ハハコグサ
今回は、田んぼの畔でよく見かける植物の一つ、ハハコグサ(母子草)を紹介します。ハハコグサの名前だと、ピンとは来ないかもしれませんが、オギョウ(またはゴギョウ)と聞くと分かる人もいるかもしれません。春の七草の一つに挙げられている植物の一つです。
一番目に付きやすいのが、花が咲いている春の時期。小さく黄色い花がいくつか集まって咲いているのを目にすることが多いかと思います。田植えの時期、田の畔を彩る植物たちの一種です。
7草粥で食べられるのは勿論ですが、昔は草餅といえばヨモギではなく、このハハコグサを使っていたようです。確かにどちらもキク科に属する植物なので、風味はそうは変わらないのかもしれません。食べるのは花が咲いてしまった状態ではなく、冬~早春のロゼット状(地表に張り付くように生えている植物の休眠状態の姿)のものを食べます。慣れないうちは少し難しいかもしれませんが、全草がフワフワしたビロードのような毛で覆われていて、慣れてくると花が咲いていなくとも意外と見つけやすいです。
西荻窪の駅から、メダカがっこう事務局へ向かう道。このハハコグサに似た植物がアスファルトの隙間から生えているのを目にします。これはチチコクサモドキ(父子草擬き)。なんだか、偽物の更に偽物みたいな名前です。もともとハハコグサに似ており、少し地味で細い草姿である植物に、ハハコグサに対する形でチチコグサという名前が付けられ、更にその姿に似た外来種の植物が侵入したことで、それにチチコグサモドキと名付けられたようです。都会のアスファルトの隙間では、このチチコグサモドキを見る方が圧倒的に多いです。
ここ数日、暖かい日が続いています。もう少しで、ハハコグサをはじめ、多くの野草が花を咲かせる時期がやってきます。家や会社に閉じこもってばかりいるとイライラが溜まってしまいます。晴れて暖かい日には、家族皆で草の花を見に少し草地のある公園や田んぼをお散歩するのも良いんじゃないでしょうか。