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田んぼのいきものだより

田んぼのいきものだより

2015年2月19日

トウキョウダルマガエル

メダカのがっこうの花丸農家さんの田んぼに行くと、必ずと言っていいほど観察することができるカエルです。トノサマガエルとよく間違われていますが、模様の違いで見分けることができますし、関東で見かけたのであれば、ほぼ間違いなく、トウキョウダルマガエルだと思ってもらって大丈夫です。春に産卵し、卵からかえったオタマジャクシが初夏、田んぼの水が抜かれる前にはカエルとなりますが、成体になってからも水辺からはあまり離れないで生活をしています。

トウキョウダルマガエル

トウキョウダルマガエルは、個体差が非常に大きいのが特徴の一つです。他に田んぼでよく見かける、ニホンアマガエルや、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエルは、どの個体をとってみても同じように見えてしまいますが、このトウキョウダルマガエルは体色や斑紋が一匹、一匹大きく違います。斑紋が大きいもの小さいもの、体色も緑が強いものから、茶褐色のものまで。個体によっては、これ何ガエルだ???と、一瞬分からなくなる個体までいるので、目視でトウキョウダルマだと分かっていても、ついつい捕まえて観察したくなってしまいます。

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茶色の強い個体

いつも花丸農家さんの田んぼでは数多く観察できるので、どこにでもいるカエルなのだと錯覚してしまいがちですが、栃木県、千葉県では県の絶滅危惧種に指定されている程、数を減らしてしまっているカエルです。数を減らしてしまっている原因としては、田んぼ自体の減少、圃場整備、農薬や、ウシガエル・アメリカザリガニによる被食などが主な要因ではないかといわれているようです。

ある程度大きいので、捕まえた際の達成感も大きいのか、子供達の標的になりやすいのがこのカエル。捕まえようとして、田の畔をカエルと一緒になって跳ねている子供達。春~秋にかけて、私達の田んぼでは、よく見られる光景です。

 

 

2015年1月21日

ニホンアマガエル

こんにちは、市村です。今回は、皆さんご存知のアマガエルを改めて紹介させて頂きます。

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ニホンアマガエル(緑)

アマガエルなんて皆さん十分知っていると思うかもしれませんが、実は沢山の面白特徴を持ったカエルです。例えば、足に吸盤があること。これはアマガエル以外に田んぼで多く見ることができるトウキョウダルマガエルや、ニホンアカガエルには無い特徴で、この吸盤のおかげで、垂直の壁でもはい上がることができます。

そのため、用水路の護岸が進み、田んぼがコンクリートの壁によって、他の場所と隔絶されつつある現在の田んぼでも、今でも沢山の姿を見るこことができます。

もう一つの大きな特徴は、体色を周りの環境に合わせて変えることができること。

「アマガエル=緑色」のイメージが強いかと思うのですが、これはアマガエルが、イネやその他の緑色の植物がある環境で見かけることが多く、その場所に合わせた体色をたまたまとっているだけのものです。その為、アスファルトの壁にいる際や、稲刈り後の田んぼで出会うアマガエルは、灰色だったり、土色だったりします。これは、日本に住む、他のどのカエルもできない芸当です

(色の変化は数日かけてゆっくりと変わっていくようです)。

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少し灰色がかった個体

更にもう一つ上げるとすると、体表に細菌類から身体を守るための弱毒があるといわれていること。図鑑などによると、アマガエルを触った手で目や傷口に触れると激しく痛むと書かれています。こちらについては、私もやったことがないので、何とも言えないのですが、野生にいる生物に触れた際は、粘膜系や傷口には触れないようにするのが得策です。

カエルと言って、一番に思いつくカエル、アマガエル。このカエルが田んぼに行けば当たり前に見ることができる、そんな環境がいつまでも、できれば自分の身近に残っていて欲しいと、このカエルを見る度に思います。

 

 

市村