携帯サイトはこちら

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

2016年9月20日

米飴を作ってみてわかったこと

 日本の田んぼを守るために、お米で何が造れるかに挑戦しているメダカのがっこう。お米はもちろん炊いて食べるのが一番おいしいのですが、甘いものもほしい私たちにとって、みりん、甘酒、米飴を、このメダカのがっこう米で作れたら、もっと食生活を楽しめるのではないかと思い、実際に原料から化学物質ゼロのものだけで作る研究をしています。

 甘酒はすでにメダカのがっこう米の米と糀を使い、黒米甘酒、玄米甘酒、白米の普通の甘酒を作ったり、味噌やトマトと合わせて調味料を作ったりしていますが、今回は、お菓子作りに欠かせない米飴を作ってみました。

 先生は、昔は米飴を作っていたというメダカのがっこうの花まる農家の椿さんです。甘酒を日常的に作っている私にとっては、作り方は思ったより簡単でした。もち米を軟らかく炊いて、60度まで冷まし、麦芽を入れて一晩60度を保ち、お米のデンプンが麦芽の酵素で分解され糖化したものを、さらしで濾し、鍋に入れて煮詰めること数時間、水飴状から本当に飴になる過程の好きなところでやめれば、ほしい状態の米飴がつくれます。

 甘さは砂糖の半分ほどですが、ほんのり甘酸っぱいどこかで味わった覚えがあるような懐かしい甘さです。甘さが砂糖の半分ということもあり、今では甘味の主流から外れ、砂糖に注意しているマクロビオティックの人たちや、和食の照りなどに使われています。

 米飴の原料は、お米と麦芽。この2つだけでどうして甘くなるかといえば、お米が持っているデンプンという多糖類の甘さを、麦芽の酵素がブドウ糖という単糖に分解することで、お米から甘さを引き出すのです。麦芽が引き出す甘さは、お米だけではありません。さつま芋でも出来るそうで、椿さんはさつま芋から作った飴の方が味が濃くて好きだそうです。

 この麦芽ですが、麦芽はビール麦か大麦を発芽させたものです。この麦芽も無農薬有機栽培のものを仲間の農家さんに作って貰う約束をしていたのですが、そのビール麦がなくなってしまったとの知らせを貰ってがっかり。ネットで探すと、有機麦芽は日本で生産しているものはなく、ドイツから輸入しているものを購入しました。日本にあるものだけで、基本食材を作ることに挑戦しているメダカのがっこうとしては、本意ではありません。ですが、米飴の作り方を椿さんに教えていただくために、やむなくドイツの有機麦芽を用意しました。この事情を、メダカのがっこうの水口農場の水口さんに話したところ、私の願いを聞き入れてくださり、水口さんの無農薬の大麦を発芽させて作ってみてくれると言ってくれました。また原料から無農薬で、無添加手作りの調味料のレパートリーが増えました。

 それにしても、日本の麦芽が手に入らないこと、麦芽が必要なビール造りでは、地ビールといえども輸入麦芽を使っていることを知りました。ビール作りセットなど、手作りがブームの日本ですが、みんなどうして原料やその中身を気にしないのでしょうか?

 水飴も昔はすべて麦芽で作られていましたが、今は違います。市販の水飴や、原料表示のところに記載されている水飴は、麦芽で自然に糖化した麦芽水飴ではなく、3種類の酵素剤を利用した「異性化糖」です。また甘さが引き出される方の原料ですが、メーカーの多くは、原価の安い輸入のトウモロコシ、ジャガイモ、サトウキビ、廃糖蜜などを使っています。これらは遺伝子組み換えやポストハーベスト農薬の問題があるのです。

 このように、私たちが食べている品目はあまり変わりなくても、和食が世界遺産になったとしても、原料の中身がすり替わってしまっています。お米も塩も味噌も醤油もオイルも、野菜も肉も卵も、命を支えるだけの栄養やミネラルバランスや、数値に表せない生命力がなくなっています。これでは優秀な子孫を残すことはできません。

 例えばお米の中身ですが、今回米飴づくりを教えてくださった椿農場の椿さんは、もう40年以上種を自家採種しています。普通の農家は種は毎年買っています。自家採種していると言っている農家でも、数年に1回は買い替えています。理由は、種もみから育ったお米は種もみより少しずつ劣化していくからです。
 40年間自家採種した種もみでお米を作り続けているということは、スゴイことなのです。前の年より少しでも立派なお米を育てることが出来る人だということです。私たちが、その種を食べれば、お米のたくさんの栄養素とともに、優秀な子孫を作る種の力を頂くことが出来るのです。メダカのがっこうの農家のお米を食べて優秀な子孫を残しましょう。

 米飴づくりに挑戦することで、またまた中身のすり替わっている日本の現状に気が付いてしまいました。自分で作ってみるといろいろなことが分かります。たとえ、人に作ってもらって買う生活をしたとしても、作り方を知っているということは重要なことです。
 命を優先する農家と力を合わせて、生きる環境と安全な食糧に困らない日本を次世代に残せるような先祖になることをテーマとしているメダカのがっこうをどうぞよろしく。自給自足くらぶの活動は、本当に楽しいですよ。生きる力がアップすると自分に自信がつきます。

2016年8月20日

知恵と技を極めているじいちゃんばあちゃん(ご先祖様)の あとに続け!

 メダカのがっこうの教室や座学は、私たちが後に続きたいと思うような、わざと知恵の持ち主が、教えに来てくれています。最近来てくださった若杉ばあちゃんと新野じいちゃんのお話しをご紹介しましょう。

頼りになるおばあちゃんを代表して若杉友子さん
 先月、「若杉友子さんを囲む会」がメダカのがっこう田んぼカフェで開催されました。狭い店内いっぱいの参加者のほとんどが初めて若杉さんに会う方たち。実物の迫力あるお話に、今まで言葉だけで知っていた陰陽が、実感を伴った学びになったようでした。
 ばあちゃん語録と印象に残ったお話しをいくつか紹介しましょう。

1.昔は病気とは言わず、塩梅(あんばい)が悪いと言った。塩梅が悪いとは、よい塩気が足りないこと。米と塩気でどんな不調からも立ち直れる血液ができる。
2.塩気は、ただ塩をなめることではなく、有機的な塩気を摂ること。味噌とか、醤油とか、梅干しとか、たくあんとか、大豆や梅や大根にしっかり抱きこまれて寝かされた塩気が一番良い。
3.量は質を殺す。どんな良いものでも食べ過ぎることが一番悪いということ。逆に毒になるものでも少量であれば身体は対処できる。
4.料理は米を斗(マス)で量る道。つまり米や穀類を料理すること。おかずだっておかずを食べるために作るのじゃなく、ご飯を食べるために作るのが本当。
5.ここ数年、よく相談を受けるのが子宮脱。痔も同じ、内臓が緩んで下がって身体から出てしまう病気。これは納豆、豆乳などの大豆製品が原因だからすぐやめること。

 他にもいろいろな質問に応じて、食養や手当法の指導をしてくださいました。

竹炭(たけすみ)じいちゃん新野惠さん
 8月20日には竹炭の新野惠さん(82歳)が来てくれました。私が印象に残った新野じいちゃん語録をいくつか紹介しましょう。

1.病気は治すものではなく勝手に治るもの。
千島学説の言う通り、血液は腸で造られる。腸がきれいになり、よい血液が造られると、全身が健康な細胞に入れ替わる。結果病気が治る。具体的には、先ず、リセットパウダー(竹炭パウダー+竹酢)を水に溶かして飲むと、腸がきれいになる。竹炭をベッドの四隅に置いて結界を作ると、深く眠れる。重い病気の時は、腰の下や、枕の下にもミニ結界をする。竹水(今年生えた竹を切って切り口から出てくる水)を飲むと、エゴからエヴァへ、自我から真我へ意識が変わる。胸腺の上に竹炭のペンダントをする。これに家族の愛があれば、病気は治る。このレールの上に素直に乗ってみれば、勝手に病気は治る。

2.体験するには、素直にやってみることが肝心。
上記と重なるが、「そんな馬鹿な」と思っても、化学療法と違って何の副作用もないのだから、手間を惜しまず、愛をもってやってみることが肝心。

3.砂糖も、塩素も上から目線で悪者にするのはやめよう。
自分のやっている上から目線に気が付いて、やめよう。砂糖は悪者になっているが、新野さんが、砂糖に聞いてみたところによると、砂糖は自分で望んで白砂糖になったわけではなく、とやかく言われる筋合いはないと思っているとのこと。また塩素も、新野さんがこどもの頃は、疫痢に罹って一日で命を落としたりしていたのに、そういうことがなくなったのも塩素のおかげという感謝を忘れている。
また、竹炭を「チクタン」と呼ぶと、燃料という物の呼び方で、それだけの働きしかしないが、「タケスミ」と優しく呼ぶと、いろいろな働きをしようとやる気を出してくれるそうです。全く同じものでもこちらの意識が変わると、世界が変わるのです。
上から目線というのは、物を人間より低く見る見方で、物はそれだけの働きしかせず、そのものが持つ素晴らしい働きをすべて遮断してしまうようです。

