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田んぼのいきものだより

2015年5月19日

水口さんの生きもの調査 2015.05.07

椿さんに引き続き、水口さんの田んぼに生きもの調査へ行って参りました。暖かい日が続いたのと、田んぼに水を入れてから、一か月近くが経過していることもあり、たくさんの生きものを観察することができました。特に多かったのがカエル。それも産卵期を迎えた、トウキョウダルマガエル、ニホンアマガエルが非常に多くみつかりました。

また、田んぼの中にはすでにオタマジャクシが泳いでいました。眼の少し下あたりに、一対の黒い斑点のあるオタマジャクシ。これは、ニホンアカガエルのオタマジャクシです。ニホンアカガエルは、他の田んぼでみられるカエルより、少し早い3月~4月初めに卵を産むため、もう3センチ程度の大きさになっていました。水口さんは、今年カラスが多く田んぼに来て、カエルを食べてしまったとおっしゃっていましたが、そんな事は感じさせないぐらい、多くのカエルを観察することできました。

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田んぼの中を覗くと、椿さんの田んぼに負けず劣らず、ものすごい数のミジンコの仲間達が泳ぎ回っていました。これから、田んぼにはオタマジャクシが溢れる季節。エサの準備も万端のようです。今回の調査では動物種としては、32種を観察することができました。水口さんの田んぼは、昨年度はタガメや、ミズカマキリなどオタマジャクシやカエルを主なエサとしている生物も観察されているので、今期も今後の調査で観察できる可能性が大きくなりました。

畦に生える植物も、42種観察することができました。まだ、田の中に生える植物は見当たりませんでしたが、椿さんの田んぼと同様に、どの種も決して珍しい植物ということはないのですが、除草剤の影響を受けやすい植物も多く観察され、植物の側からみても多様な環境が保たれているのを見てとることができました。

水口さんの田んぼには、今週末24日に、田植えのイベントも控えております。田植え作業中にも様々な生きもの達が観察できるかと思いますので、参加される方は、それも楽しみに来て下さいね。


2015年5月8日

椿さん生きもの調査 2015.4.24

4月24日に椿さん田んぼへ生きもの調査に伺いました。4月初旬~中旬は雨が多く気温も低かったのですが多くの生きものを観察することができました。非常に数が多かったのが、ミジンコの仲間。腕を田んぼに入れて引き上げるだけで腕にミジンコが張り付いて赤く見える程でした。またユスリカやイトミミズもすでに田んぼの泥の中には発生していました。

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カイミジンコ

このミジンコやユスリカをエサに、これから多くのオタマジャクシや、小型のゲンゴロウ類が、田んぼに集まってくるかと思います。数は少なかったですがすでにゲンゴロウの仲間は観察することができましたし、トウキョウダルマガエル・アマガエルの成体もすでに田んぼにきていました。今回の調査で観察できたのは29種でしたが、これから非常に賑やかな田んぼになっていくかと思います。

 

ニホンアマガエル

植物については、代掻き、入水の直後ということもあり田の中には、まだ生えていない状態でしたが、畦は色とりどりの植物が咲いていましたので、何種類か簡単に紹介させてもらいます。まずは、畦を紫に染めている「ムラサキサギゴケ」です。

ムラサキサギゴケ

ムラサキサギゴケ

同じ仲間で白花のものがあり、これが鳥のサギに見えるのと、コケのように地面を這って生えるため、サギゴケの名が付きました。その仲間で紫色の花が咲く種ということでこの名がついています。

次は小さな白い花、「ノミノフスマ」です。春の七草の一つハコベに近い仲間で、ハコベを少しか弱くしたようなイメージの植物です。フスマとは、昔の掛布団のことようで、蚤が使うほど小さいということで、「ノミノフスマ」と付いています。恐らく葉をフスマに見立てているのかと思います。

