7/16 伊豆修善寺での生きもの調査&草取り大会
伊豆修善寺の水口農場(伊豆分校)で、生きもの調査&草取り大会をしてきましたー!
参加者の中心は、女親分・Aさんが率いる『伊豆組』メンバー。
伊豆組のみなさんが主体的に関わって下さっているお陰で、伊豆分校はメダカの行事の中で最も自立しているイベントになっています。
また、『伊豆組』は最近口コミで人気を集めていて、今回の参加者は19人でした
みんな草取り大会に集中 |
流石みなさん、既に動きが参加者ではありません
現地到着後、小雨が降っているのも関わらず、着替えを済ませた人からどんどん田んぼに入って草取りをして行きます。
Aさん『草に負けない、いい田んぼに育ったねぇ!今年はかなりいいんじゃないの?!』
Tさん『本当だよ。1本か2本植えでやったのに、こんなに分けつして・・・。固い地面に指が痛くなるまで植えた甲斐があったね。』
こんな会話が巻き起こる中、草取りはどんどん進んで行きました。
草取り中に、やけに黄色いカエルに何度も遭遇しました。
この子はシュレーゲルアオガエルですね。
ちょうど繁殖の時期なのでしょうか。
また、気がつくとトンボの群れに囲まれています。
生きもの調査隊の林さんいわく、この日水口さんの田んぼで見られたトンボの種数は10種類だそうです!!
イトミミズが見つかると面白い! |
草取りでお疲れ様のところですが、次は生きもの調査です。
土を洗った後の残留物が砂っぽかったため、『イトミミズはそんなに多くなさそうですね・・・。』と林さんと話していたら、とんでもありませんでした。
藻の塊りのようなところに隠れているイトミミズがいっぱいいました
一昨年まではイトミミズが1匹もいなかったなんて嘘のようです。
美味!薬味素麺♪ |
草取り・調査をしている間に、陽子さんはおいしい手料理(今回のメニューは、薬味素麺、ニラのチジミ、ヒジキのサラダ、味噌のシソ巻き)を田んぼの前の公民館で作りながら、田植えが終わって、みんながお腹をすかせてやってくるのを待っていてくれました
今回、草取りが始まる前に、伊豆組の田んぼの前に住んでいるおばあちゃんと初めてお話しをしました。
なんでも、朝起きたら、まず窓を開けて田んぼの様子を毎日見てくれているそうです。
田植えの様子も良く観ていてくれたそうで、
おばあちゃんが
『あなたたち、随分と固い苗を植えていたでしょ?
肥料も米糠しかやらないんだってね?きっとあれがいいのね。
ほら見て、隣の田んぼと葉の色が違うでしょ。
隣は田植え前に肥料をやって、まだ柔らかい苗を植えて、田植え後また肥料をあげる。
柔らかいから病気にもなりやすいんだよ・・・。
うちも米糠をやってみたんだけど、適度な油分が水面に膜を張って、
草を抑える効果があるみたいね・・・って勝手に思ってるの。うふふ。』
と言っていました。
水口さん曰く、『俺より、あのおばちゃんの方がよっぽど田んぼ見てんだ。田んぼが家の目の前なんだもの、かなわんね。』だそうです。
地元の方とお話できただけでも嬉しいのに、自分の田んぼでもない田んぼを毎日見て下さっているなんてとても嬉しいですよね!
