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中村陽子のコラム

2020年1月4日

自家増殖原則禁止とは(種苗法改正が次の国会で通ってしまうと大変です)

「自家増殖原則禁止」と聞いても、何のことか、どんな不都合が起こるのか、皆目わからないと思いますが、これは本当に大変なことになります。

「自家採種」というのは、栽培した植物の種子を採り、またそれを播くことです。人間の歴史で栽培が始まった時からずっと今に至るまで続けている行為です。それも、ただ種子を採るだけでなく、よりおいしくて形が良く、多収穫な形質を持った作物の種子を採り続けてきました。種子は気候変動にも、人間の趣向にも合うように変化し続けています。

「自家増殖」というのは、種子ではなく、芽の出た芋を植えて増やしたり、ランナーという蔓が伸びたものを土に植えて増やしたり、株分けして増やしたりする栽培技術で、農家の腕の見せ所です。

「自家増殖原則禁止」とは、この2つを禁止するものです。農水省知財課の説明会では、禁止するのは、登録品種だけで、登録品種というのは種子全体の5%ほどだから、全く心配はいらないということで、私も一瞬大丈夫なのかと思いましたが、違いました。

先日鹿児島の農家が、地域ではとてもおいしい紫芋をたくさん作っていて、みんな在来種だと思ってどんどん増やしているが、調べてみたら登録品種だった。自家増殖原則禁止になったら、みんな法律違反を犯していることになると心配していました。これは氷山の一角だと思います。増やすことは農業の基本ですから、美味しい野菜はどんどん増やしているでしょう。日本中の農家が訴えられれば罪に問われることになる法律が、今度の国会で可決されようとしています。

国が自家増殖原則禁止にする理由に挙げているのは、シャインマスカットという優秀なブドウの品種が、海外に持ち出され栽培され、日本の市場を奪っているからだと言っています。しかし国内の品種を海外に持ち出すことは今の種苗法でも禁止されているので、このような順法精神のない海外の盗人を、いくら国内法を厳しくしたからと言って、取り締まれるわけがありません。1例ごとに裁判を起こすしかないのです。自家増殖原則禁止で権利を奪われるのは前述した日本のまじめな農家です。

では今の種苗法はどうなっているかというと、農家は原則として自家採種は認められています。しかし農水省は、自家採種を禁止する作物を増やし続けています。2016年には82種でしたが、2019年には372種になりました。ほうれん草や人参は登録品種ではありませんが、この禁止植物に入っています。どうしてこんな変なことが起こっているのか?

それは世界の動きを見るとわかります。世界のグローバル企業は特許権、知的財産権でお金を儲けようとしているからです。日本政府もこの方針です。これは工業製品なら理解できます。発明したものや、工夫し、それを実現するために研究を重ねたものに、ある年数の特許権が与えられ、それまでの苦労や費用を回収し儲けることは、必要だと思います。

しかし、種子や苗などの命あるものを特許の対象にするのはおかしいことです。特許をとれるとしたら、遺伝子組み換え技術やゲノム編集技術でしょう。この技術によって出来た種子や苗に特許を与えるのはへんです。この種子には元の種子が存在し、それは何千年もの間先祖が工夫しながら繋いできた種子なのですから。それにその大本の種子の命は人間には作れません。

これは生命とは何かという哲学的なところから考えなければなりません。インドでは種子の特許は禁止されています。またEUでも生物特許は認めないという動きが出ています。これは特許の適用に反対する市民団体No Patents on Seedsの活動の成果でもあります。

グローバル企業の狙いは分かります。TPPもFRAもUPOV条約も国家がグローバル企業への利益誘導をするために利用されています。しかし、これと同じ次元で反対しても成果は出ないでしょう。命の性格、種子の特性をよく知れば、おのずと正しい判断ができます。たとえば種子は、自然界の野生の種子でも常に変化し続けています。それは登録品種でも同じです。1年として同じ気候、同じ環境はないのですから、命あるものは常に適応するため、その環境で繁栄するために変化しています。現在ある種子の多様性は、各地の農家が種子を播き育て自家採種を続けてくれたおかげです。お米も大豆も数千種位以上の品種があります。

特許を取るには、その遺伝子や形質を記録します。しかし本当は、同じ遺伝子でも違う品種、違う形質が出る植物もあります。命は変化するので管理できません。同じ品種と言えども変化します。それは生きているからです。規格のある工業製品のように、品種を同じ遺伝子同じ形質で維持することは非常に難しいことで、多大な費用がかかります。それゆえ、たとえ維持できたとしてもほんのわずかな品種しかできません。

これは食の安全保障上、非常にまずいことなのです。気候変動によりある品種が全滅することがあります。過去にもありました。その時出来るだけ多様な種子を持っていることが必要なのです。今までの歴史では、農家が自家採種で守ってきた多様な品種の中からまた私たちの食料となる作物を見つけてきたからです。今まで日本は農業試験場でたくさんの品種を維持管理してきました。民間ではいつ役に立つかわからない品種を維持管理することはできません。もうけに繋がらないからです。しかしこれも種子法廃止で国から民間に移せというのが国の方針です。本当にヤバいことになりました。

日本は種子の種類は多分世界一、水も豊かな国で、今まで危機感はありませんでした。しかし、世界を支配しようとする人は、水と種子を押さえることで、その国を征服するのです。そして今日本は、ほぼ征服されてしまいました。だから、国を私たちの手に取り戻さなければなりません。生きるためには、みんな水と食料は必要とするのですから、主義主張は関係なく、生きているものに特許を与えることと、自家増殖原則禁止に、反対の声を上げてください。お願いします。


