再確認!やっぱり生きものたちの声を聴くことが大切です!
身近な生きものたちの姿が見えないという恐怖
「鳥たちがいない!」レイチェルカーソンの味わった恐怖を、昨年メダカのがっこう田んぼの生きもの調査隊のメンバーは体験しました。昨年田んぼの生きもの調査をしていてアキアカネ(赤とんぼ)の姿を見かけないのです。同じ赤とんぼでも、近づいてよく見るとナツアカネなのです。ゾッとしました。3年前の2006年には、水沢江刺の花まる農家 伊藤茂さんからミツバチが大量死した報告を受けました。同時に青サギも口から血を吐いて死んだそうです。彼はビックリして役場に行きましたが、相手にされなかったので、メダカのがっこうに電話をくれたのです。彼の味わっていた恐怖を今さらながら思います。
「そういえば、最近○○を見ないわ・・・」って、ホラー映画より怖いと思いませんか。
永久歯が生えない子どもが増えている、胎児が育つ羊水も汚れている
さあ、生きものたちの声に気がつかないでいたら、恐怖は身近なところまでやってきました。メダカのがっこうの会員の歯医者さんは、永久歯が生えない子どもが増えているので、これは歯を治す段階ではなく、水から土から食べ物から変えていかなくてと思い、生きものいっぱいの田んぼを始めました。2003年の話です。また「日本の女性の羊水がとても汚れている」そうですが、命を育む羊水が汚れる遥か前から、いのちを育む田んぼの水が化学物質で汚染され、「沈黙の田んぼ」になっています。この地球では、田んぼの命と人間の命は同じ運命を辿ることになっているのです。
ミツバチの声、カメムシの声、農家の声を聴いて、消費者も声を上げよう!
最近、斑点米の原因であるカメムシ防除の問題がマスコミで取り上げられ始まりました。 4月のある日、ある新聞記者から電話がかかってきました。「ミツバチがいなくなったことを追いかけていたら、ダントツというネオニコチノイド系の農薬に行き着き、それが稲穂につくカメムシを殺すために撒くと知り、カメムシについて調べていたら、メダカのがっこうのホームページの中にある中村さんの“カメムシが教えてくれたこと”が見つかり、一番知りたいことが書かれていたので電話しました」という長い自己紹介。「農家は斑点米があるとお米の等級が落ちてしまい、買い上げ価格が下がるので、薬を撒くのだそうですが、等級制度はどこが決めているのですか?」と質問されました。「さぁ〜JAでも検査しているけれど、農水省じゃないかしら。」と私。「斑点米について言えば、色選機を通せば皆取り除くことが出来るのだから、消費者には問題ないんですよ。誰のための等級制度なんでしょうね?」と逆に質問すると、「安い二等米、三等米だけを仕入れて、色選機や、米粒の大きさを合わせて高く売る業者がいるらしいです。」「すると悪い流通業者のためになっている制度なのかしら。あなた新聞記者なんだから、調べたら教えて頂戴ね。」と私。
最近ラジオを聴いていたら、斑点米を食べてみる消費者の会があって、びっくりしました。一歩前進です。
もっと多くの生きものの声を聴きましょう!
ネオニコチノイド系の農薬は、たまたまミツバチの脳を狂わし打撃を与えました。アキアカネも打撃を受けました。だからといって、ミツバチに影響を与えない農薬を開発しても解決にはならないのです。それはまた何か他の生きものに打撃を与えるかもしれません。また繰り返しになりますが、減農薬の落とし穴もそうです。10回の農薬散布を5回以下にすると減農薬といいますが、それで同じ効果を期待するので、強くて長く効く薬を使うことになってしまうのですから。生きものたちは前よりもっと苦しんでいるかもしれません。
有機農業、自然農法しか、人間が住み続けられる地球は残らない
というのが、メダカのがっこうの結論です。中途半端だと人間の未来がないのです。これしか生きる道はありません。メダカのがっこうの花まる農家たちの中に、広大な面積をすべて有機栽培・無農薬にしてしまう農家が増えてきました。農薬を使う田んぼと使わない田んぼの区別は大変だし、薬を使わないで米が出来る技術的自信と生態系への理解が出来たからです。でも有機農家は大変です。大自然の法則に従って作業をするのですが、やってもやっても追いつかないほどの仕事があります。明らかに人手が足りません。
私たちも有機農家と手を繋いで働きましょう!
これをどうするか?私たち食べる人が手伝いにいきましょう。というより自然を愛する有機農家の助けを借りながら、食べ物を人任せにしない暮らしを始めましょう。これがメダカのがっこうの自給自足くらぶです。はじめは邪魔だといわれても、手伝っているうちに少しは役に立つ人間になれます。
日本の自然も生きる環境も守り、安全な食糧を作ってくれているのは1%にも満たない有機農家たちです。お金を出せば安全なものが買えるという考えは最後までは通用しません。各地で頑張っていたって孤立して老齢化して後継者もいなくて(大変なので後を継がせたくなくて)いつまでも頑張れるはずないじゃありませんか。もう限界なのです。メダカのがっこうが農家と会員をつなげますから、今すぐ助け合い始めましょう。みんなで働けば、有機農業ほど楽しいものはありません。