4.木炭は太陽のエネルギー、竹炭は月のエネルギー。
木炭は樹木が吸収した太陽エネルギーで命を育てるパワーがある。竹炭は、月のエネルギーを吸収しており、全てを調和させるパワーがある。もう一つ、木炭からなる活性炭で悪臭を吸収させると、微細な穴の中にいっぱい臭い物質が詰まっているが、竹炭で悪臭を吸収させると、なぜか微細な穴の中は空っぽで、本当に臭い物質が消える。

5.竹炭からはニュートリノがでている。ニュートリノは愛である。 竹炭から出る波動は、愛の波動と、とても似ていてほぼ同じといえるそうです。

 私にはまだ理解できないことがたくさんありますが、とにかくリセットパウダーを飲んでいるスタッフのデットクスの様子や、結界の効き具合を体験中です。
 私は、デトックス黒焼きカレーをすべて化学物質ゼロの原料で作り、最近レトルトカレーにしたり、竹炭入りの「まっくろくろすけ」というスコーンを焼いたりと、いろいろ試作品を作っていますので、食べてみてくださるとうれしいです。スコーンのくろすけは、まだ少ししかできないので、田んぼカフェに来ていただかなくてはなりませんが、デトックス黒焼きカレーの方は、ネットで販売開始いたしました。

 メダカのがっこうは、「命を優先する農家が力を合わせて、生きる環境と安全な食糧に困らない日本を次世代に残せるような先祖になる」というテーマで動いています。年をとっても何にも知らない年寄りになってしまうこともあります。ご先祖様といえば若杉おばあちゃんや新野じいちゃんのように、子孫のために知恵を持ってできる限り良い世の中を残す人になりたいものです。

2016年7月20日

炭の研究開始に当たり、3人の炭焼き名人に会ってきました。

 一人目の杉浦銀治(すぎうらぎんじ)さんは、大地の呼吸を取り戻すことを実践している「杜の会」の矢野智徳さんに、大地や樹木を生き返らせるために炭を撒くことを教えた方で、矢野さんのご紹介でお会いすることができました。
 彼は1925年愛知県生まれの91歳、宮内庁帝室林野局東京林業試験場(現・森林総合研究所)に入省、のちに農林省の林業試験場木材炭化研究室長を歴任。その間、炭の研究をつづけ、炭を使った土壌改良、環境改善型農業を世界中で指導。国際炭やき協力会会長、三河炭やき塾顧問、炭やきの会副会長。平成11年林野庁林政記者クラブ賞。25年吉川英治文化賞。著作に『炭焼革命-まちづくりと地球環境浄化のために』 『木酢液の不思議』 『炭の力』などがあります。

 彼は、炭の世界では知らない人がいない方で、活動は日本だけにとどまらず、JICAでアフリカやアジアで現地にあるもので炭焼き釜を作り、炭焼き指導もしてきた方です。
  『炭は地球を救う』の著者である宮下正次さんに炭を撒くことを提案した先生でもあります。竹炭の新野さんとは、ハワイの世界炭サミットで知り合って以来の友人だそうです。

 杉浦銀治さんは、私がお話しした梅干しの黒焼きに非常に関心を持ってくださり、「これを備長炭の窯で焼いてみましょう。和歌山の梅仙人という炭焼き名人と一緒に研究しましょう。もっといいものができますよ。私は一つこれをやってみたいと思っていたのです」と、今回の出会いをとても喜んでくださいました。

 二人目は、宮下正次さんです。彼のことは、舩井幸雄先生から『炭は地球を救う』というご本をお借りしてから知ってはいたのですが、メダカのがっこうの関係で佐渡に入った女性が、同時に佐渡での宮下さんの活動を支えていたご縁で、炭のことを教えてほしいと連絡をすると、宮下さんも私に会いたいと思って下さっていたとのことで、さっそく翌日百年住宅であるご自宅に呼んでくださいました。

 前日にお会いした杉浦銀治さんは、関東森林管理局がナラ枯れの本数ばかり数えていて根本的な解決に着手しないことに不満を持っていた宮下さんに対し、そればかりじゃだめだ、実際に炭を撒いて助けてやらなければ、とアドバイスをしてくれた恩師だそうです。
 宮下正次 (みやしたしょうじ)さんは、1944年8月22日群馬県みなかみ町(旧月夜野町)生まれ。現在71歳。元関東森林管理局勤務。「森林(やま)の会」代表・森びとプロジェクト委員会理事・日本熊森協会顧問をされています。
 また、スイス・マッターホルン北壁登攀。インドヒマラヤ・シャカルベー世界初登頂。ロシアパミール・コムニズム峰北面バロートキンルート登頂ほか、チロル・ピレネー・ドロミテなど多くの海外の山に登る登山家でもあります。日本と世界の森林衰退の実態調査や、南極・極渦圏の森林衰退の実態調査・研究、縞枯れの研究をはじめ、松林再生・松茸やナラ・広葉樹林復活にかかわり、幅広い活動をしていらっしゃいます。伝統軸組木造住宅を建築(金物を使わない、500年もつ家づくり)。著書に『こうすればできる100年住宅』『炭はいのちも救う』(共にリベルタ出版)。他共著も多数あります。

 お会いしてみると、宮下さんは、私と関心が広い範囲で重なり、活動の形は違いますが、ほとんど同じ自然観を持ち、実行している方だと感じました。高崎のご自宅は、炭素埋設をし、新月伐採の木材で100年以上もつように建てられた百年住宅で、昔の民家と見まごう立派なお家でした。敷地も数百坪と広く、敷地内にドラム缶の炭焼き釜があり、冬になると炭焼きをするそうです。庭には醤油のもろみ樽が置いてあり、メダカのがっこうと同じく岩崎洋三さんの「お日さま醤油」でした。アカマツ、ナラ、ウバメガシ、麻、マコモなどを様々な特徴のある食べる炭も研究されていました。麻の復活が必要だと思っているところや、楢崎皐月さんの静電三法を実践して畑に頂上針(おったて棒)を立てていること、新月の木国際協会にも設立当時から関わっていたこと、森山まり子さんの日本熊森教会の顧問をなさっていることなど、今までお会いしなかったのが不思議なくらい、人間関係も考えていることも近いと感じました。奥様のみどりさんもどこかでお会いしたことがある気がしましたが、若杉さんを通じて私のことをご存じで、神保町のお店に来てくださったこともあるそうです。

 宮下さんが行政の人から聞いた話によると、福島で表土15cm除染した土は、大きなプールに入れられ炭の粉を入れているそうです。こうすると、放射能が消え、放射能を吸った炭の方は菌が分解してしまうそうです。これを聞いて私は、国が炭の力を知って活用していることを知り、びっくりと同時に安心しました。炭は放射能汚染の大地も救ってくれるのです。
 ダメージを受けている樹への炭の撒き方を伺うと、その樹の枝の先端の下あたりのぐるりに撒くのですが、それが、幹から1mだったら10kg、2mだったら20kg、3mだったら40kg、4mだったら80kgと倍々の炭の量にするのだそうです。丁寧にするには、穴を掘って埋めるとさらに良いそうです。「弱った樹には炭は万能、失敗がない、困ったときの炭頼みだ」といおっしゃった言葉が印象に残りました。

 3人目は前回ご紹介した竹炭の新野恵さんです。彼は、メダカのがっこうのデトックス黒焼きカレーの微粉末の竹炭を提供してくれている方で、今回山口県宇部市の炭工房かぐやに行き、現場を見てきました。
 新野恵(にいの・めぐみ)さんは、1934年、新潟県刈羽郡二田村生まれ。サクセス・アイ代表。元々、電力会社のボイラー技師だった経験を活かして、独自の炭窯を開発。山口県で竹炭焼きを初めて約20年、すでに400以上の炭窯を全国各地に導入。さまざまな効果とポテンシャルの高い竹炭や竹酢を使用して多くの人に癒しと喜びをもたらすだけでなく、竹炭結界等をユニークかつ斬新な方法で、多くの方々の体調の乱れを調和し、結果的に本来あるべき良好な状態へと導かれたと、多くのリピーターが集まる。著書に『雲の上に木を植える~素朴なアルケミストたち~』(Eco・クリエイティブ刊)等多数あります。