秋の収穫時に、黄金色に実ったイネと、おばあちゃんにもまた会えるといいな
☆夏の野草料理教室 レシピ一覧☆
夏の野草料理教室でのメニューのレシピ集です
ご家庭でもぜひ作ってみてくださいね
2007年7月
1.ピロシキ
2.ワカメの生姜和え
3.味噌入りシシトウのシソ巻き
4.焼きナスの生姜醤油
5.ニラのチヂミ
6.ニラの梅酢醤油
7.薬味そうめん
8.ミョウガの醤油漬け
9.キュウリのカミナリ
7/15 若杉友子の野草料理教室 at オイスカ
オイスカは日本で一番古いNGOで、アジア・アフリカにその国にあった農業指導、その土地の樹木で植林活動、国を立てる技術者や指導者などの人材育成をしてます。
私はオイスカの評議員をさせていただいていて、子どもの森を応援しています。
総裁と呼ばれる中野良子さんとは、規模がものすごく違うのに、同じ地球の自然環境を再生する趣旨が同じということで、親しくさせていただいています。
彼女の食生活は、玄米菜食で、若杉さんの食の陰陽のお話を熱心に勉強されたり、料理方法をすぐ実践されています。
3年目に入った野草料理教室、あく抜きも右回転の動きも、塩の使い方も、だしの採り方も、みんな身についてきて、初めての方に注意して伝えている段階です
それでも毎回基本の見直しがあります。
今回は、昆布だしと、椎茸だしを、別々の土鍋で取ってあわせるということを知りました。
おむすび茶屋では、昆布だしが煮立ってきたところに、椎茸を入れていたのですが、椎茸は煮立った土鍋に入れて少し煮てしっかりとだしを出し、昆布だしの鍋に移して合わせるそうです。(椎茸は陰性が強いので、水に長く付けてだしを出しません。)
胡麻和えのたれを作っているところ |
昨日までの料理のほかに、薬味そうめんの説明をします。
これは付け汁が特徴です。
まずすり鉢でいりゴマをよくすり、ゴマペースト、先ほど採っただしにみりんと2種類の醤油で作っただし醤油、ピリッと辛いコチジャン、トウニューズ(豆乳酢)という卵を使わないマヨネーズのようなもの、を加えてよく混ぜ合わせて作ります。
これだけで美味しいです。
そうめんを塩を少し入れたお湯で茹で、水にさらします。
これを皿に盛り、長ネギ、シソ、ミョウガ、生姜などの薬味をたっぷりと、キュウリとトマトを乗せ、この上から付け汁をかけて出来上がりです
ニラのチヂミを焼く若杉さん |
昨日に引き続き、ニラのチヂミもつくりました。
ニラはあく抜きの必要はなく、そのまま3センチくらいに切ってボールにいれ塩で軽く揉み少ししんなりさせます。
そこに地粉と水とごま油で硬めに混ぜ、ごま油をひいたフライパンに薄く敷いて焼きます。
裏返した後、フライ返しで平らに押さえつけて、さらに焼き付けてパリパリにします。
さらにパリパリにするには、少し上新粉を入れると良いということです。
これを切り分け、酢と醤油とラー油を混ぜたタレでいただきます。
若杉さんいわく、「餃子なんて作る必要ないで、これで十分、子どもたちが喜ぶおやつになる」ですって
これに簡単につくれる料理、ナスのしょうが焼き、ワカメのしょうが醤油、がありました。
ナスはチンチンに熱した鉄のフライパンに、たっぷりのごま油で強火で焼付け、しょうがをたっぷり載せてかなりたっぷりの醤油で焼き付けます。
ナスは陰性が強いので、炎の料理をするそうです。
夏は体を冷やす陰性の野菜を食べてもいいのですが、それが体の芯を冷やさないように、料理で改善して食べることが大切なのだそうです。
おむすび茶屋では、早速翌日から、これらの料理を出しています。
皆さん、食べに来てくださいね
7/14 若杉友子の野草料理教室 in もてぎ
アオザの説明をする若杉さん |
栃木県茂木町、メダカのがっこうが棚田の復元や、もてぎの家を持ち、美しい里山に自然を活かした農業を目指して入ってきた人たちの農園や、キノコ採り名人、炭焼き名人、竹細工名人などの茂木町の人材を活かした自然学校づくりを計画している所です。
