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2008年6月29日

6月21-22日 福島草取りツアー&生き物調査の旅路:

 めだかの学校の方々、参加者の方々、初めてこのブログをご覧になっている方、そしてめだかの学校の田んぼを毎日作っている農家の方々、こんにちは!!
今年3月から、あちこちのメダカの最近のイベントにスタッフとして参加させていただいている研修生の中島みのりです。
今回は「白鳥さんまた会うべ会」に引き続いて2回目の「福島、白鳥の田んぼツアー」に参加しました。
 前日に偶然にも、栃木県の有機農業の大先生、館野さんのもとで宮沢賢治の詩を習いましたのでその詩からはじめたいと思います。
080621_4.JPG芝生
               宮沢賢治
風とひのきのひるすぎに
小田中はのびあがり
あらんかぎり手をのばし
灰色のゴムのまり 光の標本を
受けかねてぽろっとおとす      (1922.6.7)

(私の解釈ですと芝生とは稲のこと。
灰色のゴムのまりはきっと露の雨雲。)
 梅雨にいよいよ入る、今日から東北も大雨という天気予報を誰もが信じてスタッフの方々みなばっちりの雨支度をして、福島県郡山市の冬に白鳥の訪れる中村さんの田んぼへまずは向かいました。
今回は参加者があまりいなかったのがちょっと残念。。。。。
080621_5.JPGとは云え、今回は若くてやる気満々の農大卒業生が2人も参加していましたし、“趣味でここまで詳しくなれるものか!!野花博士”の関口さん(左写真)もご同行してくださって、なかなか濃いメンバーだったのでは?!
 さすが草花博士ってオーラ出してますよね。でも、普段一人で田んぼの草を調べていると不審者と思われるらしいとか。。。


熱帯
              みのり
私の体温が36度ならこの田んぼの水は何度だろうか。
どんより湿った空気が晴れて、りんりん輝く太陽は
こうして今日も田の中で
踏ん張る足と、泥をかき回す手だけを頼りに
草と戦う我らにとって、
果たして味方だろうか。敵だろうか。
通りを走りぬけるバイクの人には気持ちかろうが。
これから根をだし、上へ上へと伸びてく稲には必要だろうが。
私たちには熱すぎる。
足のつかる湯の熱さが
熱帯を感じさせてくれる
6月の田んぼよ。         (2008.6.21)



080621_6.JPG 21世紀の気象庁も、大はずれの大晴れになってしまって、日焼け止めを塗っての草取りに、おむすび茶屋と中村さんの畑の美味しい昼食のあと挑んだわけです。


080621_7.JPG 中村さんの田んぼとビオトープを背景に、まんまと博士に釣られたアマガエル。
カエル釣りのつり方はまた教えます。(練習中)


080621_8.JPG 暑い、暑いともらしていたのは私だけか?!
みんな楽しそうに草取り。いや実際に楽しかった!!
ちなみに田転がしを押しているのは中村さんではなくスタッフの山ちゃん。すっかりプロみたいですよね。
 しかし皆さん、たかが草取り、サルでもできると思っては大間違い!!
草取りって、難いんですよ!!プロになるにはそれなりの訓練が。。。


080621_9.JPG これがひえと稲の違いです。
稲株を触って、見事に隣り合わせに生えたひえだけを抜き取る技術を身につければ、どこの農家さんにも褒められること間違いなしです!!
この技術を身につけて3日目の私はもう草取りが生きがいになってしまいました。(中でもこの一番手ごわいひえ取りが楽しくって、副理事長とともにひえの生えている田んぼを求めて、農家さんに苦笑いされましたけど)