 新野さんは、竹炭を焼き始めた第一人者で、竹炭のことを「ちくたん」と呼ぶのは、工業製品の燃料扱いなので、「たけすみ」と呼ぶと竹炭がとても喜んで働いてくれると話してくれました。ですから竹酢液も「ちくさくえき」ではなく、「たけす」と呼びます。意識の大切さを熱く語ってくれました。

 新野さんのお話しのなかに、院内感染の菌は、病院での抗菌・殺菌で居場所がなくなった菌が弱った病人につくしかないので起こす現象だから、この菌の住処を作ってやればいいと気が付いて、竹炭を置いたところ、解決したという話があります。
 ここで、炭がなぜ素晴らしいのかに改めて気が付きました。現代は都合の悪いものはすべて殺すことで問題解決しようとして、反対に問題が大きくなってしまうというのに、炭とは善玉悪玉の区別をすることなく、すべてに住家を提供し、すべてを生かすことで問題を解決するという愛の存在なのです。

 8月20日(土)11時から14時の「食とお米とその周辺の研究会」炭の研究J(その2)に新野さんが来てくださいます。竹炭や竹水も取り寄せます。ぜひ直接お話しを聞きに来てください。お食事はデトックス黒焼きカレーです。
お申し込みは、メダカのがっこうのホームページからどうぞ。

2016年6月20日

炭の力を体験しました。

●炭と放射能
 日本は、広島と長崎で原爆の体験をしています。しかし、ほとんどの日本人は、原爆を落としたアメリカを恨むことなく、立ち直り、平和で豊かな国を復興しました。誇りに思います。
 この復活の裏に、日本の食文化のすばらしさがあると思います。玄米とみそ汁で原爆症にならなかった日本人、原爆投下時に爆心地にいたのに、床下に貯蔵してあった梅干しばかり食べていたら原爆症にならなかったという人にも会ったことがあります。それと、焼けつくされた木造家屋の木材が炭化して炭となり、それが放射能を吸着して土地の浄化を速めたという説もあります。コンクリートの建物が多くなってしまった現代では、焼けても期待できない効果です。
 特別なものではなく、いつも食べていたものが窮地を救ってくれたなんて、ずっと住んでいた家の木材が焼けても役に立ってくれたなんて、考えてみると、日本の食住文化って、なんてすばらしかったのでしょう。
 チェルノブイリ原発事故以来、日本の味噌、炭などが、放射能の研究をしているロシアの科学者の研究対象になっているようです。ロシアで被爆した家畜に炭を食べさせたところ、その糞から高濃度の放射能が検出されたことから、体内の放射能排出に炭が役立つのではないかとの研究が進んでいるようで、日本に良い炭を探しに来たそうです。
 メダカのがっこうでも、3.11以来、否応なく放射能汚染にさらされている東日本の人たちに、放射能に負けない食事を提供していますが、その中でも、竹炭や黒焼き玄米茶や梅干しの黒焼きの微粉末をたっぷり入れた「デットクス黒焼きカレー」というメニューを開発しました。大量の炭を美味しく体内に取り込めるメニューで、排毒に効果大です。

●炭とイヤシロチ
 炭といえば、メダカのがっこう事務局と田んぼカフェがある我が家は、23年前、家を建てる前に、この土地をイヤシロチにするために、楢崎皐月氏の静電三法の炭素埋設をしました。家の設計図に従い、正三角形の3つの位置に直径1メートル深さ1メートルの穴を掘り、それぞれの穴に1トンずつの粉末炭を埋めたのです。これは、原因不明の病気になってしまった母と同居するために、住んでいるだけで元気になる家が建てたいと相談に行った舩井幸雄先生が、ご紹介してくださいました。おかげ様と感謝しています。先生は、炭素埋設のほかにも、足立育朗さんをご紹介くださり、この土地と調和するための2つのオブジェを設計していただいたり、正常な陽子電子中性子の図を108枚壁に埋め込んだりしました。

●炭と土壌改良
 炭は大地の再生にも使います。我が家は、吉祥寺の住宅地の中、アスファルトの道路とコンクリートの下水道やブロック塀に囲まれ、地下は空気も水も動けない状況になっていましたが、大地の呼吸を取り戻すべく、血管のように溝を掘り、コルゲート管を敷き、枝や葉などの有機物を入れ、その上にたくさんの炭を撒きました。おかげさまで庭の木々も田んぼも息を吹き返し、稲もよく育っています。

●竹炭と結界
 さて、最近ちょっと変わった炭の力を体験しました。竹炭のパイオニアである新野めぐみさんから結界にする竹炭が送られてきたので、すぐさま母のベッドの四隅に置いたところ、それまで自分では着替えも食事も何もしなくなっていたのに、朝見ると、自分でパジャマを脱いで待っていて、洋服に着替えたいと言い、食事も自分で口に運ぶようになり、姿勢もシャンとして、話すこともしっかりして、テレビにも反応するようになったのです。

 前から炭のことをもっと研究したいと思っていたので、さっそく山口県宇部市に住む新野恵さんに会いに行きました。新野さんは82歳のおじいさまでしたが、話を交わすすべての女性にご自分が胸にかけている竹炭のペンダントと見せて、「きれいじゃろう」と話しかけ相手が同意するとすかさず「あんたにはかなわんけどな」と女性を喜ばせるサービス精神旺盛の方でした。空港に出迎えてくださり、車に乗ると生えている竹を切ってその切り口から湧き出る水を集めた竹水が入ったペットボトルをくださいましたが、その甘さに驚きました。ポカリスエットにも似ていると感じたのですが、竹水100%とのこと。これを飲んだある女性は「自我が溶けていく」と表現したそうです。私にはわかりませんでしたが、竹水や竹炭はその人を本来の自分(真我)に戻す働きをするそうです。

 竹炭と結界の話に戻りますが、深刻な獣害で悩む田畑の四隅に、竹炭と塩と竹酢を埋め込むと、結界ができてイノシシやシカ入らなくなると聞き、さっそく毎年被害にあう田んぼにやってみようと竹炭を注文しました。

 大分の赤峰勝人さんも新野さんと同じ炭焼き釜を使って竹炭を焼いていると聞いたので、さっそく赤峰さんに結界の話を聞いてみると、確かに100メートル×200メートルの畑の四隅に竹炭と竹酢と塩を埋め込んだら、イノシシやシカやカラスまで入らなくなったそうです。2町歩もの広い畑にも有効なのに驚きました。
 これから先は自分でやってみて、竹炭の力を研究しようと思います。

【お知らせ】
 7月8日(金)に黒焼き玄米茶の作り方実践と飲み方や、梅干の黒焼きの作り方やマコモ茶の炒り方や煎じ方教室を行います。実は、炭や黒焼きは作った人が一番元気になるのです。作れる人になってください(詳細はコチラ→ http://npomedaka.shop-pro.jp/?pid=96458810 )。
 また7月23日(土)の食とお米とその周辺の研究会では、「炭」をテーマに勉強します(詳細はコチラ→ http://npomedaka.shop-pro.jp/?pid=48800150 )。関心のある方、一緒に研究しましょう!

2016年5月20日

生きものいっぱいの田んぼへ行こう!(メダカのがっこう紹介)

 先日、J-WAVEのカビラさんの番組の収録に行ってきました。NPO法人メダカのがっこうの活動を紹介するためです。せっかく原稿を用意し、いろいろ言いたいことを用意していったのですが、現場では原稿通りには話せずに残念な思いをしたので、今回はメダカのがっこうの紹介を思う存分させてください。
 私たちメダカのがっこうの発足は、2001年。消費者と農家が力を合わせて、自然再生の拠点になるような生きものいっぱいの田んぼを広げる活動をする環境NPOとしてスタートしました。

●なぜ田んぼに注目したのでしょうか?
 その理由は、①山から海まで、自然再生に大切なところが各所にある中で、田んぼは国土の7%を占めていること、②自然界には平らなところがないのに、人工的に平らで浅い水たまりを先祖が人力で作ってくれたところで、原自然と区別して二次自然と呼ばれており、日本人の主食であるお米を作りながら、同時にメダカやトンボや水生昆虫、トキやサギやカモなど多くの水辺の生きものたちの命をつないできた重要なところだからです。つまり、人間がどんな田んぼを作るかで、命を生かすことも殺すこともできる自然再生のカギを握るところなのです。