そこに、「あじさい館」という町営の野草料理のお店があり、3年前から若杉友子さんを招いての野草料理教室が町主催で開かれています。
年々、茂木町でも郷土料理や野草に関心がある人たちが集まるようになり、若杉さんのお話が、ぐっと受け入れられるようになっています
この日は、途中、古口町長も顔を出してくれました。
料理教室は午後2時からなので、10時ごろから茂木の中を走り回り、野草を探しました
この日採集した野草は、カンゾウの花のつぼみ、ベニハナボロギクの葉、シロザの葉、フュー菜、イヌビユの葉、イノコヅチの葉、タデの葉、スベリヒユなどでした。
タデやイノコヅチやスベリヒユは、5月頃までが限界で、時期的にもう食べられないそうです
カンゾウのつぼみは、塩を入れた湯でさっと茹で、水にさらし、水気を絞り、ゴマ入り酢味噌和えにしました。(これは醤油洗いは不要です)
酢味噌和えの基本は、煮切りみりん、煮切り酢、と味噌をすり鉢でなめらかにするのですが、今日はゴマをすったものが加わりました。
つぼみは、採ってから少したつと、花が咲きかけるものもありますが、それは使いません。
歯ざわりもよく、黄色が美しく、本当に美味しい料理でした
ベニハナボロギクは、3つのあく抜きをしてから味をみると、春菊の味がして、貴重な野草だと思いました
胡麻和えがとてもあいました。
胡麻和えは、すり鉢でゴマをなめらかになるまですり、ゴマペーストを加え、煮切りみりんと、醤油を2種類加えて作ります。
和える時は手で、右巻きにねじるように混ぜ合わせます。
シロザは、3つのあく抜きをすると、癖がない美味しさが、イノコヅチと似ていました。
これはゴマ味噌豆腐和えにしました。
ゴマ味噌豆腐は、豆腐を茹でて布きんでしっかりと絞っておき、もう一方で、すり鉢でよくすったゴマにゴマペーストと煮切りみりんと味噌を合わせたものに先ほどのカラカラに絞った豆腐をあわせて出来上がり。
シロザを適当に切り、ここに入れて和えます。
ゴマ味噌豆腐和えは、おむすび茶屋でも評判の美味しさです
フュー菜も、3つのあく抜きをしてから、胡麻和えにしました。
青菜はなんと言っても陰性なので、小粒のゴマという陽性と合わせることで、体によい食べ物になるのです。
出来上がった料理たち |
この日に作ったものは、この他に、ピロシキ、ひじきのサラダ、味噌入りシシトウのシソ巻きなど昨日と同じものと、薬味そうめん、とニラのチヂミでした。
この料理の紹介は、15日にしたオイスカのブログに譲ります。
若杉さんの使う野草は、特別に探す必要がないくらい、畦や畑の周りに生えているものばかり。
「これなら何時でもとれる」「野菜を作らんでも良いね」などと、茂木の人たちも、とても喜んでくれました
7/13 若杉友子の野草料理教室 at おむすび茶屋
年3回、京都の綾部から、若杉友子さんに来ていただき、野草料理を教えていただいていますが、今回は夏の野草料理教室です。
13日の夕方、神田神保町おむすび茶屋での教室には、若杉さんの魅力に惹きつけられた若い女性や、毎日店で若杉料理を出しているおむすび茶屋のスタッフが真剣に学びました。
埼玉県から保育園の園長さんも園児たちに少しでもいいものを食べさせたいとの思いから、若杉さんに会いにおいでになり、園での講演をお願いしていました
若杉さん、今日の料理の説明 |
この日の野草は、フュー菜というイヌビエに似た草でした。
3段階のあく抜きをして胡麻和えにすると、癖がなくて本当に美味しく食べられました
3段階のあく抜きとは、①たっぷりのお湯に塩を入れて茹でる。②水に10分くらいさらす。③水と醤油を同量入れたところによく絞った野草を10分くらい浸す。(これを醤油洗いといいます)
ピロシキは、全糧粉と地粉を水とごま油で練ってねかしたどうに、野菜餡を入れて揚げ焼きしました。
