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中村陽子のコラム

1999年6月27日

生きる感性

江戸時代末期に起きた天保の大飢饉を察知し、小田原藩の大難を小難にしたのは、二宮尊徳の味覚だったと言う有名な話があります。ちょうど田植えが終わったころ、彼が初ナスの漬物を食べていると、秋茄子の陰の味がしました。すぐさま田んぼを見て回ると稲の根が伸びておらず、野山の草木は秋の準備をしているし、秋のせみであるツクツクボウシが鳴いていました。今年はもう夏がこないと察知した彼は、早速小田原藩に進言、稗、粟、蕎麦を植えたものは年貢を払わなくても良いと言う思い切った政策をとり、徹底させたのです。その年は天保の大飢饉で大変な餓死者が各地に出たにもかかわらず、小田原藩は何とかしのぐことが出来ました。(6月号の赤峰さんのなずな新聞と、6月12日研究会講師の廣野さんが、同時にこのお話を取り上げています)

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