●メダカのがっこうを始めたキッカケは?
 2000年7月、田んぼにいっぱいのメダカが泳ぐ生きものがいっぱいいる田んぼに出合い、自然再生のイメージが具体的に持てたことがきっかけです。こんな田んぼを広げたいという思いを同じくする有志が集まり、2001年8月NPO法人メダカのがっこうが発足しました。
 現在、日本のほとんどの田んぼは稲以外の生きものが見られない田んぼで、私たちはこのような田んぼを「沈黙の田んぼ」と呼んでいます。ほとんどの農家も、農薬・化学肥料がなければ稲作りはできないと思い、稲以外の生きものがいないのが良い田んぼだと考えています。また、ご存知の方は少ないと思いますが、日本の田んぼは今1年の内4ヵ月しか水が入っていません。
 ところがあまり耕さず、冬の間から田んぼに水を張っただけで、絶滅危惧種のニホンアカガエルが復活したり、糸ミミズやユスリカなどみんなの餌になる生きものたちが増え、生態系が大きくなります。絶滅危惧種の半数以上は水辺の生きもの、このように田んぼに水を張る期間を長くするだけでも復活する生きものはたくさんいます。さらに、農薬・化学肥料を使わず、生きものに配慮した田んぼづくりをすると、もっと多くの生きものたちがすぐ復活します。

 それまで、環境なんて私たちが何をしたってそう簡単に取り戻せるもではないと諦めていましたが、意外と簡単に生きものたちが復活する方法があること、絶滅危惧種の生きものたちは弱いのではなく、環境さえ整えれば逞しく復活することが分かり、希望が湧いてきました。それならこの田んぼを広げる活動をしてみようと思ったのです。

●なぜ農家支援を始めたのでしょうか。
 私たちはこの田んぼのすばらしさを多くの消費者に分かってもらうために、2001年から田んぼの生きもの調査を始めたのですが、協力していただく農家と親しくなるうちに、絶滅危惧種はメダカやトキではなく、このような田んぼを作ってくださる農家だということに気が付きました。このような素晴らしい農家にも後継者はほとんどいません。これは大変、このような田んぼで収穫したお米を後継者ができるくらいの価格で買って食べる人を増やすことが先決だと気が付きました。
 今では、支援というより一緒に日本の生きる環境と安全な食料を守る同志だと思っています。

●なぜ田んぼ体験をしているのでしょうか。
 その目的は、都市部の市民や子どもたちに生きものいっぱいの田んぼを知ってもらうことです。生きもの調査も同時に行います。初めは恐る恐る田んぼの泥に足を入れていた子どもたちも、しばらくするとカエルや虫を追いかけるのに夢中です。この楽しい体験をすれば、沈黙の田んぼとの違いの分かる人に育ってくれると思います。
 小学生の田んぼ体験や企業の環境への貢献を目的とした自然塾のみなさん、メダカのがっこうのお米くらぶ会員のご家族連れなどが参加されています。みんなこの田んぼのおいしいお米を食べています。

●生きものいっぱいの田んぼとはどんな田んぼでしょうか?
 冬のうちから田んぼの水を張っていると、糸ミミズやユスリカ、ドジョウやタニシ、たくさんの水生昆虫が冬を越し、2月にはニホンアカガエルの卵塊、4月にはオタマジャクシ、5月にはアマガエルやトウキョウダルマガエル、6月にはトンボの幼虫であるヤゴが稲を上って羽化し、田んぼの中は小さなゲンゴロウやコオイムシ、栃木県ではタガメやミズカマキリ、8月にはイナゴなどのバッタ類、カマキリや、たくさんの種類のクモたちが見られます。これらの生きものを狙って、カモやサギたち、佐渡ではトキに出合います。
 また、除草剤を撒いていない畔(あぜ)には、多種多様な草たちが生えます。それを楽しむために、春と夏には草を摘むところからやる野草料理教室も開いています。

●この田んぼのお米はどんな味ですか?
 生きものいっぱいの田んぼから生まれるお米の美味しさは、力強いです。メダカのがっこう米の袋には、「草も虫も人もみんなが元氣に生きていける田んぼがある」と書いてあるとおり、エネルギーのあるお米です。そして食べた人が元氣になるお米ですから、身体が美味しいと感じるはずです。

●このお米はどこで買えるでしょうか?
 販売は、NPO法人メダカのがっこうでしています。この田んぼが日本中に広がるように願いながら販売しています。メダカのがっこうのHPのショップから購入できます。本当は一人の人に1年で1俵食べていただきたいと思い、1口=1俵(60kg)51,600円でお米くらぶ会員を募集していますが、スポットでも5kg、2kg、1kgずつ購入できます。千葉の椿農場、大田原の水口農場、郡山の中村農場、佐渡の佐々木農場からご希望の農家を選んでいただけます。迷った時はメダカのがっこう事務局(0422-70-6647)までお電話ください。ご説明やご相談に乗ります。

●食で心身を立て直す方法とはどんなものですか?
 お米を中心に、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイルなど、原料である大豆、小麦、梅、大根、ひまわり、菜種などもF1種や遺伝子組換えでない在来種の種から育て、塩もミネラルバランスの良い日本の伝統海塩を使い、農薬や化学肥料、添加物を使わずに手造りしています。
 みんなが不可能と思っていることを、完全ではありませんが、「都会にいても自給自足生活のおすすめ」と打ち出して、家族の1年分の基本的食料を化学物質ゼロで作りましょう、と提案しています。実際に、年間15万円ほどの費用と15日ほどの参加で、お米60kg、味噌10kg、醤油5升、ひまわり油と菜種油を270ml瓶で10本、梅10kg(出来上がりの梅干で5kg)、たくあん10kgが学びながら作れます。
 農薬や添加物、人工甘味料、いつまでも腐らない便利な加工品が健康に悪いことは分かっていても、実際にどうしたらそういうものに頼らない食生活ができるのかを、やってみせなければ、と思い、いろいろなことに挑戦しているのですが、これがゲームのようにおもしろくなり、現在にいたっています。

●「理想の食(=健康)」とはなんでしょう?
 基本的にお米中心の味噌汁と三菜の日常食。体を浄化するお茶類、籾付玄米の黒焼き玄米茶、マコモ茶、梅醤番茶などを適当に飲むこと。体に負担のかかる化学物質類はなるべく入れないこと。ドレッシングや何とかのタレなどの添加物たっぷりの加工品に頼らなくても、自分で作った調味料と野菜でいくつかの便利なタレを作っておけば簡単においしい料理ができます。
 実際、醤油もオイルも1年かかるし、味噌は最低2年、梅干しは3年物にするので、3年先に食べるものを作ることになります。だから毎年先を考えて仕込みます。家族の健康を願ってお母さんが作る数年単位の気の長い手造りの食糧生産、私はこれが素敵だと思ってこんなおばあちゃんを目指しています。理想の食のねっこには、こんな暮らし方が必要です。

●私たちに出来ることはなんでしょう?
 私たちは、子孫が健康になれる食習慣と暮らし方を残したいと思っています。もしある人が好んで食べていたものが原因で病気になったとすると、その人は病気になる食品をこの世に繁栄させたことになります。毎日のお買いものの選択が、子孫に残すものを決めていくのだということを意識すれば、出来ることは毎日たくさんあります。
 たとえば、メダカのがっこうのお米を選んで食べると、田んぼの生きものが復活し、作っている農家も元気になり、何よりも食べた本人が健康になります。
 メダカのがっこうのテーマは、食で心身を建て直し、いのちを優先する農家と力を合わせ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるような先祖になることです。
 良いご先祖様になることを意識するだけで、自分に出来ることに気が付くと思います。

2016年4月20日

野草を愛する人は自然を理解してほしい。

●野草をテーマにした変な番組
 先週、夕方5時からのテレビ朝日を母と見ていたら、野草摘みをしている女性たちと、その中に毒草がないかどうかチェックする先生が出ていました。ニラと水仙の葉が似ているが、水仙は毒野草だとか、キツネノボタンとセリが似ているが、キツネノボタンは毒野草だとか、食べられる野草と毒野草は好きな環境が同じで一緒に生えているので要注意だと、毒草への注意を促していました。私も今の季節は、毎週春の野草料理教室をしているので、野草をテーマにするとはいい番組だなと思って目を離さずに見ていました。
 すると、話はだんだんおかしくなっていき、二輪草とトリカブトが群生している公園にやってきて植生を調べ、二輪草70%とトリカブトが30%だからと公園管理者に伝えたところ、除草剤を撒いて処理したというナレーションがあり、テレビの前の私は思わず「エッ」と大声を上げてしまいました。
 そこからまずます番組はおかしくなり、多摩川の河川敷に生えているクサノオウという毒草を見つけ、そばで遊んでいる親子連れに、これが毒草だとご存知ですか? と質問、親子連れも「怖いですね~。子どもに触らせないように注意しないと」という反応。これでいいアドバイスでもしたかのような自己満足の恐ろしい番組は終わりました。

