州まで、全国各地から、すでに自分の夢に向かって行動を起こしている超多忙でフットワークの良い人たちが集まってきました。「面白い人にいろいろ会って楽しかった。この中にいると、つくづく自分が変人でないと感じる。エネルギーをもらった」という感想が、この雰囲気を如実に表していると思います。
●水は誰にでもつくれる緩速ろ過の水がいい
 水のように、これなしでは生きられないものは、誰でもつくれて、壊れてもすぐ直せて、命にとって安心な水がいいです。ものすごく高度な技術で、壊れたら何千万円も必要で、しかも専門家でないと直せないとしたら、それだけで首根っこを押さえられているようなものです。飲める水をつくれるのが一部の人だとしたら、私たちは生きる自由がありません。緩速ろ過が、フォーラムで参加者を魅了したのは、この点です。素人である私たちメダカのがっこうが、70リットルのバケツ2個と塩ビ管、いくつかの接続ャPット、あとは砂利、布、砂で簡単に緩速ろ過装置をつくれたことです。「自己責任で飲んでください」と中本先生が言いました。塩素なしの甘くてやわらかい水でした。現在、水道法で塩素の投入が義務付けられていますが、100軒以下の集落は簡易水道で自由です。「自己責任」で水の安全保障と、塩素が入らない命にとっておいしい水を飲む自由が得られるのです。
●お金で動く世の中、視聴率で動く世の中はありがたい
 もしお金がなかったら、日本の自然再生を田んぼからやるためには、都会の仕事をやめて山や田んぼにへばりつかなくてはなりません。お金という存在があるから、私たちができない生きものいっぱいの田んぼ作りをしてくれている農家を応援できるのです。「お願いします。ありがとう。」の気持ちを込めて、メダカのがっこうは田んぼ環境を買っています。
 それと同じで、テレビは視聴率で動きます。9月10日(土)14:35〜15:50フジテレビ系で全国放映される75分番組、緩速ろ過特集「辰巳琢郎さんの水の旅」を見てください。用事のある方は、録画をしてください。そして再放送のお願いのハガキをテレビ局に出してください。視聴率で世の中を動かしましょう!
●草の根が集まっておいしい水道水を実現しよう!
 全国各地でそれぞれの活動をしている人たちが集まった、今回のフォーラムで感じたのですが、この1本1本の根が集まれば一つのムーブメントを起こすことができそうです。幸い、中本先生の長年の研究で理論的に裏づけされ、発展途上国で評価されている緩速ろ過浄水システムは、時期が熟しています。ただテレビを見る、意識を向ける、ハガキを書く、その一押しで動き出すでしょう。皆さんの意識の集中をお願いします。21世紀のアクエリアン革命は、200年前の緩速ろ過技術、おいしい水の再評価から始まるでしょう。