ニンニクとしょうがで油にかおりをつけることと、野菜を入れる順番、そのたびに野菜の陰性を消すために少しの塩を入れること、炒めるというより焼き付ける感じに右巻きに箸を動かすところが、美味しさの秘訣です
味噌入りシシトウのシソ巻き |
それから、シシトウの中に種を抜かずに味噌を入れてシソで巻き、ごま油で焼くという簡単な料理をしました。
伊豆大島の阪本さんの塩で作った贅沢な味噌だったので、本当に美味しかったのですが、少し詰め込み過ぎた感がありました
もう一つは、ひじきのサラダ、暑い夏はひじきの煮物より、ずっと食欲をそそります。
ひじきは軽くだしと薄口醤油で火を通します。ここに、人参(塩でもむ)、きゅうり(塩で板ずりをする)の千切りと、春雨を戻してから醤油とごま油で下味(これ重要)をつけたものを混ぜて、梅酢を水で少し薄めたものであえました。
あっさりした美味しさでした。
若杉さんを囲んで 食の基本のお話を伺う |
おむすび茶屋での教室は時間が短いので、料理はこのくらいにして、若杉さんの陰陽の食の基本のお話をしっかりと伺いました。
若杉さんは、若い女性の参加者には特に、健康な子どもが産める体にするような話に熱がこもります。
おむすび茶屋のおむすびや料理も、真にみんなを健康にする食が出せるように、がんばろうと思いました。
私が感じた料理の大切な心は、たとえ陰性な素材でもそれを常に体にとって良いものに変えるのが料理なので、その一つ一つの手続きを省くことなく、基本の動作を身に付けて、気付きを大切に、誠意をつくすことだと思いました。
7/11-12 山梨の五風十雨農場の生きもの調査
岩渕先生と向山さん |
「明日は雨でも行くんですか?」という問い合わせの電話に「何があっても決行です」という返事をして、大雨注意報の中、東京駅に集合、古川から新幹線で来た岩渕先生も合流して、甲府の向山さん(メダカの理事)が3年前から始めた五風十雨農場に行ってきました。
途中雨にあったものの、12時に五風十雨農場に到着したときには、薄日さえ射す天気、おむすび茶屋から持ってきたおむすびと、農場の方が用意して下さったけんちん汁や漬物で、美味しい昼食を摂り、早速生きもの調査にかかりました。
足元にはまだ赤ちゃんのヤマアカガエル、きれいな黄緑色のニホンアマガエル、トウキョウダルマガエルに見えるのはトノサマガエル、背中の線が切れ切れになっていて、少し手足が長いような気がしますが、私にはほとんど見分けがつきませんでした
植物調査の美しいパレット |
面白かったのは、岩渕先生が最近はじめた植物調査です。白い花の仲間、黄色い花の仲間、ピンクの花の仲間、紫の花の仲間、面白い種や葉の草、そこに生えている草を持ち寄って並べて見ると、30種類ありました。一つ一つみんなで見ながら、この草は薬になるとか、こうやって食べられるとか、それぞれが知っていることを話してくれるので、とても楽しい時間になりました
イトミミズ・ユスリカ調査が始まると小雨が降り始めましたが、小止みになっているうちに、みんなで数えました。イトミミズはまだまだ大きくなっておらず、トロトロ層を作れる状態ではありません
岩渕先生によると、酸化還元電位といって、この値がマイナス150より低いと、トロトロ層ができていて草も生えにくくなるそうですが、この田んぼはマイナス50〜100の間で、最もコナギなどの田の草が生えやすい土の状態だそうです。
来年には、田植えを遅らせて田の草を生え切らすことや、イトミミズがもっとの働ける田んぼ作りをすることなど、いろいろ作戦を練ることになりました。
宿泊は森の中のペンションで、なにから何まで手づくりのこだわりご夫婦が、もてなしてくれました。
本当に久しぶりの洋食とワイン、みんな大満足でした
