水口さんの生きもの調査 2015.05.07
椿さんに引き続き、水口さんの田んぼに生きもの調査へ行って参りました。暖かい日が続いたのと、田んぼに水を入れてから、一か月近くが経過していることもあり、たくさんの生きものを観察することができました。特に多かったのがカエル。それも産卵期を迎えた、トウキョウダルマガエル、ニホンアマガエルが非常に多くみつかりました。
また、田んぼの中にはすでにオタマジャクシが泳いでいました。眼の少し下あたりに、一対の黒い斑点のあるオタマジャクシ。これは、ニホンアカガエルのオタマジャクシです。ニホンアカガエルは、他の田んぼでみられるカエルより、少し早い3月~4月初めに卵を産むため、もう3センチ程度の大きさになっていました。水口さんは、今年カラスが多く田んぼに来て、カエルを食べてしまったとおっしゃっていましたが、そんな事は感じさせないぐらい、多くのカエルを観察することできました。
田んぼの中を覗くと、椿さんの田んぼに負けず劣らず、ものすごい数のミジンコの仲間達が泳ぎ回っていました。これから、田んぼにはオタマジャクシが溢れる季節。エサの準備も万端のようです。今回の調査では動物種としては、32種を観察することができました。水口さんの田んぼは、昨年度はタガメや、ミズカマキリなどオタマジャクシやカエルを主なエサとしている生物も観察されているので、今期も今後の調査で観察できる可能性が大きくなりました。
畦に生える植物も、42種観察することができました。まだ、田の中に生える植物は見当たりませんでしたが、椿さんの田んぼと同様に、どの種も決して珍しい植物ということはないのですが、除草剤の影響を受けやすい植物も多く観察され、植物の側からみても多様な環境が保たれているのを見てとることができました。
水口さんの田んぼには、今週末24日に、田植えのイベントも控えております。田植え作業中にも様々な生きもの達が観察できるかと思いますので、参加される方は、それも楽しみに来て下さいね。
椿さん生きもの調査 2015.4.24
4月24日に椿さん田んぼへ生きもの調査に伺いました。4月初旬~中旬は雨が多く気温も低かったのですが多くの生きものを観察することができました。非常に数が多かったのが、ミジンコの仲間。腕を田んぼに入れて引き上げるだけで腕にミジンコが張り付いて赤く見える程でした。またユスリカやイトミミズもすでに田んぼの泥の中には発生していました。
このミジンコやユスリカをエサに、これから多くのオタマジャクシや、小型のゲンゴロウ類が、田んぼに集まってくるかと思います。数は少なかったですがすでにゲンゴロウの仲間は観察することができましたし、トウキョウダルマガエル・アマガエルの成体もすでに田んぼにきていました。今回の調査で観察できたのは29種でしたが、これから非常に賑やかな田んぼになっていくかと思います。
植物については、代掻き、入水の直後ということもあり田の中には、まだ生えていない状態でしたが、畦は色とりどりの植物が咲いていましたので、何種類か簡単に紹介させてもらいます。まずは、畦を紫に染めている「ムラサキサギゴケ」です。
同じ仲間で白花のものがあり、これが鳥のサギに見えるのと、コケのように地面を這って生えるため、サギゴケの名が付きました。その仲間で紫色の花が咲く種ということでこの名がついています。
次は小さな白い花、「ノミノフスマ」です。春の七草の一つハコベに近い仲間で、ハコベを少しか弱くしたようなイメージの植物です。フスマとは、昔の掛布団のことようで、蚤が使うほど小さいということで、「ノミノフスマ」と付いています。恐らく葉をフスマに見立てているのかと思います。
最後は、キュウリグサ。ワスレナグサに近い種類の植物で、花はとても良く似ていますが、ワスレナグサよりも更に小さな花を咲かせます。草を摘んで揉むとキュウリに似た匂いがするということで、「キュウリグサ」と付いています。
その他、植物は38種を観察することができました。どの種も決して珍しい植物ということはないのですが、この当たり前にあるべき植物達すら、除草剤をまいている田には生えていません。植物が無いと、それを住処やエサとする動物も寄り付かず、それに加えて殺虫剤を撒くことで、イネしか生きもののいない沈黙の田んぼとなってしまいます。
いつまでも、この当たり前の賑やかな田んぼを見ることができるよう、農薬、除草剤を使わない農家さんを応援していきたいと、今季初の生きもの調査で再確認できました。
今回の調査の結果や、見られた生きものの種名等は、別の形できちんとご報告をしたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。