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中村陽子のコラム

中村陽子のコラム

2007年10月3日

「田の草とどう折り合いをつけるか」の知恵比べ

●農薬を使わない稲作の難しさ
 6月の田の草取りツアーでは、昨年まで草の中に稲が立っていた郡山の田んぼも、コナギの絨毯の中に稲が生えていた佐渡の棚田もかなり草が少なく、「今年は良いぞ」という感じでした。ところが、8月の定例の生きもの調査に行ってみると、草が勢いを取り戻していたり、イネミズゾウムシに根っこの隋をやられてしまった田んぼを見たりと、今年もいろいろな問題が起きていることが分かりました。冷害や台風の被害も辛いですが、薬を撒けば防げることが分かっているのに、丹精込めた稲が虫や病気にやられるのは、どんなに辛いことでしょう。改めて農薬を使わない稲作りの難しさを感じました。

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2005年12月18日

田の草を卒業するということ

 お米がおいしくて、地球の自然環境再生に大きな効力を持つ、生きものいっぱいの田んぼ。「何でこんなに良い方法が広がらないのですか?」という質問をよく受けます。その答えは、田の草取りが大変だからなのです。
農村に行くと、草を取り続けて腰が90度に曲がっている年配のご婦人を見かけます。次の世代の農業者には、除草剤という救世主?が現れました。撒けば草は一網打尽です。耕さない・冬・水・田んぼは、無農薬です。優れた農法なので、確かに出る草は少ないのですが、まったく生えないわけではありません。それに転換したばかりの田んぼは、かなり草に苦労するのです。2度と昔に戻りたくない、「草取りはいや」、そう思うのもうなずけます。そこで、今回は田の草の理想と現実について、考えてみました。

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