夕食後は、岩渕先生の講演があり、向山さんと同じく薬を使わず、生きものの働きを活かして作物を作ろうとしている意識の近い方たちが集まって来て、とてもいい会になりました。
みんなが帰った後も、岩渕先生を囲んで、夜が更けるまでみんな自分の考えなどを語り出し、楽しかったです。
私はここで失礼しましたが、3次会の部屋では、もっと深夜まで盛り上がっていたようです。
翌日は、昨日、講演会に来てくださっていた大江さんの農場で生きもの調査をしました。
大江さんは、作家で童話の訳詩などを手がけたり、家も手づくりで、造りながら暮している素敵な方です。
その日は、大江さんの田んぼで稲作り体験をしている高校生や、子どもを連れた人たちが何組かやってきました。
脱皮したてのミズカマキリ |
大江さんの田んぼは、さらに山側にあり、ミズカマキリがたくさんいて驚きました
脱皮したてのミズカマキリは、黄色とオレンジの間の色をしているのを始めて見ました。
植物調査も40種近くが並びました。
イトミミズ・ユスリカ調査の間は、豪雨になってしまいました。
みんなが持ち寄った野菜や雑穀料理が中心の昼食後、岩渕先生の調査の解説をお聞きしました。
大江さんは、川口農法や、冬・水・田んぼなど、いくつかの方法を実験的に試していて、それが良いとか悪いとかではなく、一つの考えに固まらないで、それぞれの田んぼから学ぶことがあるという姿勢が素晴らしいという総評でした。
花まる農家のようなプロの応援ではなく、農的生き方をする半農半Xという、都市部の人たちの生き方をリードする人たちが集まっている山梨、小淵沢への旅は、メダカのがっこうにとって、ゴールの方向にある活動だと思いました。
7/7-8 積水自然塾と新宿せいが保育園の田の草取り・ホタル観キャンプ
積水自然塾はここ3年、茂木の棚田復元に協力して、毎年5枚ほどの棚田で、稲作り体験をしてくれています。
この日は、田植えに引き続き、50名ほどで田の草取り・ホタル観体験に日帰りで来ました。
午後2時到着、田んぼに降りてまず田んぼの生きもの観察をしました。
カエルやコオイムシ、マツモムシ、アメンボ、コモリグモなど網で取って来て、大きな箱に入れ、生きものに詳しいスタッフに、名前や特徴をお話してもらいます。
私は田んぼの泥を洗ってバットにいれて、イトミミズやユスリカを見せ、彼らが土作りの主役であることを話しました。
それから大人たちを中心に、田の草取りをしました。
5枚の田んぼには、コナギ、オモダカ、イボクサ、セリ、クログアイなどがびっしり、根がしっかり張っていて、かなり苦労してました。
草が生える原因は、水が抜けてしまうからです。
棚田で深水が保てる田んぼをつくるのは、本当にかなり大変なことで、毎年草で苦労しています。
それでも何とか稲の周りをスッキリさせました
クラブハウスでシャワー着替え、休憩後、棚田に下りて、おむすびとホタル観の台で作ったけんちん汁で夕食を摂り、ホタルが出てくるのを待ちました
7時半頃から少しずつ暗くなり、やっとピカピカと光りだしましたが、8時には帰路に着くということで、ピークを前に帰ってしまうのが残念でした
この日は、朝10時から新宿せいが保育園の親子が8組キャンプで1泊する計画で参加していましたが、8時半ごろ、ホタルの乱舞というところまで多くはありませんでしたが、かなりのホタルを観ることができてよかったと思いました
ホタル観は6月末から7月上旬までと時期が限られているので、どうしてもいくつかの団体が重なってしまいます
新宿せいが保育園は、2007年4月開園でしたが、園長さんのお考えで、農薬や化学肥料を使わず作った人の顔が見えるお米や野菜や食材を子どもたちに食べさせたいという方針の下、それなりの予算をちゃんと確保して、メダカのがっこうのお米と、関係者の無農薬の野菜などを使って下さっています。
そんな関係で、田んぼ体験も保護者の有志で実現したのです
