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中村陽子のコラム

2018年8月20日

ガン細胞のエサを解明したコリン・キャンベル博士の研究

 メダカのがっこうの教室に、食養と手当て法があります。子どもの不調を薬を使わずに治せるようになりたいお母さんとか、ご本人が体調を崩した方、家族や友人が末期ガンの人など様々な方が来るのですが、病気を治すのはその人の自然治癒力なので、お伝えすることは単純です。1.腸をきれいにする方法。 2.病気を治すために止めるべき食品。 3.未精白の米とみそ汁や発酵食品をよく噛んで食べる。小食にすることなど伝えます。

 日本の伝統食である、ご飯とみそ汁と梅干と漬物や発酵食品には本当に感心します。この食事形態を構築してくれた先祖に感謝します。歳を重ねるごとにこの食事形態のすごさがわかってきました。天才的です。この食事をしていたころの日本人は、死亡原因10位までにガンは入っていませんでした。だから私はバカの一つ覚えのように、一汁一菜と発酵食品を入れた食事をみんなに薦めているのです。しかし今一つ科学的根拠に欠けていて説得力が足らないのです。

 ところが、コーネル大学名誉教授のコリン・キャンベル博士、「栄養学分野のアインシュタイン」と称されている世界的権威が、ラットの研究でガン細胞の好物を解明してくれました。著書『ザ・チャイナ・スタディー』の翻訳版『チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」』(合本版)グスコー出版)に発表されています。

 チャイナ・スタディーの概要は、「肉・牛乳・卵などの動物性タンパク質がガンを増殖させる。動物性食品はガン細胞を増殖させるが、植物性食品は減少させる。その中でも最も強力にガンを増殖させるものは、カゼインである。これは牛乳のタンパク質の87%を構成しているものである。肉を摂っていない人でも牛乳や乳製品、乳化剤などを摂るとガンが増殖する。植物性食品は未精白の穀類やホールフード=一物全体で摂るとガン細胞の成長を抑制させる。それは私たちの健康を勝ち取る秘訣は、個々の栄養素の中にあるのではなく、栄養が含まれている植物性食品全体(丸ごと)の中にあるからだ。この無数の栄養が私たちの体内で協力し合った作用をするとき健康という驚くべきシンフォニーを奏でることになる。」
と、このようなものです。

 彼はこれをラットの研究で裏付けました。肝臓ガンを発症させたラットにエサを与え、その内容によってガン細胞の増殖がどうなるかを調べたのです。
 カロリーの20%が動物性タンパク質であるエサを与えると、ガン細胞は急激に増殖しますが、動物性タンパク質を10%以下にすると、増殖が停止しました。さらに動物性タンパク質を5%以下に抑えたラットは長生きで平均寿命を迎えてもスリムな体つきで毛並もよかったそうです。この時、先ほどの高たんぱく質のエサを与えたラットは全部死亡していました。植物性タンパク質を与えたラットは、全くガンは増殖しませんでした。
 実験結果として、100対0のスコアは今まで決して見られない現象です。
 この日本の伝統食と食養の正しさを科学的の証明してくれたコリン・キャンベル博士の研究は、世界的に有名ですが、日本ではなぜかあまり知られていません。さらに日本には、ガンを抑えるフリーラジカル食品世界第1位の味噌と第3位の納豆があります。日本人が本来の伝統食に戻れば、ガンが発症することなどありません。発ガン性物質が毎日体に入ってきたとしても、ガン細胞のエサを全く摂らなければいいのですから。灯台下暗しの現代の日本人は、本当にもったいないことをしています。