 なんたる無知、認識の無さ、愚かな自然観!クサノオウに限らず、黄色くてかわいい花が咲くキンポウゲ科はほとんどが毒草。食べれば毒でも、目を楽しませてくれるし、摘んで帰って部屋に飾っても何の問題もありません。田んぼの植生調査を13年も続けていると、自然界に生えている草で毒草はたくさんあることがわかります。それに野草といわれている草も、アク抜きを十分しないで食せば腎臓や肝臓を傷め、寿命を縮めます。毒草といわれている草も漢方薬になっているものもたくさんあります。
 それに毒野草という言い方もおかしいです。野草というのは、もともと食べられる植物のこと。大まかに説明すると、植物の中に、毒草と毒のない草があり、毒のない草の中に食べてもまずくない草があり、それを野草と呼んでいるのですが、さらに食べておいしいと感じる草があり、それらが喜ばれる人気の野草なのです。

 トリカブトが混ざって生えているから除草剤を撒いて処分したという信じられない愚かな判断には、怒る元氣もなくなるほどショックです。「二輪草というかわいい花に交じって、トリカブトという紫の美しい花が咲く毒草が生えています」という掲示板でも立てたら、そこを通る人々にとって、どんなに自然の神秘を感じる勉強になったことでしょう。

 野草は除草剤を撒いたところには生えなくなります。除草剤は主にイネ科の作物のために作られたもの、イネ科にやさしくできているので、メヒシバやオヒシバ、エノコログサなど、イネ科の雑草が優先する場所になってしまうのです。ヨモギやヨメナやハコベやナズナなどの優しい草は生えなくなってしまうのです。野草をテーマにする番組で、除草剤を撒くことになるなんて……。そんなことをする人間が野草の番組をつくるなんて……。

●私たちはなぜ野草を食べるのでしょうか?
 私たちはなぜ野草を食べるのでしょうか? それは今みんなが食べている野菜の99%以上が、命がないF1種や遺伝子組み換えの作物だからです。F1(エフワン)と言うのは、一代限りの交配種で、収穫した作物の種を蒔いても、実がつかないのです。これは1960年代から広く栽培されるようになり、まず大豆やトウモロコシや小麦から始まりました。たとえば大豆の種を蒔いても、芽が出て葉も威勢良く出ても、花がついても鞘がぺちゃんこで豆ができてこないのです。遺伝子組み換えなどが問題になる遥か前、40年以上昔から、じわじわと種類が増え、現在はほとんどの野菜がF1種です。F1種は、毎年種と化学肥料と農薬を買うように設計されています。無農薬と自家採種の農業には向かない種です。

 遺伝子組み換えの種は更に最悪です。除草剤にも枯れない遺伝子や、虫や菌を殺す遺伝子を組み込まれた作物を食べた人間も、家畜も、内蔵されている殺しの遺伝子情報のしっぺ返しを受けて、いのちを弱らされています。種も農薬とセットで毎年買うことになるので、食を防衛する農業の推進を阻むものです。
 そして何よりも問題なのは、命をつながない実や作物を私たちが食べているということです。ニンジンが体にいいとか、ゴボウがいいとか言う話しではなく、玄米菜食がいいという食養生の段階でもなく、野菜の実態が命のないものになっているのです。これではいくら野菜を食べても、どんないい料理を作っても元気になれません。
 しかし、野草は自分で命をつないで繁栄しています。野草から私たちは、栄養成分や薬効成分をいただくことを期待するより、その生命力をいただくことに最も意味があるのです。
 野草はすごい力をくれます。まず元気になる。目覚めが良くなる。動くことが好きになる。気持ちが明るくなり、毎日が楽しくなって人が集まってくる。草はすごい根を持っていて硬くて重いコンクリートをめくり上げて生えてくるのですから脱帽です。野草を食べると打たれ強さをいただくのです。

●命ある食べ物が無くなったことに気づかない私たち
 戦後私たちは、どんどん命のない食べ物ばかりになってしまいました。米を食べなくなり、いのちが生まれた海の成分が含まれていた塩が塩化ナトリウムの塩に変わり、水が塩素入りの薄い毒薬液の水道水になり、F1種や遺伝子組み換えなどの命のない食べ物ばかりになり、更に添加物や合成甘味料をいっぱい身体にため込んでしまった結果、今までなかった病気が増え、若者は生殖不能を起こし、女性には無月経や無排卵、不妊につながり、野生生物だったら当たり前である種族保存の大命題は忘れ去られ、民族存亡の危機に立たされています。

●春の野草と食べ方の知恵
 ですから、野に出て野草を摘み、正しく料理して命をいただき、野生の力を取り込みましょう!早春から順にあげると、フキノトウ、つくし、タンポポ、ハコベ、カラスノエンドウ、野カンゾウ、ヨモギ、菜の花(のらぼう菜など)、ノビル、アサツキ、ウシハコベ、ヨメナ、セリ、ミツバなど、春の野草を摘んで来たら、下処理としてあく抜きを怠ると肝臓や腎臓をやられますから、しっかり覚えておください。また、野草は少量食べればいいということも覚えておいてください。食べ過ぎは禁物です。

 アク抜きの基本は、塩茹でして水にさらし、よく水気を絞って醤油洗いといって、醤油3水7の醤油水に10分くらいつけたものを良く絞ってから使います。使った後の醤油水は捨てます。5月以降のヨモギなどアクの強いものは、くぬぎの灰や木灰を使います。
 つくしなど生から炒めるだけでよいもの、タンポポなど4月ごろまで生で食べられるもの、野カンゾウや三つ葉など塩ゆでして水にさらすだけでよいものなど、アクの少ないものもあります。

 反対にアクが強くて心配なものは、三段階のアク抜きをしっかりすることが肝心です。しかし裏ワザとして天ぷらが最も簡単にアクが抜ける食べ方です。その他にアクが強くてもどうしても食べたい秋に穫れるアカザの実などは、塩ゆでして水にさらし、色が出る間は何回も水を変え、最後に醤油を煮立てた中に入れて煮ます。苦労はしても出来上がりはキャビアのようにおいしいです。

 せっかく命あるものを料理するのですから、味付けは、塩、しょう油、味噌を基本に調味料は原料から無農薬・無添加の手造りの物を使い、砂糖は使いません。甘味は、米と米糀で作った甘酒とみりんだけです。お茶は、ヨモギ茶、黒焼き玄米茶、マコモほうじ茶、梅醤番茶、カキドオシなどの葉を乾燥させたものなど、体調により季節により使い分けます。

●野草を採り続けるために
 野草を採ると言っても無断で人の土地に入るわけにはいきません。私たちが良い野草を安心して取りに行けるのも、長年農薬や化学肥料を使わずに田んぼや畑を造り続けていて下さる農家がいるからです。除草剤を撒いた畦(あぜ)には、稲科の雑草が繁茂します。前記したように、メヒシバ、オヒシボ、エノコログサ、などです。柔らかい野草類は生えてきません。
 ですから、メダカのがっこうの農家のように、環境を取り戻してくれている農家が農薬を使わずに継続してその農地を守っていけるように、行動しなければなりません。お米の価格革命=フェアートレードや田の草取りのお手伝いをする援農隊の活動など、出来る限りの努力をするつもりです。草取りに一緒に出掛けてくだされば、野草の摘み方や料理の仕方をお教えできます。ご協力よろしくお願いします。

 野草が食べたい方、田んぼカフェでは、田植え草取りのシーズンである7月までは、毎週野草を摘んでくるので、野草料理を提供する予定です。土日は田んぼに出かけています。その他毎週火曜日は金曜日には教室をやっていて、ランチ営業していません。ですから電話で予約をしてから来てください。おいしいお料理を用意して待っています。

2016年3月20日

もし逆表示でなかったら農産物はどういう表示になるのか ―遺伝子組み換えの表示が消されていく―

●逆表示とは何のことなのか、ご存知ですか?
 一般の商品は、その商品を作るのに使った原料を、重量の多い順に表示することになっています。例えば、ポテトチップチョコレートというお菓子には、じゃがいも(遺伝子組み換えでない)、植物油脂、食塩、ココアバター、砂糖、全粉乳、キャラメルパウダー、脱脂分乳、乳化剤(大豆由来)、香料などというように。ここを見れば、砂糖や乳製品をやめている人はやめる判断ができるし、じゃがいもは遺伝子組み換えでないことが分かります。
 しかし余談になりますが、ここにも隠れ遺伝子組み換えがあり、大豆由来の乳化剤は大豆が遺伝子組換えでも書かなくても良いことになっているのでわかりません。こういう場合ほとんどが遺伝子組換えだと思って間違いありません。ですが、おおよその原材料はわかります。

