おむすび茶屋奮闘記
おむすび茶屋メダカのがっこうを始めて5ヶ月がたちました。「いのちの田んぼ」のお米を毎日10升、20升とどんどん炊いて、どんどん握る。シャープな正三角形なので、型に入れていると思っている人もいるようですが、すべて店長、佐藤美重子さんの優しい手で握っています。最近はかわいい弟子が2人できて、上手に教えてくれているので、スピードはまだまだですが、ふわっと三角に握れるようになって来ました。日本中のお母さんが、こんなにおいしくおむすびを作れるといいと思うので、近い将来、おむすび教室も始めますね。
●田んぼの応援は順調
さてこの事業の目的であるお米の消費のほうも順調です。平均月400kgのお米を使っています。田んぼの広さにして1反(10アール)近くになります。しかしもっと増やすことは可能です。たまたま4月に2週間ほど、渋谷東急地下1階フードショー館に出展できたのですが、その時は2週間で800kg、2月分のお米が出ました。場所と人材があれば、この田んぼのお米をもっとたくさん食べてもらうことができるということです。
●リピーターが多いお客様
一度食べたらおいしくて、身体が喜ぶので、可能な方は毎日買いに来てくださるようになります。神保町のおむすび茶屋でも、朝7時開店なのですが、毎日飛び込んできて100円の塩むすびをつかんでいく学生さん、130円の200gの大塩むすびを必ず買いに来る出勤前の方、「コンビニを素通りしてうちに来てくれてありがとう」。新聞持参でおむすびと具だくさんの味噌汁で仕事前のゆとりの時間を過ごされる方、店にいると、「毎日元気になるお米と野菜と塩とお味噌でおいしい食事を作ってお待ちしていますから、今日も一日いい仕事してくださいね」という気持ちになります。昼には3回くらい行列ができています。
●おむすび茶屋の準備は朝4時から
おむすびも味噌汁も若杉流のお惣菜も、その日の早朝から作っています。おむすび部門の店長は朝4時から、味噌汁・惣菜部門の私は朝5時から店に入ります。最近5時からバリバリ働いてくれる板前さん経験者が来てくださったので、とても助かります。開店までにそろうのは、おむすび一通りと具だくさんの味噌汁とぬか漬けと薬味味噌です。自家製の薬味味噌にも根強いファンがいます。
●惣菜作りは毎日が頭の体操
草や生きものを活かしながら野菜を作っている農家は、その時期の旬のものばかり、今畑で採れるものを送ってもらっているので、メニューは野菜が来てから考えることになります。毎日手を変え、同じ野菜をいろいろに料理します。惣菜作りで難しいのは、家庭料理のように、作ってすぐ食べてもらえないことです。置いておくと色あせしたり、水分が出るものは、最後まで完成させないという工夫が必要だとわかりました。
●私たちの役目
私たちには大方針があります。それは、生きる環境を取り戻してくれている農家に対して、自然再生費を含めて考えた価格を設定しお支払いすること、農家の申し出価格を絶対値切らないこと。農家の方たちは、異常気象や虫や病気から作物を守り、いかに収穫するかに全力で取り組んでくださっていますから、私たちの役目は、それをいかにみんなに知らせて食べてもらい、この事業を継続、発展させ、後に続くものが出てくるところまで、構築することに全エネルギーを傾けることだと思っています。
●関心を持ってくれる人たち
おむすび茶屋は、消費者が農家支援のためにつくったというわかりやすいコンセプトなので、早速、読売新聞や日経新聞、環境系の雑誌などで取り上げられました。これだけ哲学のしっかりした店は珍しいと、経営学校の先生も面白がっています。みんな地球環境の問題は八方塞りで、何をしていいか分からないという人たちが多いので、自然再生に有効な一つの具体例となり、行動に繋がってくれればと思います。
●おむすび茶屋は出会いの場
じっと田んぼの写真や、年間スケジュールを見つめていらっしゃる方に、お声をかけると、すぐお話が弾み、昔からの友人のような気持ちになります。本当に思い切って始めてよかったです。お惣菜作りをバトンタッチしたら、店に来た方ともっとお話したいです。
●いのちの田んぼから生きる力をもらっています。
おむすび茶屋は月曜から金曜の朝7時から午後5時までです。土曜日曜は、田んぼに出かけます。田植え、生きもの調査、田の草取り、稲刈りと、全国で頑張っている農家のいのちの田んぼへ出かけて作業します。 私が以前、月に1回海のミネラル研究会を開いていたころには、時折ひどく落ち込んで気持ちが真っ暗になったのですが、気がついてみるとこのごろはいつも元気です。これは土と繋がったからではないかしら。日頃たまった電磁波やストレスが、いのちの田んぼからアースできているのだと思います。皆さんもどんどん田んぼイベント参加してくださいね。