ノミノフスマ

ノミノフスマ

最後は、キュウリグサ。ワスレナグサに近い種類の植物で、花はとても良く似ていますが、ワスレナグサよりも更に小さな花を咲かせます。草を摘んで揉むとキュウリに似た匂いがするということで、「キュウリグサ」と付いています。

キュウリグサ

上、ジシバリの 中、キュウリグサ 下、トキワハゼ

その他、植物は38種を観察することができました。どの種も決して珍しい植物ということはないのですが、この当たり前にあるべき植物達すら、除草剤をまいている田には生えていません。植物が無いと、それを住処やエサとする動物も寄り付かず、それに加えて殺虫剤を撒くことで、イネしか生きもののいない沈黙の田んぼとなってしまいます。

いつまでも、この当たり前の賑やかな田んぼを見ることができるよう、農薬、除草剤を使わない農家さんを応援していきたいと、今季初の生きもの調査で再確認できました。

今回の調査の結果や、見られた生きものの種名等は、別の形できちんとご報告をしたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。


2015年3月27日

ニホンイモリ

今回は、ニホンイモリを紹介します。別名はアカハライモリ。背中は黒っぽい色をしていて、田んぼを上から覗いてみてもあまり目立ちませんが、腹側は赤い地色に黒の模様が入っていて非常に目立ちます。

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ニホンイモリ

この赤い色は警戒色と呼ばれるもの。実はフグ毒と同じ成分、テトロドトキシンという猛毒をもっている生きものでもあります。まずは背中の保護色で見つかり辛くしておき、見つかってしまった場合も、この赤い色で自分に毒があることを知らせ、食べられないように工夫しています。ただし、触っても特に問題はありません。傷口がある場合に少しピリピリとした感じがする程度。食べてしまった場合はどうなのか分かりませんが、触った後にはよく手を洗うように注意する程度で大丈夫です。

春に産卵し、孵った幼生は田んぼなどの水中で過ごします。姿はカエルの幼生とは違い、外鰓という呼吸器官が頭の周りに出ています。成長し手足が出てくるころには、一昔前に流行ったウーパールーパーを小さくしたような姿になりとても愛らしいです。それ以上に大きくなると外鰓が吸収されて無くなり小さなイモリになります。こうなるとカエルと同じで肺呼吸になります。

非常に生命力の強い生きもので、水温は0℃位から35℃程度まで平気です。寿命も長く、少なくとも25年。きちんとしたデータは無いようですが、50年位生きるという話もあります。また、再生能力にも優れている生きもので、手足や、尻尾などが切れてなくなってしまっても、骨まで完全に再生することができます(トカゲの尻尾が再生するのは有名ですが、骨までは再生しません)。

そんな生命力にあふれるニホンイモリですが、やはり数を減らしている生きものとして、紹介しなければなりません。原因はやはり水質の悪化や、農薬の影響。その他にも、きれいな生きものなので海外の両生類マニアからの需要もあり大量に捕獲されてしまったといのも要因となっているようです。

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水面を見つめるニホンイモリ

カエル・ザリガニをも上回る子供達の人気者、ニホンイモリ。もう少しで、産卵のために田んぼに多く集まってくる季節になります。

今年も出会えることを楽しみにしています。

 


2015年3月13日

ニホンマムシ

関東の田んぼで出会うことができるヘビは、アオダイショウ、シマヘビ、ヒバカリ、ヤマカガシ、マムシの5種の内の一つである場合が多いかなと思います。今回は、その中でも、ちょっと注意の必要なヘビ、マムシを紹介します。

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ニホンマムシ

マムシの特徴は、身体に小判型の斑紋模様が並んでいることです。頭が三角形になっているともよく言われますが、他のヘビも威嚇する際には頭を三角形に変形させるので、私は模様で見分けるのが一番良い方法だと思います。慣れるとフィールドでも見分けることができるようになると思いますので、しっかり覚えて下さい。比べてもらうためにアオダイショウとシマヘビの写真も載せておきます。

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アオダイショウ

 