この日、新宿せいが保育園の親子さんたちも、棚田で生きもの観察と田の草取りをしましたが、あるお母さんが、「草取りは5分もしないうちに嫌になりました。今まで無農薬の有機米を高いと思って買いませんでしたが、草取りの苦労が分かったので、これからは買おうと思います」と話してくれました。
生きもの観察、流しそうめん、田の草取り、バーベキュー、ホタル観、テントでのキャンプ泊、山の散策、最後に茂木町青梅ふれあい館のおそば、という盛りだくさんの内容をこなし、東京に帰りました。
私は、生きものいっぱいの田んぼを体験してもらうことで、生きもので賑わう楽しい地球を感じてもらい、稲以外の生きものが全くいないシーンとした「沈黙の田んぼ」を、おかしいと感じる感性を、子どものうちから養ってほしいと思っています。些細な体験ですが、これからもできるだけ多くの親子さんを、「いのちの田んぼ」にお連れしたいと思います
7/4-5 岩手江刺の田の草取り・生きもの調査
メダカのがっこうにとっては一番北の花まる農家、江刺の伊藤農場に行ってきました。
東北新幹線で水沢江刺駅下車、伊藤茂さんと、秋田県比内町の辻さんと合流、2台の車に便乗して伊藤農場に向かいました。
昨年と同様の美しい棚田、トンボや蝶、多様な生きものたちが息づいている畦道、でもいざ田の草取りに入ろうと田んぼを見ると、今年は少し様子が変わっていました。
昨年まで、ほとんど草が生えていなかった田んぼに、たくさんの草が生えていたのです
生きもの調査をしてみると、イトミミズの数も少し減っていました
伊藤さんに聞くと、やったことは昨年と同じだということです。
根本的に思い当たることが一つありました。
それは伊藤さんが昨年から、体調を崩していて、目の手術やあちらこちらの治療を受けていて、元気がないことです。
田んぼの生きものたちと一緒に稲を育てるこの方法は、一番重要な生きものといえる伊藤さんの元気がないと、イトミミズまで元気がなくなるような気がします。
みんなで草取り |
メダカの参加者は7名しかいませんでしたが、新しく農業を始めたIターン若者たちの集団が、師匠である伊藤さんの田んぼの助っ人に来ていました
彼らの中には、昨年から耕さない・冬・水・田んぼを始めた方がいて、生きものや草の話を熱く語っていました。
3反歩の田んぼ1枚だけでしたが、みんなできれいに草を取りました。
深水の田んぼは、草が抜きやすく、思ったより楽でした
6時からは、地元の集会所で、岩渕先生の研修を受け、近況報告など交流を深めました。
地元の農家の方たちも、2年目でなじんできて、メダカのがっこうに近づいた感じがしました。
印象的に残ったのは、先ほど草取りに来ていたIターンの若者たちです。
岩渕先生の自然の哲学や生き方や思いを受け取ったらしく、さわやかな感動がありました。
この地に新しい風を入れる人たちだと思いました。
辻さんの田んぼ |
翌日は、今回初めから車に乗せていただいている秋田比内町のきりたんぽで有名な比内食品の辻さんの田んぼに、約1時間半車を走らせて、見に行きました。
全部で20町歩ほどある田んぼのうち、1町歩近くを昨年から冬・水・田んぼにし、無農薬で作っているそうです。
稲も勢いがよく、草も少なくて、水が冷たいのに、水カマキリや生きものもいる見事な田んぼでした。
ビオトープを作り、水を温めたら、もっと微生物たちが働き、水が濁って、草に苦労しなくなるでしょう、というアドバイスを岩渕先生がされていました。
岩手や秋田の地にも、素晴らしい思いをもった人たちが、命の田んぼを作り始めていることを知り、農家が絶滅していく激流のような現実に流されないように、さらに多くの都会の消費者の応援が必要だと感じました。
皆さん、本当に私たちと繋がって今まで以上に支えてくださいね
6/30-7/1 もてぎ生きもの観察&草取り&ホタル観
佐渡ツアーと並ぶ、メダカの一大イベント、もてぎのホタル観に行って来ましたー!