 ところが、農産物になると、話は全く事情が違います。慣行農法といって、行政の指導に従った防除暦(農薬や化学肥料を播くスケジュール)に従って栽培した作物は、何も表示しなくてもよいことになっています。例えばコシヒカリの栽培なら化学合成農薬を18回、化学肥料を7.2回が防除暦に記されています。
 使う病害虫防除の農薬はどんなものかというと、4月には苗の消毒としてイチバン、5月にかけてカビの予防としてダコレート水和剤、いもち病や虫の防除にツインターボフェルテラ箱粒剤、7月には病気予防にモンカット粒剤、いもち病や虫の防除にフジワンラップ粒剤、8月の出穂直前にはいもち病や虫の防除にノンプラストレパリタ粉剤DLトビームエイトスタークルゾルとバシタックゾル、穂揃期にはラプサイドキラップ粉剤DLとラプサイドフロアプルとキラップフロアプル、そしてカメムシ防除のダントツなどがあります。
 この他に除草の農薬として、初期にはメデオ、ビラクロン、イネキング、シリウスエグサ、ウィナー、イッポンDジャンボ、ビクトリーZジャンボ、中期にはエーワン、コメット、ゲットスター、サンパンチ、サーベックスDX、草が残る場合は更にサンパンチ、ザーベックスDX、後期にはヒエ専用の除草剤としてヒエクリーン、クリンチャー、ヒエと多年生雑草にクリンチャーバスME油剤、ワイドアタックSC、多年草雑草にバサグラン、クサネムとイボクサという雑草対策にノミニー溶剤などがあります。
 この他に畔や農道の除草に冬のうちからスギナの特効薬であるカソロン粒剤、5月中旬にはザクサ液剤とランウドアップマックスロード、カーメックス・D水和剤、7月以降は再びザクサ液剤とラウンドアップマックスロード、三共の草枯らしという農薬が暦に紹介されています。

 実に馴染みのない薬剤名ばかりであり、書くのも読むのも嫌になるほどの農薬を使うことが慣行農法なのです。そして、この防除暦通りに栽培されている作物には、何も表示する義務がありません。
 しかし農家自身や食べる人の健康を考え、生きものたちにも配慮し、自然を取り戻したいという気持ちで農薬や化学肥料を使わずに作物を栽培している農家は、それを証明するために、検査料と検査員の経費を支払い、いろいろ面倒な書類を作成しなければなりません。また特別栽培という制度は、薬剤の数や回数を半分にするものですが、こちらは農薬の使用回数などの表示義務があり、それは望ましいことですが、何も書いていない慣行農法の作物の方が、消費者にとって農薬使用をイメージしにくく、価格の安さも手伝って受け入れ易くなってしまうという問題があるのです。
 もう一度慣行農法の農薬使用の例をあげますと、トマトで24回、アスパラガスで15回、ナスで31回、大根で21回、白菜で25回、白ネギで20回、ニンジンで17回、リンゴで44回、観賞用の菊になると60回という凄さです。化学物質過敏症の方は、とても菊いっぱいの葬儀会場には入れないそうです。

 もし慣行農法の農作物に、使った農薬を多く使った順に表示することが義務付けられたら、みんなの意識はガラッと変わると思います。今回は、何も表示していないコシヒカリがどれだけの農薬を使っているかと調べて記載してみました。お米袋の裏にこれだけの農薬名が書かれているところを想像してみてください。表示することが最も大切なことです。表示されていれば、後はそれぞれの価値観に従って判断できるからです。
 遺伝子組み換えの表示にも異変が起きています。もともと醤油や油には遺伝子組み換えの表示義務はないので、何も書いてなければすべて遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシの醤油や油です。しかし豆腐や味噌には遺伝子組み換えの表示義務があります。よく豆腐の原材料の所に、大豆(遺伝子組み換えでない)と書かれていますが、最近いくつかの豆腐でこの表示がなくなっていることに気づき、電話をかけてみました。すると日本ではまだ大豆の遺伝子組み換えの栽培許可が下りていないので、国産大豆と記載すれば遺伝子組み換えではないのに決まっているから、両方を書くことは過剰表示になるのでやめるようにという行政指導があったとのことです。
 何が起こっているのでしょう。TPPの農産物の自由化の準備として、遺伝子組み換えの作物や加工品が日本に入ってきやすいように、また遺伝子組み換えを原料とした加工品が作りやすいように配慮していると考えられます。
 遺伝子組み換えは何の問題もないという議論もあります。食糧危機を救うという議論もあります。すべての意見を受け入れたとして、表示だけはしていただくことは譲れません。あとは私たち国民の判断にお任せいただくとして、判断基準になる表示を義務付けることはみんなで国にお願いしましょう。メーカーにも電話をしましょう。
 アレルギーの原因は、小麦や卵や牛乳ではありません。化学合成された農薬を使用したり、遺伝子組み換え作物の小麦やそれを飼料とした卵や牛乳なのです。議論のすり替えに騙されずに、生きる環境を安全な食料に困らない日本を次世代の残せるような先祖になるぞ!と中村陽子は心を決めています。

2016年2月20日

遺伝子組み換え作物に対するメダカのがっこうの考え

 遺伝子組み換え作物とは何か? 倫理上の問題、生物的な問題、自然観、生命観の違い、目指しているところが何なのか、どういうメリットがあると言われているのか、どのような害があると言われているのかなどを調べ、メダカのがっこうの見解をまとめてみました。
 この問題は、関心のある人たちはとても詳しくて、関心のない人たちは全く何も知らないようです。

●自然にありうる交配や自然のスピードをはみ出した品種改良が、遺伝子組み換え技術
 昔からその地方の気候に合って、少しぐらいの悪条件があっても収穫出来て、おいしい米の品種改良には、日本人は熱心に取り組んできました。それは厳しい寒さや、台風などで全滅した時などに、たった数株実った種から育てた品種だったり、偶然と観察力と地道な育種によってなされてきました。その次に交配という技術が、そのスピードを速めました。私たちはずいぶんその恩恵にあずかっています。
 しかし1996年ごろから表に出始めた遺伝子組み換え技術は、超スピードで作物の形質を変える品種改良ができるようになりました。しかも遺伝子組み換えの範囲は植物間を超え、植物、動物、菌の世界を跨いでも組み換えが行なわれているそうです。また、植物だけがいじられているのではなく、家畜もあまり知られていませんが、いじられているようです。想像するのも気持ち悪いですが、骨付きもも肉をたくさんとるために、足が何本もある鶏もつくられているとか、人間の都合で化け物にされた動物たちがいるようです。
 これでは単純に科学の進歩と喜べません。原子力の場合と同じく、すごすぎる技術を何のために人間が使うか、地球上の生きものたちの幸せのために使うか、はたまた一部の人間の利益のために使うか、という倫理上の問題です。

●遺伝子組み換え作物が世界を席巻、日本は大輸入大消費国
 そうこうしているうちに、2014年の数字では、遺伝子組み換え作物の栽培は、アメリカ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、中国の五ヵ国を中心に全世界に広がり、大豆の全生産量の82%、綿は68%、トウモロコシは30%、カノーラ(セイヨウアブラナ)は25%が遺伝子組み換え作物になっています。日本は米以外の穀類はほとんど輸入に頼っていますが、その50%以上は遺伝子組み換え作物で、大口の消費国になっています。
 遺伝子組み換え作物が最初に商品になったのは、青いバラや青いカーネーションなどの花卉(かき)で、日本も2009年から栽培するようになりました。次に家畜の飼料と食用の作物の栽培が始まりました。

●遺伝子組み換えの目的とはかけ離れた現実
 作物の遺伝子改変の目的は、主に2つ。①雑草を枯らすための除草剤を撒いても枯れずに育つ除草剤耐性を作物につけること、②作物についた虫や病原菌が死んでしまう病虫害耐性を作物につけることです。これにより、除草剤の使用量と殺虫剤の使用量が減ることが、環境に良いというわけです。ところが、雑草もやられっぱなしではありません。数年でその除草剤に枯れない耐性を身につけた耐候性雑草が出現し、除草剤のさらなる改変や強化を余儀なくされ、その毒性はベトナム戦争で使われた枯葉剤に近づいていっています。
 また、除草剤の使用量は一度は減るかもしれませんが、耐候性雑草の出現は想定外の出来事で、除草剤の使用量は減るどころか増えているそうです。この悪循環は草も虫も幸せにはしません。耐候性を身につけた草を食べた幼虫が死ぬなどの環境破壊の事件が起きています。一度遺伝子の中に殺しの情報が入ると、不幸な連鎖が始まってしまうのだと思います。
 遺伝子組み換え作物を一番たくさん摂っているアメリカでは、その葉っぱを食べた虫が死ぬという病虫害耐性作物が原因で、ほ乳類には無害と言われ、安全性が確認されているはずにもかかわらず、胃腸障害が時を同じくして急増しているようです。
 これは飼料用作物においても同じく起きています。遺伝子組み換え飼料を食べた家畜たちは病気になりやすく弱いので、畜産農家にとって宣伝通りの順調な収入アップにならないようです。
 草も虫も家畜も幸せにしない遺伝子組み換え作物は、農家も不幸にしています。その最大の原因は、種を毎年買わなければならないということです。種とセットになっている農薬の費用を借金し、追い込まれて自殺する農家が多くでているようです。