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シマヘビ

これらの種類も、子供のうちはマムシによく似た模様があり、マムシに間違われることがあります。ただ、さわらぬ神に祟りなし。マムシに似ていると思う場合はもちろん、確実に無毒のヘビだという確信が無い限りは無闇にヘビに手を出さないでください。

ただ、気を付けていても田んぼの中では誤って踏んでしまう事や、手に触れてしまう事があります。そういう時には咬まれる事もあるので咬まれた場合について少しだけ触れておきます。

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草地のマムシ 枯草に紛れ見分けがつきづらい

マムシは猛毒のヘビで噛まれるとすぐに死んでしまう。というようなイメージがあるかと思いますが、実際の致死率はそう高くはありません。噛まれた場合はまず落ち着くこと。慌てて走ったりしては余計に毒のまわりを速めてしまうことになります。まずは医療機関へと連絡を入れ、落ち着いて病院へ向かいましょう。現場での応急処置としては咬み傷周辺を強く押して毒を絞り出す程度に留めます。口で毒を吸うこと、咬まれた場所を縛ること、傷口を開いて毒を出す等の行為は、あまり意味が無かったり、余計に悪化させたりする恐れがあるので、やめておきましょう。

さて、そんな毒を持つマムシですが性格はとても臆病で、こちらから手を出さない限りは、マムシの方から積極的に噛みつきにやってくるということはありません。遠目から見る分には模様のとても綺麗なヘビです。また生態には興味深いところもあります。それは、卵胎生といわれる繁殖方法をとっていること。卵胎生とは簡単に言うとお腹の中で卵を孵し、子供を産む方法。つまり、マムシは見かけ上は卵ではなく子供を産むヘビだということになります。夏の終わり頃から秋口にかけて10尾前後の子供を産むそうです。

マムシは、田んぼの生態系ではピラミッドのトップに入る生きものです。マムシがいる事は生態系が豊かな場所であることの証にもなりますし、マムシ自身もその環境ではとても重要な生きものです。無暗に怖がったり、駆除の対象にしたりはしないで、適切な距離を知って接するようにしてほしいと思います。


2015年3月5日

ヤマトシジミ

ヤマトシジミ

今回紹介するのは、田の畔でよく見かけるチョウの一種、ヤマトシジミです。羽を広げた状態でも大きさは2.5㎝程度と非常に小さなチョウです。

名前の由来は羽を閉じた姿が二枚貝のシジミに形が似ているから。それに大和の国でよく見かけるという意味でヤマトの名が冠されたのだと思います。

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ヤマトシジミ

名前はあまり有名ではありませんが、都会でもちょっと気にしていると一番よく見ることができるチョウだと思います。田の畔以外でもちょっとした草原や、場合によってはアスファルトで舗装された道路の脇でも、この薄い青色の小さなチョウは見ることができます。

このチョウがどこでも目にすることができる理由。それは食草(幼虫の食べる植物)に秘密があります。このチョウの食草はカタバミのという植物。やはり名前はあまり有名ではありませんが、舗装された道路の隙間、本来植えていた植物が枯れてしまった後、放置していた鉢やプランター、もちろん草原や田の畔、等々、どんな場所でも4つ葉のクローバーのような葉に、小さな黄色い花が咲くこの花を見つけることができるか思います。

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カタバミ

そしてどこから見ていたのか、その周りには卵を産むため、もしくは花の蜜を吸う為に、ヤマトシジミがよく飛んでいるのです。皆さんも、通勤、通学、お買い物の行き帰り、是非、道路の脇に生えているカタバミやその周りを飛んでいる、ヤマトシジミを探してみて下さい。

チョウの仲間はその食草が、種類毎に違っていることが多く、多くの種類のチョウがいるということは、多くの種類の植物がその場所に生えているという事の証拠の一つにもなります。メダカのがっこうの花丸農家さんの田んぼには、このヤマトシジミをはじめ、チョウの仲間も多くみることができますので、色々と紹介をさせて頂きたいと思います。


