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中村陽子のコラム

2006年2月23日

メダカのがっこうは今年こんなことをします

●子どもの脳を育てる講演会
 どんなに絶望的に見える問題でも、決して諦めない、今日自分で気がついて行動を変えれば、明日の未来は変わる、と言うのが私たち「メダカのがっこう」の信念です。ところが、取り返しのつかないことがありました。それは、三つ子の魂と言われる幼い頃にメディア汚染にあった子どもたちの脳です。狼に育てられた少女が決して人間に戻れなかったように、実体験よりバーチャルの世界を先に体験してしまった人間の脳は、今まであったこともない人間の形をした人間以外の生物に育ってしまうようなのです。


昨年、「人間になれない子どもたち」という衝撃的な本の著者で、子どものメディア汚染に警鐘を鳴らしている清川輝基さんにお会いして、大変ショックを受けました。彼は元NHKの報道局次長、長年にわたりすばらしい番組を手がけてこられた根っからのメディア人です。NHKの番組クローズアップ現代で3年生33人のクラスで、「人間が1回死んだら生き返ると思う人?」という質問に28名の子どもが手を上げました。リセット感覚です。信じられないけれど本当のことです。
メダカのがっこうは、今まで田んぼの生きものたちと人間の命がつながっていることを知らせたくて、子どもたちを田んぼに連れ出していましたが、生きものいっぱいの田んぼ体験の意味はそんな生易しいことではなかったのです。
今年彼の講演会を3回します。まず第1回目3月21日(祝)に来てください。
●食の建て直し「野草料理教室」
 今年もオイスカ本館厨房をお借りして、野草料理教室を開きます。京都の豪雪地帯である綾部の地で、雪の重みで戸があかない家の中で、何ヶ月も何も買い物をしないで生きている若杉友子さんから、天災が起こっても経済が破綻しても生きていける大地からの恵みの頂き方を学びたいと思います。都会に住む私たちにはまねが出来ないことも多々ありますが、出来るところから始めましょう。子育て中のお母さんに勉強していただきたいというのが若杉さんの希望です。3月、7月、10月の3回です。学びが濃いので20名限定です。
●もてぎ里山自然学校
茂木町には既に、落ち葉活用の堆肥工場、ツインリンクもてぎ崎野隆一郎さんのサバイバル自然塾、仲澤英喜さんの有機農業まほろばの郷、メダカのがっこうの田んぼ体験、生きもの調査体験、緩速ろ過ワークショップなどがあります。このほかに、今年茂木に移り住む豊口安紀さんの自然農塾、その仲間の移住など、自然教室の場と人材が揃ってきています。
ここに今年2月、里地ネットワークの竹田純一さんに来ていただき、地域の宝物探しである地元学を茂木町の方々に紹介する嵐閧ナす。こうして、もてぎの里地里山を活かした自然学校づくりの第1歩を踏み出します。ご期待ください。
●生きものいっぱいの田の草取りツアー
 農家の本音は、「田植えと稲刈りは機械がやってくれるから、体験学習の手植え、手刈りは本当は迷惑、それでもかわいい子どもたちのために出血大サービス」というところです。本当に農家が喜ぶことは、稲の初期生育の時に大勢で田んぼに入り、人海戦術で草取りをすることです。そこで今年は6月から7月にかけて、佐原、佐渡、大田原や郡山などで、生きもの調査を兼ねて草取りツアーに行きます。6月は1年で一番田んぼの生きものたちが賑やかな季節、田の草もたまに訪れる都市部の者にとっては実にかわいいものです。数時間でも田の草取りをして、農家の苦労を体験しましょう。出来るだけ大勢で行きたいので、バス1台が目標です。皆さん計画を立ててくださいね。
この他にも、もてぎ田んぼ体験、各地の田んぼ生きもの調査、メダカのがっこう交流会など、今年もいろいろやります。近くアップする年間計画をご覧になって、計画を立ててください。今年もよろしくお願いいたします。