●メダカのがっこうの見解
 ES細胞や遺伝子医療技術など、基礎医学の進歩は否定するものではありませんが、こと食に関しては人間の都合だけで行われている遺伝子組み換え作物は、みんなを不幸にしているように見えます。
 メダカのがっこうとしては、遺伝子組み換えに限らず、F1種や、BLコシヒカリなどの農薬とセットになった上に自家採種を許さない技術は支持しません。種を採って自由に播くことが食の防衛のもっとも大切な砦だからです。
 また遺伝子組み換えに限らず、種の由来、使った農薬、肥料、添加物などを、多く使った順に表示する義務付けをお願いしたいと思っています。現在、遺伝子組み換えの大豆の表示義務は、豆腐や納豆や味噌にしかありません。醤油や油は外されています。これは遺伝子組み換えの改変はタンパク質の形に現れるので、たんぱく質がない醤油や油は表示義務がないのです。
 それから、アミノ酸、アミノ酸液、たん白加水分解物などの旨味添加物の原料である大豆や、加工デンプン、異性化糖、果糖ブドウ糖液糖などの原料であるトウモロコシなども遺伝子組み換えであっても表示しなくてもいいのです。味噌や油の自給率が6%ほど、醤油に至っては0%の日本では、輸入大豆やトウモロコシ、小麦に頼っています。その中で遺伝子組み換えでないものは、味噌や豆腐に回されるので、あとは全部遺伝子組み換えということになります。表示がなければ遺伝子組み換え作物が原料と思ってほぼ間違いありません。
 私は遺伝子組み換え作物には殺しの遺伝子が組み込まれているので、たとえタンパク質が含まれていなくても、その情報を映したものは人を健康にしないと思います。命あるものを都合よく改変することは、化学薬品よりも怖いことです。それは、生きているものは思いもよらぬ変化をするからです。殺しの情報が入った遺伝子は、実験室の中と違い想定外の広がりを見せ、不幸の連鎖が始まる可能性があります。放射能漏れを起こしている原子炉のようなものです。

 私個人の見解ですが、遺伝子組み換えも原子力も今すぐ辞める決心をするといいと思います。しかしそうしたところで両者とも、汚染は続き、終息の見込みが立たない事柄であるという覚悟も必要です。ここで大切なことは、終息の仕事に携わる方たちに感謝と尊敬の気持ちを全員が持つことです。下層階級の汚い仕事のような印象を拭い去らなければ、この浄化作業をやり遂げることができません。もしやめる決心を国が出来たら、私は彼らの健康を守る食の提案と提供の働きをしたいと思っています。
 次世代に生きる環境と安全な食料に困らない日本を残せるような先祖になるという目標を持っているメダカのがっこうとしては、このような決心をして具体的に種を蒔くところから始める食糧生産に参加する仲間を増やしていく所存です。私は在来種の種蒔きと、この意識の種蒔きを毎日毎日、田んぼカフェでやっています。
 普段の生活でもご先祖様になることはできます。それは健康な体を作る食をこの社会に残すことです。体を弱らせる食品はどんなに便利で安くてもお金を使わず、強い体を作る食品や事柄にお金と時間を使うことです。買い物の選択は次世代に残すべきものへの投票ですから、これで子孫の健康を守る食品や事柄を残すことができます。皆様、電話をして私がいるかどうか確かめてから、田んぼカフェに遊びに来てください。お待ちしています。
 (田んぼカフェとメダカのがっこうの電話番号は、0722-70-6647です。)

2016年1月20日

塩で本当に心配しなければならないこと

●塩の働き
 いくら減塩を努力している人でも、塩がなければ人間が生きていけないことはご存じでしょう。『塩戦記』という第二次世界大戦の東ニューギニアで、後方補給を断たれた師団の軍医さんの手記によると、粉みそ、粉醤油、塩という兵糧がなくなると、体液が作れないため、食べても戻し、全ての機能が衰弱し戦列から落伍して、涙も出ずに死んでいくしかなかったそうです。また、塩というのは、体力や精神力に大きな影響を与えるため、人間を制御管理するのに使われてきました。特に戦時には、塩を食べた軍隊は強くなり戦争に勝ち、また戦争が終わって占領地の治安を守る時は、塩を減らして兵隊をおとなしくしたといわれています。ベトナム戦争でスパイの拷問で一番有効だったのが、塩抜きだったそうです。塩が切れると、強固な意志の持ち主でも、精神力を保つことが出来なくなるのです。

●塩は何のために摂るのか
 46億年の地球の歴史の中で、命は海で生まれました。そして光合成の副産物である酸素のおかげでオゾン層ができ、地上の条件が整った時に、海水を体液に取り込んで上陸してきたのが人間の先祖です。ですから血液や体液は内なる海、当時の海のミネラルバランスが理想の塩分です。もっとも生命をはぐくむ力のある体液は羊水ですが、この中で人間は幼魚のような体から人間までの進化をします。人間は、この血液や体液を維持するために塩分を摂取するのです。
 ここに体液のミネラルバランスを崩すものが2つあります。
 1つは塩化ナトリウムだけの塩、2つめは添加物の塩です。添加物の多くはナトリウム化合物で、アミノ酸はグルタミン酸ナトリウム、ビタミンCはアスコルビン酸ナトリウム、発色剤は亜硝酸塩、リン酸塩などなど、これらは体液を汚し弱くします。内なる海である体液・血液のミネラルバランスが良ければ、人間はかなりの病気から立ち直れます。私たちは、健康な体液を維持するために塩を摂るのです。

 そして1つ目の心配は、このまま国が1日の塩分摂取量8%から6%と引き下げていき、それを素直に信じてついていく国民です。本当に健康な内なる海を維持するには、良い塩分は欠かせません。塩抜きはやる気と根気と健康を損なう行為です。このまま自分の頭で考えて行動する気骨のある日本人が減っていくのが心配です。

 2つ目の心配は、良い塩の自給率です。日本の塩の自給率は15%。85%は輸入原塩と言って、オーストラリアの広大な塩田で採取された塩で、そのほとんどがソーダ工業用です。食用塩には、イオン交換膜法の塩=食塩と、輸入原塩を溶かして再結晶させて精製した精製塩がほとんどを占めています。この塩は塩化ナトリウム99.6%以上の純粋なもので、この塩では人間が健康を維持するのは難しいと考えた人たちが、輸入原塩に日本の海水や伏流水や苦汁分を溶かし入れて再結晶させた再生自然塩を作っており、その塩は食用塩の20%を占めるまでに健闘しています。しかし原料は輸入原塩、日本の塩の自給には貢献していません。イオン交換膜法の塩は日本の海水100%ですが、悲しいことにこれは塩化ナトリウム99.6%であって、命を支える塩ではありません。日本の海水を濃縮して天日乾燥や釜炊きをしている塩は食用塩の0.5%にも満たないのです。つまり200人に1人しか食べられません。醤油の自給率0%、味噌6%ですが、本当の日本の塩の自給率は0.5%なのです。

 3つめの心配は、輸入原塩=天日塩の食用としての適性です。メダカのがっこうは、日本にあるものだけで健康に生きていける食事を提案しているので、自給の観点からも輸入原塩は使いません。しかしほとんどの加工品にはこの輸入原塩が天日塩と表示されて使われています。
 輸入原塩は工業用に輸入されている天日塩に間違いないのですが、海の塩は空気中に放置すると苦汁分が空気中の水分を吸収して重くなってきます。この現象が輸送の際、船の中で起こると困るので、現地で飽和海水で回りの苦汁分をできるだけ洗い流してくるのです。つまり輸入原塩の天日塩は、天日塩の良さを洗い流してしまった塩なのです。ですから、ミネラルバランスもマグネシウムが精製塩並みに少なくなっています。輸入原塩の形状はげんこつ大のゴツゴツとした塩の結晶です。この大きな塩化ナトリウムの純粋な結晶を粉砕したものが天日塩として味噌や醤油や漬物などの加工に使われているのです。
 粉砕塩と、日本の海水を濃縮し結晶化させた塩では、味が違います。粉砕塩はあくまで塩化ナトリウムの結晶を細かくしたもので、わずかな苦汁分が残っていた外側の部分だけに微量元素が感じられるわけですが、天日や釜炊きで結晶化させた日本の海塩には一粒一粒の周りに微量元素が付いています。多分天日塩がどういう塩であるかと言うことをほとんどの人が知らないでしょう。この塩で良いと思っていると、日本の塩づくりが育ちません。これが私の4つめの心配です。
 天日塩が食品加工用に広く使われている一番のわけは、1kg60円という価格の安さです。それに比べて日本の海塩は、1kg平均3000円です。雲泥の違いがあります。自給自足の生活で大切な味噌や醤油、梅干しやたくあんなど20%は塩、大豆や米や小麦、梅や大根などの原料にこだわっている人でも、塩にこだわっている人は多分1%以下です。日本の海塩づくりはまだ需要に追い付いていません。でも多くの人が求めれば作る人が増えてくるはずです。
 メダカのがっこうでは、大豆や小麦はもちろん、伊豆大島の阪本さんの塩を使って、味噌造り(2月5~7日)と醤油造りの今年のモロミ仕込み(3月13日)をします。ホームページのショップからどうぞご参加ください。

