6月21-22日 福島草取りツアー&生き物調査の旅路:
めだかの学校の方々、参加者の方々、初めてこのブログをご覧になっている方、そしてめだかの学校の田んぼを毎日作っている農家の方々、こんにちは!!
今年3月から、あちこちのメダカの最近のイベントにスタッフとして参加させていただいている研修生の中島みのりです。
今回は「白鳥さんまた会うべ会」に引き続いて2回目の「福島、白鳥の田んぼツアー」に参加しました。
前日に偶然にも、栃木県の有機農業の大先生、館野さんのもとで宮沢賢治の詩を習いましたのでその詩からはじめたいと思います。
芝生
宮沢賢治
風とひのきのひるすぎに
小田中はのびあがり
あらんかぎり手をのばし
灰色のゴムのまり 光の標本を
受けかねてぽろっとおとす (1922.6.7)
(私の解釈ですと芝生とは稲のこと。
灰色のゴムのまりはきっと露の雨雲。)
梅雨にいよいよ入る、今日から東北も大雨という天気予報を誰もが信じてスタッフの方々みなばっちりの雨支度をして、福島県郡山市の冬に白鳥の訪れる中村さんの田んぼへまずは向かいました。
今回は参加者があまりいなかったのがちょっと残念。。。。。
とは云え、今回は若くてやる気満々の農大卒業生が2人も参加していましたし、“趣味でここまで詳しくなれるものか!!野花博士”の関口さん(左写真)もご同行してくださって、なかなか濃いメンバーだったのでは?!
さすが草花博士ってオーラ出してますよね。でも、普段一人で田んぼの草を調べていると不審者と思われるらしいとか。。。
熱帯
みのり
私の体温が36度ならこの田んぼの水は何度だろうか。
どんより湿った空気が晴れて、りんりん輝く太陽は
こうして今日も田の中で
踏ん張る足と、泥をかき回す手だけを頼りに
草と戦う我らにとって、
果たして味方だろうか。敵だろうか。
通りを走りぬけるバイクの人には気持ちかろうが。
これから根をだし、上へ上へと伸びてく稲には必要だろうが。
私たちには熱すぎる。
足のつかる湯の熱さが
熱帯を感じさせてくれる
6月の田んぼよ。 (2008.6.21)
21世紀の気象庁も、大はずれの大晴れになってしまって、日焼け止めを塗っての草取りに、おむすび茶屋と中村さんの畑の美味しい昼食のあと挑んだわけです。
中村さんの田んぼとビオトープを背景に、まんまと博士に釣られたアマガエル。
カエル釣りのつり方はまた教えます。(練習中)
暑い、暑いともらしていたのは私だけか?!
みんな楽しそうに草取り。いや実際に楽しかった!!
ちなみに田転がしを押しているのは中村さんではなくスタッフの山ちゃん。すっかりプロみたいですよね。
しかし皆さん、たかが草取り、サルでもできると思っては大間違い!!
草取りって、難いんですよ!!プロになるにはそれなりの訓練が。。。
これがひえと稲の違いです。
稲株を触って、見事に隣り合わせに生えたひえだけを抜き取る技術を身につければ、どこの農家さんにも褒められること間違いなしです!!
この技術を身につけて3日目の私はもう草取りが生きがいになってしまいました。(中でもこの一番手ごわいひえ取りが楽しくって、副理事長とともにひえの生えている田んぼを求めて、農家さんに苦笑いされましたけど)
理想の弟子を従えカエル調査をしている理事長は今日も元気はつらつ!!若いです!!
「アカ、アカ、アマ、ダルマ」なんて、あんなにてきぱきかえるの識別できたら人生楽しいだろうなーーー!!
人生楽しいかって、生き物いっぱいの田んぼに毎日いる私は楽しくて仕方ありません。そして、1つ1つの田んぼがみんな違うからなおさらです。同じ白鳥の来る田んぼも1枚1枚、土の感触から、生物から、生えている草からみんな違うんです。
研究しだしたらきりがなさそうなので、今は吸収するのみ。
草が生えていない田んぼには、後ほどの生き物調査で糸ミミズの数が圧倒的に多いとか、害虫の少ない田んぼには蜘蛛が多いとか、そんなふうに調べて直接関連付けられる作用なんてほんのわずかでしょう。
メダカとサヤミドロ(藻)と稲と微生物の関係なんてだーーーーーーれもわからないんですけど、こうして田んぼに入って、足元で羽化してゆくトンボや、ゆすりかや害虫の死骸を片付けてくれるアメンボたちを見ながら、1㎡でもおおく農薬を使わないことに貢献しながら手で草取りをしていると、あることに気づくんです。
今日もその田んぼでできた美味しいお米を口にして。
「あっ!幸せってこれだ。」と。
「みんな宇宙の欠片からできたって、本当だ!」って。
増戸さんの17年間不耕起の田んぼ。
中村さんの土を採取したら、すぐ近くの増戸さんの田んぼへ。
ここへも白鳥は来ています。
増戸さんは奥様に「もうつける薬がない」といわれても頑として田んぼを耕しません。だから高低の差ができ、水が浅いところにはスズメノテッポウがびっしり。まあ、言われてみればスズメノテッポウと稲の関係って、そんなに相性が悪くはないかも。
どれが稲でどれがスズメノテッポウ?! |
うわ!田んぼが浅い! |
田んぼって、やる人によってこんなに多種多様なんだ。
もっとこの田んぼにいたい!!という気持ちを抑えて、ここで中村さん、増戸さん、そして親切な慣行栽培を近くでしている方田の土の生き物調査。
この結果がまたまた面白い!!
「先入観を持ってはいけない!」と掛け声をかけつつ行なった慣行栽培(農薬を使用)の田んぼには本当にイトミミズや蛙がほとんどいない。
とりたてのイワナの食べれる温泉旅館、ごれいびつでの楽しい中村さんのお話や宴会の様子は参加した人たちだけの宝物としておいて、翌日は「おお、神様、感謝しています」の涼しい曇り模様。
早速、今度は岩瀬の田んぼへ。
やってきました米の美味しい岩瀬です。
土木工事ではありません。草取りです。
ここは兼業農家星野さんの田んぼ。メダカのドライバーさんも何かしています。
(生き物調査の準備でした:)
さすが大工さん。田んぼでも雰囲気が違いますね。えっ!!田んぼで草取りする大工さんてかっこいいじゃん!!
岩瀬の家。この横で田んぼの土壌の生物を数えました。
この一見何気ない家が中に入るとびっくり!!藁葺き屋根で、がっちりした木が組んである年代物!!次回の参加者には、どうにか理由をつけて入らせてもらうことをお勧めします。さすが福島!!さすが岩瀬!!でしょうか?!
若い奥様がたのあたたかいご馳走と初物のスイカをいただいた昼過ぎ、我ら草取り&生き物調査部隊はまた東京方面へ車を走らせるのでありました。
宮沢賢治 青い槍の葉 から
略
雲がきれたかまた日がそそぐ
土のスープと草の列
黒くをどりはひるまの燈籠
泥のコロイドその底に
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
りんと立て立て青い槍の葉
たれを刺さうの槍ぢやなし
ひかりの底でいちにち日がな
泥にならべるくさの列
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
略
りんと立て立て青い槍の葉
そらはエレキのしろい網
かげとひかりの6月の底
気圏日本の青野原 (1922.6.12)
まだまだめだかの学校の田んぼの旅は続きます。
それでは今度ご一緒できる機会を待っています!!
※参加者の方より活動報告をいただきました。
ありがとうございました!!