2019年11月20日

私の一番の味方でいてくれた母を偲んで

 今月の始め11月4日に母が亡くなりました。大正15年生まれで93歳でした。大正、昭和、平成、令和を生きました。母方の親戚の中で一番長寿の曽祖父と同い年の寿命でした。今回は母のいくつかのエピソードを思い出して、偲んでみたいと思います。

 母の特筆すべきところは、恐れを知らない育ちの良さ、ねたみや嫉妬とは無縁の人だったということ。母は良く自分のことを「我がまま」だと認めていて、「私は両親が結婚して13年目に生まれた子どもだったから、いつも抱っこしてもらっていて、下に置かれたことがなかったからね」とその理由を説明していました。頭が良くて優等生で、3人兄弟の長女で、親の愛や先生から信頼されていて、期待に応えるだけの実力もあって、何も困らなかったせいか、死ぬまで恵まれていて人に大事にされる雰囲気を持っていました。

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2019年10月20日

2019年12月2日~12月12日 アメリカを変えたママがやって来る!日本のお母さんたちも、アメリカのママたちに続こう!

 昨年の12月14日、マムズアクロスアメリカの創設者である、ゼン・ハニーカットさんの講演を聞き、直接彼女と息子さんに会いました。彼女には3人の息子さんがいて、2人がグルテンアレルギーで生死の境をさ迷ったそうです。お連れになっていたのは、特にアレルギーを持っていないボディー君でした。彼女はNONGMO(非遺伝子組み換え食品)を子どもたちに食べさせていました。
 ところが、家族そろってNONGMO の食生活をしていたのに、彼の行動や学習面に障害が出て、数学の成績がAランクからDランクに落ちたのです。尿検査をしてみるとグリホサートがかなりのレベルで検出され、そのせいでリーキーガット症候群となっていたことがわかりました。腸内細菌を調べてみるとクロストリジウム・ディフィシルが多いこともわかりました。この菌は、自閉症や学習障害を起こす菌だといわれています。リーキーガットとは、漏れがちなという意味です。腸間壁に問題があり、小腸に穴が空いていたのです。

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2019年9月20日

ゲノム編集について知っていてほしいこと

 ゲノム編集という言葉をテレビで聞いてからまだ3か月ほどで、ゲノム編集は表示義務なしに解禁されました。ゲノム編集とは、遺伝子操作の一つで、初めはリンゴやジャガイモの切り口が赤くなるのを防ぐため、赤くする遺伝子を取り除いたリンゴやジャガイモにするというようなものです。アメリカではNewGMOと呼ばれています。
 この時点から、私はゲノム編集に嫌悪感を持っていました。その理由は、切り口を赤くするのは、生体が第2の皮を作り身を守る生体反応であり、それを人間の都合で取り除くことで、この生きものは自然界の中では淘汰される運命にあると思うからです。それと、リンゴやジャガイモにも環境の変化に適応する進化をするため、遺伝子が変わることはあると思いますが、切り口を赤くする遺伝子を取り除くという変化は決して望まないだろうと思うからです。

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2019年8月20日

今一番の緊急課題。それは子どもの食を有機にすること!

 何を大げさな……と思う方もいらっしゃるでしょうが、まず《表1》をご覧ください。

《表1》
 これは、日本の小学校の特別支援学級児童数の最近10年間の推移です。
 2017年が小学生だけで167,259名。この10年間で、全体数2倍、情緒障害・自閉症は2.5倍、知的障害は1.65倍という増加率、この2つで全体の94.5%を占めています。出生数はこの10年で10%減っているのに、その子たちが健康に育っていません。これが何を意味しているかといえば、日本は次世代の子育てに失敗しているということです。

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2019年7月20日

人も自然も健康を取り戻すのはとても簡単です。

 7月1日の朝日新聞に、「有機食材続ければ体内の農薬大幅減」という見出しで、うれしいニュースがでました。これは福島県のNPO法人福島県有機農業ネットワークが北海道大学の池中良徳准教授の協力を受けて調査したもので、慣行栽培の食材を食べた人と有機栽培の食材を食べた人の尿中のネオニコチノイド系殺虫剤の濃度を測定し比較したのです。

 これによると、普通に近所のスーパーで購入した食材を食べ続けた人は5.0ppm尿中のネオニコチノイドが検出されましたが、有機食材のみを5日間とり続けた人は2.3ppmで、有機食材のみを1か月食べ続けた人は0.3ppmと格段に低い数値になりました。1/10以下です。

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2019年6月20日

韓国の有機栽培面積が日本の18倍になっているのはなぜ?

 みんなには農薬を食べさせたくないという気持ちは、日に日に強まっています。それは、農薬の健康障害の研究がどんどん発表され、それが人間の腸や脳の機能を傷つけ、今まで消化や解毒が出来ていたものまで処理できず新たなアレルギーや病気の原因になっていたことがわかってきたからです。

 除草剤グリホサートは、私たちの腸の、アミノ酸に分解し吸収するという大事な機能をダメにするし、殺虫性を持たせた遺伝子組み換え作物は虫の消化器に穴を開けて殺す同じ方法で人間の腸も漏れるようにしてしまうし、殺虫剤ネオニコチノイド系の殺虫剤は、脳をかく乱し特に脳関門が発達していない子どもたちを脳障害にするし、ネオニコチノイドの代替農薬であるフィプロニルはギャバを阻害し怒り狂って死ぬ虫や、切れる人間にしてしまうし。
 考えてみれば、レタスと人間だって遺伝子レベルでは90%が同じだそうで、地球上の生きものである限り基本の生化学反応はかなり共通であり、草や虫だけ殺すことなどできない相談なのです。

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