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メダカのがっこうは、
こんな想いから生まれました。

平成13年4月に設立した時から、基本の考えは変わっていません。

メダカが絶滅危惧種に?

2000年、環境庁レッドデータブックの絶滅危惧種にメダカが載りました。メダカだけでなく、ドジョウ、タニシといったかつて田んぼにあたりまえに居た生きものたちが、私たちの身の回りから姿を消して久しくなっています。田んぼの生命連鎖の中でこそ繁殖できる彼らを、絶滅へと向かわせているのは、農薬や化学肥料を田んぼにもちこんだ人間です。

さらにいえば、いのちと逆の方向に向かいつつあるのは、絶滅危惧種だけではありません。「食とは命をいただくこと」であるはずなのに、田の生きものたちを絶滅に追いやるような環境でつくられる食糧を食べていたのでは、私たち自身の生命を健全に養い、次世代へとつないでいくこともできません。「メダカが泳ぎ回る田んぼを復活させよう」そう心に決め、環境NPOとして「メダカのがっこう」を発足させました。

トキの野生復帰運動からのスタート

まず最初に関わったのが、当時すでに動き始めていた、佐渡島のトキの野生復帰運動です。トキの野生復帰には、トキが食べる餌が豊かにある、生きものに配慮した田んぼづくりをしてくれる農家を増やさなければなりません。そのためにまず、トキや私たちが生きる環境を取り戻そうとがんばってくれている農家を、都会の一般消費者と結びつけ、組織的にサポートしていくことが必要であると考えました。

農家支援のために消費者ができること
フェアトレードと援農

お米の価格はこの60年間で5分の1以下となってしまいました。「農業では生活できないから自分の代で終わりにしよう」いう農家がほとんどです。ここに来て、メダカやトキばかりでなく、農家そのものの絶滅が危惧されていることが分かりました。この問題を解決するために次のような農家支援策を考えました。

 都市部の消費者の側から
農産物価格のフェアトレード(適正価格)を提案し
農家の収入増加を実現する。

 草取りなど多くの人手を必要とする無農薬栽培の農業を
健康な米や野菜を頂く消費者側からサポートする
「援農隊」を組織する。

消費者の生活意識を変える
自給自足くらぶ

そもそも、なぜ、お米の価格が農家がやっていけない程までに下がってしまったのか。それは、日本人の食生活が、崩れて来たからです。お米中心の食生活はとても大切で、農家を支えるだけでなく、日本人の健康と食料自給率を高めることにもつながります。そこで、2010年頃から、次のような展開を加えました。

 米中心の食生活を具体的に提案する「自給自足計画」で
日本人の心身の立て直しをはかる。

米だけでなく、この伝統食を支える基本的食糧、味噌、醤油、梅干し、沢庵なども農家と手を結び、原料から無農薬・無添加のものを手造りする自給自足生活を提案し、共同で保存食づくりができるようなイベントを企画しています。また、都市部の消費者の生きる力を取り戻すために、農家の醸造・発酵・塩蔵技術を伝えていこうと「自給自足くらぶ教室」を開催しています。

田の生きものや田の草などの基礎研究と
環境・情操教育の場の提供

また、農薬・化学肥料を使わない米づくりを続けていくためにはもうひとつ。自然を「読む」観察力と、適切な時期に適切な作業をする技術が必要です。そこで、

 生きものが生きる場ともなる
生物多様性の田んぼの調査研究

メダカのがっこう発足以来、田んぼの生きもの調査を行っています。これは、農家にとってのみならず、 近代化という名の下に、自然循環の輪を分断し、命のつながりを忘れている私たちすべてにとって必要な学びです。小さな地球ともいえる田んぼを観察することを通して、人間を包含する自然のあり方に感動する心を育てることは、子どもの全人間教育につながるでしょう。生命連鎖を観察できる田んぼは、子どもだけでなく、すべての人の心身の健康にとってもすばらしい教材となるはずですです。

3つの宣言

以上の4つの活動を柱として、環境、教育、農業に寄与するため、特別非営利活動法人メダカのがっこうを設立し、活動してまいりました。21世紀の地球の一員として、自然破壊の事後的修復という従来のあり方を改め、地球上のすべての生命と共生していける人間のあり方を模索し、次の3つのことを、確実に実践していきたいと考えております。

  1. 瑞穂の国日本の自然再生を田んぼから始めます。
  2. お米と一汁一菜で身体と心の健康と食料自給力をアップ。
  3. 農家と手をつなぎ、食の安全と豊かな自然を子ども達に残します。

私たちひとりひとりが生命力あふれる田んぼや畑をサポートすることで、自らの健康を守り、日本の農業を復活させ、生きる環境と安全な食料に困らない日本を次世代に残せるような働きをしたいと考えています。