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中村陽子のコラム

2010年1月13日

花まる農家紹介シリーズ1水口博さん その2

田の草に困らない農法に手ごたえ
 先日、水口さんの田んぼは草が生えていないので、田の草フォーラムで発表していただこうと、インタビューをしたのですが、その時、釘を刺されました。「田の草が生えないって言わないで。生えないなんて怖いことなんだから。そうではなくて、草と稲の時期を読んで、草に負けない稲づくりが出来るようになっただけなんですよ。」そして、今までいろいろな資材を使ってきたが、自分流の堆肥作りと、遅い田植えと、深水管理の徹底と、早めの除草機対応という自分のやり方で良いんだという自信がここ3年でやっと持てるようになったということでした。
 今、水口さんは農場がおもしろくてたまらないようです。「ああ、もっと若ければ、もっといっぱいおもしろいことが出来そうなのに」という言葉を聞きました。今からの人生が本当におもしろくなるのでしょう。私たちもついていきます。
自給自足体制の基地を提供 
 水口さんはお米を食べている人が農場に来てくれるのをとても楽しみにしています。お米を送っている人にもっともっと会いたいと思っています。そこで、次々と消費者を呼び込むイベントを企画してメダカのがっこうに投げかけてきてくれます。私たちは、毎年草取りツアーに出かけていますが、草はあまり生えていないので、いつも農業体験や、お楽しみ会になってしまいます。
 2009年は、3月から、「わら細工とにんじん堀り」、6月の草取りツアーは生きもの調査と有機野菜のバーベキュー大会に変身し、9月の稲刈りツアーはマコモ狩りや小豆収穫体験という楽しいイベントになりました。毎回、奥様が、全て水口農場で穫れた物だけで自給率100%の美味しい食事を作って下さいます。有機農家レストランの原型だと思います。
 今年は、2月1に味噌作り、3月には「わら細工とにんじん堀り」を計画しています。味噌は2月12日〜14日の3日間かけて、水口さんが作った有機大豆と自然耕米を蒸かして麹を作るところから始め、伊豆大島の坂本さんの“海の馨”と、大分の赤峰さんの“なずなの塩”で作ります。3月27日の「わら細工とにんじん掘り放題」は、これから参加者を募集します。水口さんのにんじんはミネラル豊富で美味しくて有名です。にんじんジュースの甘いことにはびっくりします。1度足を運べば水口さんのファンになること請け合いです。
 水口農場では、今年もマコモをたくさん栽培します。マコモタケを食べたことがない人は、秋になったら挑戦してみて下さい。
 人生をもっと楽しもうとしている水口さんは、メダカのがっこうが目指している自給自足体制作りの基地を提供しようとしてくれています。先日伺った時に、近くの山で切ったヒノキの丸太が庭に積んでありました。これで自炊できる宿泊小屋を作ってくれるそうです。その他にも、田んぼコンサートを考えているようです。
水口さんのお母様の話
 水口さんのお母様は、私がとても尊敬している女性です。彼女は東京の下町の生まれで、農業とは無縁の育ちでしたが、戦中戦後の食糧難の時代に、家に食べ物を送ってやりたいと思い、農家に嫁いだそうです。全く違う世界に入り、慣れないことばかりでとても苦労したそうですが、水口さんを筆頭に子供4人を全員農家にしました。人間の幸せの根本は食べられること、それも農薬化学肥料を使わず、健康な土から穫れた作物を食べられる幸せを自分の人生を掛けて実現したのです。この親にしてこの子あり。
 今年のメダカのがっこうの目標は、全ての人が田んぼや農家と繋がること、水口さんはたくさんの日本人の食料を作ってくれていますが、お金を出せば買える時代ばかりではありません。自分のお米を食べてくれている人の顔が見たいと思っている水口さんの農場に出かけていって、手伝いにはならなくても、水口家の方々や土と繋がりませんか。
(このHPのショップからも水口さんのお米が注文できますよ。)