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田んぼのいきものだより

2015年5月8日

椿さん生きもの調査 2015.4.24

4月24日に椿さん田んぼへ生きもの調査に伺いました。4月初旬~中旬は雨が多く気温も低かったのですが多くの生きものを観察することができました。非常に数が多かったのが、ミジンコの仲間。腕を田んぼに入れて引き上げるだけで腕にミジンコが張り付いて赤く見える程でした。またユスリカやイトミミズもすでに田んぼの泥の中には発生していました。

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カイミジンコ

このミジンコやユスリカをエサに、これから多くのオタマジャクシや、小型のゲンゴロウ類が、田んぼに集まってくるかと思います。数は少なかったですがすでにゲンゴロウの仲間は観察することができましたし、トウキョウダルマガエル・アマガエルの成体もすでに田んぼにきていました。今回の調査で観察できたのは29種でしたが、これから非常に賑やかな田んぼになっていくかと思います。

 

ニホンアマガエル

植物については、代掻き、入水の直後ということもあり田の中には、まだ生えていない状態でしたが、畦は色とりどりの植物が咲いていましたので、何種類か簡単に紹介させてもらいます。まずは、畦を紫に染めている「ムラサキサギゴケ」です。

ムラサキサギゴケ

ムラサキサギゴケ

同じ仲間で白花のものがあり、これが鳥のサギに見えるのと、コケのように地面を這って生えるため、サギゴケの名が付きました。その仲間で紫色の花が咲く種ということでこの名がついています。

次は小さな白い花、「ノミノフスマ」です。春の七草の一つハコベに近い仲間で、ハコベを少しか弱くしたようなイメージの植物です。フスマとは、昔の掛布団のことようで、蚤が使うほど小さいということで、「ノミノフスマ」と付いています。恐らく葉をフスマに見立てているのかと思います。

ノミノフスマ

ノミノフスマ

最後は、キュウリグサ。ワスレナグサに近い種類の植物で、花はとても良く似ていますが、ワスレナグサよりも更に小さな花を咲かせます。草を摘んで揉むとキュウリに似た匂いがするということで、「キュウリグサ」と付いています。

キュウリグサ

上、ジシバリの 中、キュウリグサ 下、トキワハゼ

その他、植物は38種を観察することができました。どの種も決して珍しい植物ということはないのですが、この当たり前にあるべき植物達すら、除草剤をまいている田には生えていません。植物が無いと、それを住処やエサとする動物も寄り付かず、それに加えて殺虫剤を撒くことで、イネしか生きもののいない沈黙の田んぼとなってしまいます。

いつまでも、この当たり前の賑やかな田んぼを見ることができるよう、農薬、除草剤を使わない農家さんを応援していきたいと、今季初の生きもの調査で再確認できました。

今回の調査の結果や、見られた生きものの種名等は、別の形できちんとご報告をしたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。