生きもの観察も草取りもしますが、参加者の方が一番期待しているのは、やはりホタル観なのですよね〜
さてさて、到着後、着替えて田んぼに移動したら、早速草取り開始です。
しかし、ぼうや3人組みは、草取りなんか最初からする気はありません。
彼らの目的は勿論、始めっから生きもの採集です
お母さん方に何度、『イネを倒すから田んぼには入らないで。網も入れないで』と言われても、なにしろ彼らは無我夢中なのですぐに忘れてしまいます(笑)
アメリカザリガニやトウキョウダルマガエルを虫容器にわんさか詰め込んで満足気でした。
田の草取り部隊の草取りも、『大勢効果』を多いに発揮して、1時間程で田んぼ3枚か4枚をきれいにすることができました
昼食はお楽しみの流しソーメンでした
ところが、ここでハプニング発生
流しソーメンが予想以上に早く終わってしまい、にも関わらず空腹感でいっぱいの方が続出していたのです
流しソーメンとは、その名の通り流れているわけですから、上流の方々の方がソーメンをゲットできる可能性が明らかに高いわけです・・・。
流れている最中に、『う〜ん・・・これは明らかに下流が不利だ・・・。このままではマズイ、マズイぞ〜』と思ってはいましたが、こんなに早く終わってしまうとは・・・。
私永田は1番下流で、流れ落ちて網に溜まった僅かなソーメンを頂いていましたが、明らかな空腹状態
その後、空腹を満たすために、クラブハウスで再度昼食をとったのは、勿論永田だけではありませんでした。
主催者として、参加者のみなさまには、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
来年は、おむすびをつけたり、みんなが均等に食べれるように工夫致したいと思います。
休憩後は、再び田んぼに戻って生きもの観察をしました。
とはいえ、草取りが全て終わったわけではないので、自ら草取りをしている方もいらっしゃいました。
生きもの観察をしていた方々を興奮させたのは、カブトムシの来訪です。
地元で有機農業されている男性・Tさんが、田んぼの脇の傾斜をザカザカと登って行ったと思ったら・・・カブトムシの♂♀、ノコギリクワガタの♂♀をアット言う間に捕まえて来てくれました。
これには子どもたちは勿論、大人の方も感動したらしく、『え?!カブトムシ?!見せて見せて!』と、多くの方がよく観察していらっしゃいました
夕食は、キャンプの醍醐味、バーベQでした。
お腹が一段落したところで、韓国歌手の金(キム)さんによる歌のご披露があり、アカペラなのに響きわたる歌声に聞き惚れました
その後、これからホタルを観に行くにあたっての導入として、足立区生物園の解説員・Yさんに『ホタル博士クーイズ!(パフパフ♪)』をしていただきました。
みなさん、子どもも大人も、興味深々で3択クイズに手を挙げていらっしゃいましたよ
田んぼに移動してのお待ちかねのホタル観では、ホタル観の台に座ってホタルを眺めたり、ホタルを手に取って観察したりと、みなさん思い思い、静かに楽しんでいらっしゃいました。
ぼうやの中で虫が触れないR君も、『ホタルは触れたよ!』と手の中のホタルを見せてくれました。
『すごいね!触れたじゃない!』と永田が言うと、『でも、朝になったら良く見えちゃうから触れない・・・』と言っていました(笑)
翌日は、選択制で、再び草取り部隊とハローウッズの森の散策組みに分かれて行動しました。
ハローウッズの森の散策組みは、とても沢山の発見をしました
クワガタの♂と♀が頭部だけになっても動いていて(鳥に体を食べられてしまったようです。)、それを集団で襲うアリンコたち。
田んぼで昨日見たヤマアカガエルが山道のあちこちにいたり(ヤマアカガエルは産卵の時だけ水辺に行き、普段は山にいるのです)。
ヘビにそっくりのガの幼虫を発見したり(ヘビに似せることで身を守っているそうです)・・・。
ほんの2時間足らずで、こんなに沢山の大発見に出合えるとは・・・。