2015年2月25日

ハハコグサ

今回は、田んぼの畔でよく見かける植物の一つ、ハハコグサ(母子草)を紹介します。ハハコグサの名前だと、ピンとは来ないかもしれませんが、オギョウ(またはゴギョウ)と聞くと分かる人もいるかもしれません。春の七草の一つに挙げられている植物の一つです。

ハハコグサ

ハハコグサ

一番目に付きやすいのが、花が咲いている春の時期。小さく黄色い花がいくつか集まって咲いているのを目にすることが多いかと思います。田植えの時期、田の畔を彩る植物たちの一種です。

7草粥で食べられるのは勿論ですが、昔は草餅といえばヨモギではなく、このハハコグサを使っていたようです。確かにどちらもキク科に属する植物なので、風味はそうは変わらないのかもしれません。食べるのは花が咲いてしまった状態ではなく、冬~早春のロゼット状(地表に張り付くように生えている植物の休眠状態の姿)のものを食べます。慣れないうちは少し難しいかもしれませんが、全草がフワフワしたビロードのような毛で覆われていて、慣れてくると花が咲いていなくとも意外と見つけやすいです。

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ハハコグサのロゼット

西荻窪の駅から、メダカがっこう事務局へ向かう道。このハハコグサに似た植物がアスファルトの隙間から生えているのを目にします。これはチチコクサモドキ(父子草擬き)。なんだか、偽物の更に偽物みたいな名前です。もともとハハコグサに似ており、少し地味で細い草姿である植物に、ハハコグサに対する形でチチコグサという名前が付けられ、更にその姿に似た外来種の植物が侵入したことで、それにチチコグサモドキと名付けられたようです。都会のアスファルトの隙間では、このチチコグサモドキを見る方が圧倒的に多いです。

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チチコグサモドキ

ここ数日、暖かい日が続いています。もう少しで、ハハコグサをはじめ、多くの野草が花を咲かせる時期がやってきます。家や会社に閉じこもってばかりいるとイライラが溜まってしまいます。晴れて暖かい日には、家族皆で草の花を見に少し草地のある公園や田んぼをお散歩するのも良いんじゃないでしょうか。

 


2015年2月19日

トウキョウダルマガエル

メダカのがっこうの花丸農家さんの田んぼに行くと、必ずと言っていいほど観察することができるカエルです。トノサマガエルとよく間違われていますが、模様の違いで見分けることができますし、関東で見かけたのであれば、ほぼ間違いなく、トウキョウダルマガエルだと思ってもらって大丈夫です。春に産卵し、卵からかえったオタマジャクシが初夏、田んぼの水が抜かれる前にはカエルとなりますが、成体になってからも水辺からはあまり離れないで生活をしています。

トウキョウダルマガエル

トウキョウダルマガエルは、個体差が非常に大きいのが特徴の一つです。他に田んぼでよく見かける、ニホンアマガエルや、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエルは、どの個体をとってみても同じように見えてしまいますが、このトウキョウダルマガエルは体色や斑紋が一匹、一匹大きく違います。斑紋が大きいもの小さいもの、体色も緑が強いものから、茶褐色のものまで。個体によっては、これ何ガエルだ???と、一瞬分からなくなる個体までいるので、目視でトウキョウダルマだと分かっていても、ついつい捕まえて観察したくなってしまいます。

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茶色の強い個体

いつも花丸農家さんの田んぼでは数多く観察できるので、どこにでもいるカエルなのだと錯覚してしまいがちですが、栃木県、千葉県では県の絶滅危惧種に指定されている程、数を減らしてしまっているカエルです。数を減らしてしまっている原因としては、田んぼ自体の減少、圃場整備、農薬や、ウシガエル・アメリカザリガニによる被食などが主な要因ではないかといわれているようです。

ある程度大きいので、捕まえた際の達成感も大きいのか、子供達の標的になりやすいのがこのカエル。捕まえようとして、田の畔をカエルと一緒になって跳ねている子供達。春~秋にかけて、私達の田んぼでは、よく見られる光景です。