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中村陽子のコラム

2015年5月20日

今こそ、本物の米、味噌、梅干し、黒焼きが必要なわけ

(この原稿は、船井幸雄.comに「中村陽子の都会にいても自給自足生活」に連載された第8回です。2015年5月20日に掲載されました)

 メダカのがっこうでは、毎月「食とお米とその周辺の研究会」を行い、塩、米、種、野草、味噌、醤油、油など、基本的食材について、中村陽子の自然観に基づいた勉強をしていますが、添加物については、九州から安部司さんをお呼びして、「みんな大好き食品添加物―食品の裏側―」という題名でお話をしていただきました。その内容の紹介と、メダカのがっこうが基本食材と原料から無農薬・無添加でつくっているわけをお話しします。

 安部司氏のお話には、強烈なパンチを受けました。さすが食品添加物を駆使して、ヒット商品を連発してきた張本人だけあって、その知識と経験の深さに驚きました。加工食品、飲み物、インスタント食品、お菓子、お惣菜などに使われている本物とは似て非なるものを作る添加物の種類と働きを、余すところなく伝えてくれました。特にお惣菜は、コンビニはともかく、デパ地下からお弁当、ホテルの朝のバイキングに至るまで、原料の段階から味付けまでこれでもかというほど食品添加物が50種とか60種とか使われていることを知り、がっかりしました。

 たとえば、お惣菜で人気があるサバの味噌煮は、中国でサバと、添加物がたっぷり使われた調味料とが真空パックされてから鍋で煮て、それを冷凍して輸入し保管しておき、何ヵ月何年たっても、解凍した日から1ヵ月の賞味期限が決められていることを知り驚きました。
 また、表示のところに、PH調整剤とか香料とか、アミノ酸と書かれていても、それはグループの総称で、何種類もの添加物が使われているそうです。こどもの好きな飲料水、普通では甘すぎて飲めない量の甘味(砂糖より劣悪な遺伝子組み換えのトウモロコシのコーンスターチから取った果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料)も、着色料と香料とビタミンCを添加すると喉越し良く飲めてしまうのです。
 インスタントラーメンのスープには、普通では気持ち悪くて飲めない量の油脂と塩分が入っていますが、うまみ成分(大豆を塩酸で溶かし苛性ソーダで中和させて取り出したタンパク加水分解物や、人工のアミノ酸数種)を入れると、おいしいスープに思えてしまいます。これらを常食としているこどもの身体はどうなってしまうのでしょうか。

 私は安部司さんの講演会をyoutubeで見ていましたが、直接お話を伺うと、彼が本当に添加物に侵されてしまった食品に囲まれている日本の子どもたちのことを心配して正そうとしている愛情と情熱を感じました。
 この講演会は、わかっていてもやめられない人たちにとって、やめる決心をする日になったのではないかと思います。それほどの迫力がありました。
 安い、簡単、便利、キレイ、オイシイという基準で買い物をする私たちが、添加物を増長させていることを思い知らされました。こうしたものにお世話になっている以上、中国に足を向けて寝られないそうです。安部さんのお話を聞いて、食べるものがなくなって困ってしまう人はたくさんいると思います。しかし、メダカのがっこうは、この問題を自分で解決するために、自給自足くらぶを始めています。

 危険なのは、添加物だけではありません。よく日本は、人体実験の場所だと言われます。
 戦後、生物兵器が再利用された農薬メタボな作物を作る化学肥料、工業で汚染された水や空気、命が生まれた海の塩から、塩化ナトリウムという化学塩への国をあげての変更、石油化学製品が原料の環境ホルモン、食品添加物、人工甘味料、合成甘味料、香料などの膨大な薬品群、そしてコバルト60照射食品、と次々と身体への負担が増してきました。

 おかげで日本人は、アトピーを手始めに難病奇病が多発、10人に1人の子どもの永久歯が生えず、10人に0.7~1人の子どもが多動性障害になり、2人に1人がガンになっています。そこに2011年3月にはあの忌まわしい原発事故による放射能汚染ときました。

 広島・長崎の原爆を、玄米と味噌と梅干しで乗り切った日本人です。
 でも、今の日本人は米、味噌、梅干しから離れてしまったうえに、手に入れようとしても、日本にはもう昔のような無添加で良い塩で造られた味噌や梅干しがありません。それどころか保存食なのに添加物が使われています。これでは放射能に負けない身体は作れません。だから私たちは、命を優先する農家と手を結んで、会員の皆様と一緒にすばらしい材料を使い、添加物などない本物の米、味噌・醤油・梅干しを作っています。

 しかしここにもう一つ強い味方がいます。それが黒焼きです。
 その中でも、梅干しの黒焼きや、もみ付き玄米の黒焼きが有効だと思います。直接放射性物質を吸着して排出してくれるからです。私は日本人が黒焼き玄米茶や黒焼き玄米珈琲を毎日1杯でいいから飲んでくれると、相当いいのではないかと思っています。
 「炭が地球を救う」と宮下正次さんは教えてくれますが、土の化け物である人の身体も同じことです。
 70年間は草木も生えぬと言われた原爆から、今年がちょうど70年目です。そろそろ農薬や添加物から足を洗い、主食をお米に戻し、命が生まれた海の塩と、その塩でつくった梅干しや味噌と、黒焼きで、たいがいなことには負けない日本人になりましょう。

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