今までハッチョウトンボの棚田にしか行ったことがなく、ハローウッズの山を知らなかった永田は、この豊かな山の恵みを受けているから、ハッチョウトンボの棚田も豊かなのだな・・・、と改めて実感しました。
ハッチョウトンボの棚田の、豊かに実った稲穂を刈れる日が、例年より待ち遠しくなった永田でした。
6/23-24 郡山・岩瀬田の草取り・生きもの調査
3月に越冬に訪れている白鳥さんたちを「また会うべ会」で見送ったのは、今年こそ田んぼの整備を間に合うようにして、草に困らない稲作りをするためでした。
3月末、しっかりと畦を作り直し、しっかりしたビオトープも作り、田んぼの代かきをして浅く水を入れました。
草をできるだけ発芽させるためです。
一度発芽した種は2度と発芽しないという単純で確実な抑草対策です。
そして田植え直前にもう一度代かきをして、田植え後は深水にしました。
左:赤く濁った水、右:そうでない水 |
コサギさんも3羽遊びに来てました |
効果はありました
私たちが田の草取りに入ると、ほとんど草がありません。
それに水が赤く濁っています。
この状態だと日光が差し込まないため、草がほとんど育ちません。
とてもいい状態です
またこの赤い微生物は、光合成細菌と呼ばれ、空気中の窒素を効率よく取り込む働きをするので、肥料を入れなくてもいい状態です。
今年の中村さんは、その上に10日に1回除草機を押すという努力をしていました。
これらがみんな効果を発揮して、本当に田の草取り部隊である私たちは、拾い草程度の作業で、田んぼをきれいにすることができました
同じ白鳥の田んぼになっている増戸さんのところも、今年はいつもより草が抑えられていました。
みんな努力が実ってきたのです
田んぼの生きもの調査では、この時期トウキョウダルマガエルが何百匹もいました。
そのほかのカエル、ニホンアカガエルや、ニホンアマガエルもいました。
おむすび茶屋がご縁で今回参加した稲田さんは、3種類のカエルが見分けられるようになったと喜んでいました
夕食後は、家の周り一帯を水辺作りをして、ホタルの里を作っている石井さんところに行き、ホタルを満喫しました
平家ホタルはまだ飛べない子どもたちがたくさんいました。
昨年何もなかったところに、今年は観賞用の客席がつくってありました。
この日につくったそうです。
石井さんは、お米を作り、野菜を作り、炭を焼き、昼寝用の小屋を立て、水辺を作って生きものたちを呼び寄せたり、遊びながら環境を取り戻している羨ましいような趣味人です。
気の遠くなるような田んぼ…! |
翌日はここから30分のところの岩瀬に行きました。
ここには元気な4家族のグループが、生きものいっぱいの冬・水・田んぼに取り組んでいます。
毎年「日本の水田を守る会」が食味コンクールを開催していますが、今年このグループの星野さんのお米はダントツの1位になったそうです。
この日は今年抑草対策に失敗した田んぼの草取りをしました。
120メートルの田んぼの草取りは、片道だけで気が遠くなるほど大変です。
みんな黙々と働きましたが、1往復半、田んぼの半分のところで断念しました
ほんとうに1ヶ月も草取りをするなんて、大変だと思いました。
イトミミズが増えていて ご満悦な古川さん |
田んぼの生きもの調査でうれしいことがありました
一昨年から始めた調査ですが、初年度、全くゼロからのスタートした古川さんの田んぼに、イトミミズがものすごく増えていたことです。
一挙に10アール当たり数千万匹の高レベルに達しました。
冬・水・田んぼや米ぬかや、イトミミズを見守り続けているみんなの気持ちが今回の成果に繋がったのだと思います。
本当に生きもの調査を続けていて、一番楽しい瞬間です
元気がある岩瀬グループのお三方 |
働いたあとの温泉と、心のこもった食事や都会では食べられないギョウジャニンニクや、ユキザサ、日本一になったお米のおむすびなど本当においしくいただきました。
皆さんの田んぼがこれからもっともっと広げることができますよう、メダカのがっこうとして、消費者、保育園の開拓にがんばろうと思いました。