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中村陽子のコラム

2017年1月20日

お米の優位性10項目

 前回、「恐るべき田んぼの生産力」では、田んぼがいかに自然の力を引き出せるところか、肥料が余裕で自給できるところであることを書きました。その田んぼで穫れるお米は、肥料を入れた田んぼのお米と違い、人を健康にするので、「奇跡のお米」と呼ばれています。今回は、お米の優れた点を10項目挙げてみました。

1.米は単なる食料ではない。
 2000年以上前の中国で365の食料について毒のあるなしや効能をまとめた「神農本草経」によると、米は内臓の活動力を増し、煩悶をなくし、下痢を止め、筋骨を壮健にし、血液の流れをよくし、五臓の働きを調え、胃の活動を補い助ける。その効能は、他のものの及ばないところである。との記述がある。
 また、米を含めた五穀について、「天が五穀を生ずるのは、人を養うためである。これが得られれば生きられるし、得られなければ、死んでしまう。それ故、他のものと比べて論じてはいけない」とある。

2.日本人は、神棚に米と水と塩を祭っている。
 こうすることで、米に水を入れて火で炊くと「ご飯」になって、それに塩を添えれば「生きられる」と、米を食べる道を子孫に教えてきた。

3.日本人は、米を食べる民族だから、咀嚼する顎の付け根を「こめかみ」と呼び、「歯」も口の中に米を止めると書き、その歯でお米を「噛む」ための臼歯がたくさんある。
 日本人は、米から離れてしまって「迷い」の道に入った。 

4.米の由来
 米の「コ」は、デンプンの部分のことで、陽性の彦「ヒコ」の男性を表す。
 米の「メ」は、胚芽の部分を表し、陰性の姫「ヒメ」の女性を表す。
 1粒の種は、陰陽の2つの働きで、陽は大地に深く根を下ろし、陰は上空に伸びて花や実や種をつくる。
 米には宇宙の秩序が宿っており、天之御中主の神様(宇宙)、タカムスビの神様(遠心力の陰の神様)、カミムスビの神様(求心力の陽の神様)の三体の神様が宿っている。

5.米を食べると美容と健康に良く、体力もアップする。以下説明3つ。
●日本の古文書に「米はその性温なり」とあり、米からできる血は36.5度の体の恒常温を作ってくれる大事な食物である。36.5度の体温は、免疫力を増し、腸内細菌も善玉菌が働きやすく、悪玉菌が働きにくい温度である。

●お米を食べてできる細胞は「珠の肌」と言ってきめ細かいので、傷の治りが良い。米だけを食べていた昔の人は、指を切断するような怪我をしても、くっつけて縛っておくと縫わないでも指がつながった。たとえ180度間違えてくっつけてしまっても、ちゃんと回転して元通りになったそうだ。パン食、小麦食になってから、縫わなければくっつかなくなった。

●お米だけを食べていた時代の人は、体力が違う。昔の村の運動会では、60kgの米俵を担いで走る競技があった。農家の男は2俵(120kg)を持ち上げられた。

6.お米は水と火だけで炊ける。
 パンを焼くには、小麦と水と火の他に、塩と油と砂糖とイーストと、発酵時間が必要である。企業が作ってくれたものは、イーストフードや酸化防止剤などの添加物を使ったものが多い。

7.ご飯のおかずは、味噌汁、煮物、おひたし、漬物などが合うが、パンのおかずは、スープ、バター、ジャム、ハム、卵など、油脂、糖分、保存料、発色剤など添加物が入っているものが多い。

8.米中心の食生活は、日本の自給率を上げる。
 小麦は、外国から輸入しなければならない。お米は日本で作れる。日本人の先祖は、子孫が食料に困らないように、国土のすみずみまで開拓し、田んぼにしてくれている。また、稲という作物は、一粒万倍のたとえ通り、小麦や大豆やトウモロコシに比べて、面積当たりの収穫量が最も多い穀物である。米は食料安全保障の要である。

9.身土不二、地産地消は地球の環境を守る。
 小麦の大量移動は、輸出した国の大地を砂漠化させる。理由は、小麦が、その国の土の水とミネラルを吸っているから。そして、輸入した小麦で日本の河川も富栄養化し汚染する。地球環境の視点に立てば、農産物の自由化は、それぞれの地域の自然を崩壊させる。

10.無農薬有機栽培や自然栽培の田んぼは、日本の宝
 田んぼは、人が作った浅い平らな水たまりであるが、地表の保水力を高め、地下水の保全をし、日本の四季を守り、多くの水辺の生きものたちの住処を提供してきた。日本の原風景を守る要の存在である。

結論:米中心の一汁一菜生活をし、余計なものを食べなければ、日本人は、元氣になる、頭がよくなる、スマートになる。そして、安全な食糧を自給できる自立した国になれる。
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