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活動報告

2015年3月25日

3月22日食とお米とその周辺の研究会ー砂糖ー

前回は野草がテーマで、次はフィールドで実際の野草をご案内しようと思っていたのですが、春の野草は時間差で出てくるので、一度に見ていただくのは無理だと思い、今回は、前からずっと実態を知りたいと思っていた「砂糖」を取り上げました。私の周辺には砂糖の害は重々知りながらも、甘いものがやめられない人の多いこと。私自身は生まれた時から甘いものが苦手で、甘いもの中毒とは無縁ですが、中毒になって苦しんでいる人を見るにつけ、何とか砂糖を嫌いにしてあげたいと思っていました。今回、砂糖を研究テーマに取り上げたのには、そういう下心がありました。

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まず皆さんにご紹介したかったのは、砂糖の歴史。ササン朝ペルシャから中国へと貴重な献上品として朝鮮半島を経て日本にも来ていたのですが、英国のある農婦が紅茶にお砂糖を入れる習慣を始めてから、砂糖の生産地として西インド諸島を中心にサトウキビ生産のプランテーションと工場で自然破壊を始め、労働力として奴隷制度を発展させてきた暗黒歴史です。犠牲になった2000万人の奴隷の2/3は砂糖のためだったそうです。そのお蔭で英国をはじめヨーロッパ諸国では100年間で砂糖の消費量が8倍~10倍になりました。英国の砂糖業界は巨万の富を得、政治の世界でロビー活動をする歴史上最初の圧力団体になりました。その後その覇権はアメリカへ移り「ビッグシュガー」と呼ばれている強力な利権団体になり、砂糖が悪者にされないよう、真実を曲げた科学的な研究発表をしています。塩の摂り過ぎが健康に悪いという注意勧告はされるのに、砂糖の健康への害が広告されないのは、このような事情があるのです。

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日本人の砂糖の摂取量は、1日50g~63gほどに増加の一途をたどっています。500mlの炭酸飲料には、30g~60g前後の糖分が入っていまる。砂糖の適正摂取量は、体重1kgに対して1gだそうで、体重20kgの子どもは20g、ジュースもケーキも大人と同じ寮を与えるのは子どもの身体と味覚を壊してしまう残酷な行為といえます。砂糖の害は、まず分解の過程で体内のカルシウムやミネラルを奪ってしまうこと。虫歯、血糖値の急激な高騰とインシュリンによる低血糖症、うつ病、キレるなどの精神疾患、シミそばかすの原因、老化の原因など現代病のほとんどと関係しています。

これに驚いていたら、実際にはジュースやスナック菓子などは、もう砂糖すら使わず、ブドウ糖果糖液糖などと表記されている異性化糖と言って、遺伝子組み換えのトウモロコシから抽出した劣悪な糖を使っているそうです。これらの甘味料は、精神病、うつ病など脳の病気になる可能性が大きいのですが、日本人はこの異性化糖を1年で10kg摂取しているそうです。

数々の原因不明の難病は精神病に侵されている日本人ですが、この甘味料はもちろん、砂糖を止めるだけで、うつ病や不眠症が治ったり、肌がきれいになったり、やる気が出るなどの変化が生じます。病気から立ち直るには、身体に良いものを探すより、まずこれらの悪いものを取らないことが肝心です。

マクロビオティック創始者 桜沢如一氏は、「砂糖は、近代工業文明が極東やアフリカに投げ込んだ最大の罪悪である。 アヘンよりも致命的で 死の灰(原爆)より危険な毒である。」と砂糖の本質を見抜いていました。

また、甘味の中にも順番があり、身体に悪い順にあげると、まず合成甘味料、人工甘味料、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖)、白砂糖・グラニュー糖・ザラメ・三温糖などは同列ですが、次に比較的ミネラルを含んでいる甘味は少し体に負担が少なく、甜菜糖・メープルシロップ・キトルシロップ・黒糖などは同列で、本物の和三盆が良いようです。私は黒糖を作る過程で、大量の消石灰を使っているが気になっていましたが、本物の黒糖には使っていないものがあるそうです。しかし量がきわめて少なくなってしまうことから、消石灰を入れることで量を確保しているようです。和三盆も上等なものは消石灰を使っていません。メダカのがっこうが推奨している甘味は、甘酒とみりん、どちらもお米と米麹だけからできるもので、日本にあるものだけで豊かな甘味が味わえるという優れものです。それにしても、糖は体を冷やし、陰性に傾けるうえ、中毒に陥る危険があるものなので、制御可能な状態をキープすることが大切です。そのためにも、ご飯とみそ汁と少々の野草や海草や野菜という基本食を押さえておきましょう。(報告:中村陽子)