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中村陽子のコラム

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2011年11月17日

放射能汚染と向きあうメダカのがっこうの姿勢

原発事故から6か月以上たち、農家の苦悩に胸を痛めなら、田植え、草取り、稲刈りを手伝い、今年の稲作りも終わりました。この間に心が落ち着き、考えがまとまりました。
まず、起こってしまったことはしっかりと受け止めて、今まで一緒に農薬や化学肥料を使わず、いのちを大切にする農業で、日本の自然環境を取り戻す努力してきた会員農家と、これから放射能汚染された大地を浄化して、更なる自然再生に向けてがんばろうと思います。なぜなら、土を背負って逃げられない農家と私たちは一心同体、運命共同体なのですから。どこへ逃れるも自由ですが、日本中がお金と効率が世の中を動かす仕組みの中にいるのですから、今この場を離れず根本から解決していくより他に、子孫のために生きる環境を整える先祖にはなれないと考えるからです。
ベクレルモニターを購入し汚染の実態を知る
 そのためにまずやるべきことは、現実を知ること。大切な土がどれほど汚染されてしまったか、そこで育った作物がどれほど影響を受けるのかを知ることが始めです。そのためにメダカのがっこうはベクレルモニターを購入し、田んぼの土、畑の土、ワラ、玄米、白米、黒米、緑米、小豆など収穫した順に測り始めました。
メダカのがっこうが使用しているベクレルモニターは、ドイツ・ベルトルート社のLB-200で、検出限界値が20㏃(ベクレル)です。ですから20㏃以下の数値は信頼性が低いためこの検査機器では検出できません。しかもセシウム137、セシウム134、ヨウ素131などγ線の合計の値が出る上、自然界にかなり多く存在するカリウム40も測定してしまう検査機器なのです。しかし安全性を知るにはこれで十分と考えています。
今年の計測結果で分かったことは、土の放射線量が2000㏃以上ある福島の田んぼであっても、お米はどれも0もしくは20㏃以下で「検出せず」であり、土の中の放射性セシウムを稲は種であるお米に殆ど取り込まなかったということです。栃木県や千葉県の農家のお米も全く検出しませんでした。もし20㏃を超えるものが出た場合は、検出限界値が1まで測れるゲルマニウム半導体検出器に検査に出していただく様、農家にお願いするつもりです。というのも、このLB-200 というベクレルモニターは、すべてのγ線の合計を出すので、高めの値が出る傾向があり、これをゲルマニウム半導体検出器で測定すると、全く検出しないケースがかなりあるのです。 
今行われている除染の方法は悪いところを切る現代医学と同じ
 次に始めることは、土の除染の研究、実験です。現在行われている除染の方法はおかしいと思います。放射線量が高い湿った土や苔や草を取り除き袋に入れて捨てるとか、土を剥して地中深く埋めるとか、根本的な解決ではありません。まるで悪いところを切り取って治そうとする現代医学を見ているようです。苔や草はセシウムを集めて地球をきれいにしようと働いてくれる私たちの味方かもしれません。疑問がムクムクと湧いてきたので、私の自然観を育ててくれた2人の師匠に聞いてみました。
十草農法の廣野壽喜先生は、今年は田んぼに冬水を張らずに草をいっぱい生やしなさいと言われました。アメリカセンダンクサや荒々しい草がどんどん生えるかもしれないから、どんな草が生えるかよく観察しておき、実験前と実験後の土の放射線量を調べてみるようアドバイスをしてくれました。
また、「ニンジンから宇宙へ」の著者であり、草を神草さんと呼んでいる赤峰勝人さんは、田畑に海水を撒くようにアドバイスしてくれました。理由は、放射能は極陰なので、極陽の海水が有効なのだということです。極陽といえば、若杉ばあちゃんは炭をどんどん焼いて入れるようにと教えてくれています。これは量がいるので大変ですが、竹炭を焼く体制も整えたいと思っています。皆さんも出来たらどんどん実験してください。
メダカのがっこうの理事の中にも、放射能を分解する菌の勉強を始めた方もいますが、とりあえず特許や企業秘密が必要なものは使わず、どこにでもあって誰にでも出来る草と海水(塩)と炭を使って浄化する実験を、農家の協力を得てやってみようと思います。
今までより元気になるチャンスにしよう!
 次に私たちの体の放射能汚染対策も、味噌という塩気と黒焼きという炭が有効です。食生活は米中心で、味噌や醤油味の一汁一菜、腹7分目で梅干しや梅干の黒焼きや黒焼き玄米茶やマコモ茶などを摂っていれば、身体に入った放射性物質だけでなく、今まで溜め込んできた添加物や甘味料や農薬や化学肥料など様々な化学物質を吸着して体の外に出してくれるでしょう。以前よりずっと元気になるチャンスと思って、喜んで取り組みましょう。クヨクヨしたり、東京電力を批判していてもつまらない人生になるだけで、もったいないです。
 そして、放射線だけでなく、ますます巧妙に命を破壊する減農薬の農薬、除草剤、保存料の代わりに使用されるコバルト60の照射食品の増加、鮮度保持剤など添加物の危険にも注意を払い、前よりも一層いのちを大切にする農家たちと手を結び、田んぼ組で米を確保し、醤油、味噌、梅干を原料から作り、自給力をつけていきましょう。
歴史に残る大災害に遭遇した私たちだからこそ、命ある食と生きる環境に困らない日本を次世代に残す先祖となれるのです。

2007年12月6日

「メダカのがっこうの考え方」をもう一度確認します

●市場価格に左右されない農家支援
今年の米価の農家価格は1俵(60kg)あたり1万円になりました。最低です。「米作りでは食べていけない」「息子に後を継げともいえない」と今年また放置田が増えることでしょう。
でも生きものいっぱいの田んぼを作ってくれているメダカのがっこうの花まる農家は元気でがんばっています。それは、市場価格に関係なく、田んぼを支えてくれる消費者がいるからです。たとえ業務用でも1俵あたり3万円の農家手取りを確保するのがメダカのがっこうの方針です。ところが今年の米価の低迷は、応援してくださっている商売の方々を苦しめています。消費者が安いお米に流れて行ってしまうからです。それでも農家の手取りを減らすわけには行きません。このお米の価値を知って喜んで買って食べる消費者を増やす方向以外に進む道はありません。本当に価値あるものを、作る人も食べる人も売る人も繁栄する価格で広く人に売る技こそ、商売の真髄かもしれません。誰かが続けていけないような低価格は、みんなにとっても良いはずがありません。流通も商人も消費者もここで踏ん張りましょう。

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2006年2月23日

メダカのがっこうは今年こんなことをします

●子どもの脳を育てる講演会
 どんなに絶望的に見える問題でも、決して諦めない、今日自分で気がついて行動を変えれば、明日の未来は変わる、と言うのが私たち「メダカのがっこう」の信念です。ところが、取り返しのつかないことがありました。それは、三つ子の魂と言われる幼い頃にメディア汚染にあった子どもたちの脳です。狼に育てられた少女が決して人間に戻れなかったように、実体験よりバーチャルの世界を先に体験してしまった人間の脳は、今まであったこともない人間の形をした人間以外の生物に育ってしまうようなのです。

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