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中村陽子のコラム

2001年8月20日

地球緑化・粘土団子の旅

 粘土団子で種を包み、砂漠化の進む地球に、鳥になって種を蒔き、もう一度地球を緑の楽園にしようと世界に働きかけている福岡正信さんと本間裕子さんが、中国から帰ってきました。以下は彼女の報告を要約したものです。
 『皆様が集めてくださった種のうち9.4トンは、今年2月6日に北京に向けて高知を出港し、北京から更に列車とトラックで20時間あまりの内モンゴル地区のゴビ砂漠に届いていました。そこで現地の選ばれた30人の女性と一緒に粘土団子を作り、蒔きました。


 ゴビ砂漠は何時間車で走っても見渡す限り荒漠地で、年間降水量は200ミリ以下とのこと。雨は少ないようですが、足元の砂地を手で掘ってみると、すぐに湿り気を感じることができ、いろいろな種を粘土団子にして蒔きさえすれば、緑になる可柏ォを感じました。
 これまで日本で集まった約15トンの種の量について、私は「本当に良く集まった!」と内心喜んでいましたが、果てしなく続く広大なゴビ砂漠を目のあたりにして、福岡さんが常々おっしゃる「何万トンもの種が必要じゃ・・・」の言葉の真意も、「皆で粘土団子の種を蒔けば地球は諸Nで花園になるが、言い換えれば、このままでいたら地球は諸Nももたんということ・・・」という悲観的な言葉も、最後の警告といっても過言ではないと思いました。
 種集めは、全世界で行われるべきもので、最も重要な仕事<自然に仕える事>です。今回出会った中国の方々にも、中国国内でもぜひ種集めをしていただくようお伝えしました。
 種集めに、これまで以上のご協力を、心より重ねてお願い垂オ上げます。』
 本間さんとお会いしてみると、とても浮かない顔で、お話を聞いてみると、今回の粘土団子の旅で会った中国の関係者の中に本当の粘土団子の継承者がいなくて、上から言われたから集まって仕事をしたという意識以上の人に出会えなかったようなのです。コンクリートミキサーも粘土の用意もなくて、30人の手作りでは、9.4トンの種はほとんどそのままで、続きをやってくれる確信さえ持てないというのです。
 どんなにいい考えがあっても、それを形にするのは人間です。その人間たちを動かすのは、国土を美しい緑にしたいというその国の人の切実な願いと、その人の種の力や粘土団子のすばらしさに対する感動と、その人に協力したいと思う人たちの和の力です。
 中国を地球を本当に緑化したいと思っているスケールの大きいすばらしい心の中国の人たちに、この種と粘土団子の技術が届きますように、私と共に祈り、考えてください。