2015年12月20日

日本人の乳酸菌の宝庫、たくあん・ぬか漬けは自分で作ろう。

 12月はたくあん漬けの季節。メダカのがっこうの自給自足くらぶでは、首まで土に埋まった在来種のたくあん大根を半月程干してしんなりしたものを、摺(す)りたてのぬかと日本の海のミネラルバランスの良い塩と、ミカンやカキの皮、昆布や唐辛子と一緒に漬け込み、重しをうんとかけてたくあんを漬け込みました。農薬、化学肥料、添加物を一切使わない本物のたくあん漬けです。食べられるのは来年3月、それまでは冬野菜のぬか漬けで我慢です。たくあんはぬか漬けの保存食版ですが、大根の効能と独特の味わいがプラスされます。

 ぬか漬けは日本人の腸内細菌にぴったりの乳酸菌です。ちょうど欧米人のヨーグルトに当たります。戦後食生活が欧米化して様々なヨーグルトがもてはやされていますが、日本人のお腹には先祖から住み着いている乳酸菌が合うのです。またぬか漬けは、あらゆる食材の中でもトップクラスの栄養素を持っています。それは、米ぬかが、タンパク質、脂質、繊維質、カルシウム、リン、鉄、ビタミンA(カロチン)、B1、B2、ナイアシンなどを豊富に含んでいるからです。ぬか漬けは日本が生んだ食の傑作と言えるでしょう。

 それでは、野菜の食べ方として、ぬか漬けの優れた点を5つ挙げてみましょう。
(1)ぬか漬けは生の野菜よりビタミンB類がアップ
 お野菜をぬか漬けにすると、浸透圧で野菜の水分が抜け、ぬかに含まれる栄養分を吸収します。そのため、生野菜よりビタミン含有量が増えます。特に大根は吸収が良く生大根に比べると、ビタミンB1は16倍、ビタミンB2 は4倍、ビタミンB6は6倍、カルシウムが2倍になるというデータがあります。他の野菜でもビタミンB1の含有量が3~10倍になります。
(2)ぬか漬けは白米の欠陥を補完する
 ビタミンB1は、脳のエネルギーとなるブドウ糖の分解に必要な成分で、もともと玄米に含まれていますが、米の精白過程でその多くが失われてしまいます。そのため、白米とぬか漬けの組み合わせは、お互いを補い、脳の働きを高める食べ方といえます。
(3)ぬか漬けは生野菜より消化酵素を活発にする
 酵素はすべての生野菜に含まれているものですが、塩分で野菜の細胞を死滅させると、その働きがより活発になり、野菜内のタンパク質を分解して旨味のもとであるアミノ酸に変える働きします。ですから、ぬか漬けには食べものの消化を促進してくれる消化酵素がたっぷり。食べ過ぎにより分解しきれないタンパク質や脂質が体内にたまっている現代人に最適です。
(4)ぬか漬けは、GABA を豊富に摂取できる食材
 GABAは旨味を作り出すアミノ酸の一種ですが、通常野菜からは殆ど摂取できません。この成分には脳内の血流を活発にし、酸素供給量を増やし、脳細胞の代謝機能を高める働きがあります。ぬか漬けはぬかが発酵する過程でGABAが豊富に作り出されます。つまり、ぬか漬けにはイライラを防ぎ、気分を落ち着かせる働きがあります。
(5)ぬか漬けは、乳酸菌を生きたまま腸に届ける
 ぬか漬けは、腸で生き抜く力が強い植物性乳酸菌をもっているので、体内に入ると胃をくぐり抜けて大腸まで達し、そこを生活の場として食中毒菌の棲みにくい環境をつくったり、便秘解消など体調を整える働きをしてくれます。
 ちなみに、乳酸菌の説明をしておくと、乳酸菌は大きく分けて2つあります。
 乳酸菌で代表的なヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌は動物性の母体で発酵する「動物性乳酸菌」、また漬物やお酒など植物を母体に発酵するものは植物性乳酸菌です。多くの乳酸菌は胃酸で死んでしまい腸まで辿り着かないことが多い中、植物性乳酸菌は生きたまま腸まで行く強い力を持っています。そして、生きたまま腸に届いた乳酸菌は、直接悪玉菌を退治してくれるのです。
 このほかに、○脚気(かっけ)の薬 ○糖尿病の予防 ○脳卒中の予防 ○大腸がんや胃がん肝臓がん予防 ○胆石の予防 ○胃腸の強化 ○肥満を防止 ○歯や骨を丈夫にする ○バストアップ、ダイエット、美肌効果 ○ダイオキシン排出量は基本食の3~4倍になるなど、“おそるべし! ぬか漬けの効能”というところです。

 それでは、ぬか漬けはいつごろからなぜ作られたのでしょう。
 発祥とされるのは江戸時代です。白米を食べる習慣が始まり、大量の米ぬかが出回ったため、一般家庭でも盛んに作られるようになりました。それまでは、奈良時代から臼でついた穀類や大豆を漬け床とする漬物がありましたが、その穀類や大豆の代わりに米ぬかを使ったのがぬか床の始まりだと考えられています。
 江戸で白米を食べる習慣が広まると、将軍をはじめ上層武士の多くが脚気に罹り、江戸患いと呼ばれました。この脚気を予防するため、ビタミンB1を野菜に吸収させて食べるぬか漬けが普及したようです。
 また、江戸の町に暮らす多くの独身男性たちは、味噌汁を作るのが面倒な時でも、ぬか漬けと納豆を食べて健康を維持していました。繰り返し何回も使えて、野菜の切れ端などを漬けておくだけのぬか床は、それだけ“便利なもの”というイメージだったのです。

 たくあんは干した大根のぬか漬で、ぬかに昆布や塩、干した柿やミカンの皮、トウガラシなどを混ぜ込んで隙間なく漬け込み、重しをかけた保存食です。ぬか漬けは漬けすぎると溶けてしまいますが、たくあんは何年でも持ちます。そして、効能はぬか漬けと同じです。たくあん2切れで1日の乳酸菌は摂取できます。
 しかし、市場に出回っているたくあんの実態は、大変なことになっています。特に、お弁当や定食のお供についている安い真っ黄色のたくあんは要注意です。大量生産する黄色いたくあんには食品添加物がたくさん含まれています。食品添加物といえば、化学薬品、発がん性の恐れもある怖いものです。黄色いたくあんの食品表示を確認してみてください。大根、食塩、ぬかの他にグルタミン酸ナトリウム、ブドウ糖果糖液糖、ソルビン酸カリウム、黄色4号、黄色5号、赤色5号など10種類以上もの食品添加物からたくあんが作られています。
 たくあんは、無添加で作ったとしても真黄色ではありませんが、ほんのり黄色くはなります。これは大根に含まれる糖分がたんぱく質と結びついて「メイラード反応」と呼ばれる野菜を熟成発酵させる場合に起こる色の変化です。この反応でできるメラノイジンが細胞の再生能力をアップさせ放射能対策に良いことは、このコラムの8月の味噌のところで述べたとおりです。
 しかし、真黄色のたくあんはアレルギー性の高さや喘息、じんましんなどの原因から問題視されているタール色素「黄色4号」の合成着色料(色粉と呼ばれているもの)でできているものです。これでは、乳酸菌が含まれて腸にいいはずの発酵食品が体に危険な食べ物に変わってしまいます。
 体にいい成分が多く、効能抜群のたくあんですが、市場では無農薬の大根と米ぬか、ミネラルバランスが良い海塩で漬け、無添加で商品に仕上げたものは手に入りません。
 そこで、メダカのがっこうでは、花まる農家と手を結んで、自分たちで作ることにしたのです。
 自給自足とは、保存食を作ることでもあります。3ヵ月先、1年先、2年先、3年先のために今準備する暮らし方が必要です。1月2月は味噌の寒仕込み、3月は醤油の仕込み。
 皆さん、メダカのがっこうの自給自足くらぶで一家、一族、仲間のグループの1年分を仕込みませんか? 詳しくはメダカのがっこうのHPの参加者募集か、ショップでご覧ください。