080621_10.JPG 理想の弟子を従えカエル調査をしている理事長は今日も元気はつらつ!!若いです!!
「アカ、アカ、アマ、ダルマ」なんて、あんなにてきぱきかえるの識別できたら人生楽しいだろうなーーー!!
 人生楽しいかって、生き物いっぱいの田んぼに毎日いる私は楽しくて仕方ありません。そして、1つ1つの田んぼがみんな違うからなおさらです。同じ白鳥の来る田んぼも1枚1枚、土の感触から、生物から、生えている草からみんな違うんです。
研究しだしたらきりがなさそうなので、今は吸収するのみ。
草が生えていない田んぼには、後ほどの生き物調査で糸ミミズの数が圧倒的に多いとか、害虫の少ない田んぼには蜘蛛が多いとか、そんなふうに調べて直接関連付けられる作用なんてほんのわずかでしょう。
メダカとサヤミドロ(藻)と稲と微生物の関係なんてだーーーーーーれもわからないんですけど、こうして田んぼに入って、足元で羽化してゆくトンボや、ゆすりかや害虫の死骸を片付けてくれるアメンボたちを見ながら、1㎡でもおおく農薬を使わないことに貢献しながら手で草取りをしていると、あることに気づくんです。
今日もその田んぼでできた美味しいお米を口にして。
「あっ!幸せってこれだ。」と。
「みんな宇宙の欠片からできたって、本当だ!」って。
080621_11.JPG 増戸さんの17年間不耕起の田んぼ。
中村さんの土を採取したら、すぐ近くの増戸さんの田んぼへ。
ここへも白鳥は来ています。
増戸さんは奥様に「もうつける薬がない」といわれても頑として田んぼを耕しません。だから高低の差ができ、水が浅いところにはスズメノテッポウがびっしり。まあ、言われてみればスズメノテッポウと稲の関係って、そんなに相性が悪くはないかも。

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どれが稲でどれがスズメノテッポウ?!
080621_13.JPG
うわ!田んぼが浅い!

田んぼって、やる人によってこんなに多種多様なんだ。
080621_14.JPG もっとこの田んぼにいたい!!という気持ちを抑えて、ここで中村さん、増戸さん、そして親切な慣行栽培を近くでしている方田の土の生き物調査。
 この結果がまたまた面白い!!
「先入観を持ってはいけない!」と掛け声をかけつつ行なった慣行栽培(農薬を使用)の田んぼには本当にイトミミズや蛙がほとんどいない。


 とりたてのイワナの食べれる温泉旅館、ごれいびつでの楽しい中村さんのお話や宴会の様子は参加した人たちだけの宝物としておいて、翌日は「おお、神様、感謝しています」の涼しい曇り模様。
 早速、今度は岩瀬の田んぼへ。
080621_15.JPGやってきました米の美味しい岩瀬です。

080621_16.JPG土木工事ではありません。草取りです。
ここは兼業農家星野さんの田んぼ。メダカのドライバーさんも何かしています。
(生き物調査の準備でした:)

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さすが大工さん。田んぼでも雰囲気が違いますね。えっ!!田んぼで草取りする大工さんてかっこいいじゃん!!

080621_18.JPG 岩瀬の家。この横で田んぼの土壌の生物を数えました。
この一見何気ない家が中に入るとびっくり!!藁葺き屋根で、がっちりした木が組んである年代物!!次回の参加者には、どうにか理由をつけて入らせてもらうことをお勧めします。さすが福島!!さすが岩瀬!!でしょうか?!
 若い奥様がたのあたたかいご馳走と初物のスイカをいただいた昼過ぎ、我ら草取り&生き物調査部隊はまた東京方面へ車を走らせるのでありました。


宮沢賢治 青い槍の葉 から

雲がきれたかまた日がそそぐ
土のスープと草の列
黒くをどりはひるまの燈籠
泥のコロイドその底に
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)
りんと立て立て青い槍の葉
たれを刺さうの槍ぢやなし
ひかりの底でいちにち日がな
泥にならべるくさの列
(ゆれるゆれるやなぎはゆれる)

りんと立て立て青い槍の葉
そらはエレキのしろい網
かげとひかりの6月の底
気圏日本の青野原       (1922.6.12)

 まだまだめだかの学校の田んぼの旅は続きます。
それでは今度ご一緒できる機会を待っています!!
※参加者の方より活動報告をいただきました。
 ありがとうございました!!

2008年6月27日

6/21 郡山の田の草取り・生きもの調査ツアー

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カエル調査
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バットを覗いて、
イトミミズ・ユスリカ調査
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田の草(特にヒエ)の見分け方を
教えてもらって草取り

中村さま、メダカのがっこうのみなさま
==================
本当に先日は有意義な時間を過ごさせていただきました。
農作業の実習は学生のころからやっていますが、生き物調査というものはやったことがなく、勉強になりました。
今までも生き物に対して意識をしていなかったわけではないですが、ただ「虫がいっぱいいるからいいなー」くらいにしか思ってませんでした。
あのようにきちんとデータとして出すことに興味がわきました。
また、夜の時間も皆様とお話をすることができてとても勉強になりました。
自分がこれから進んでいく道にも勇気がわきました。
食事も食べさせていただき、いろんな資料までいただき、ありがとうございました。
ぜひこれからもメダカのがっこうの皆様とかかわって行きたいと思っております。
どうぞよろしくお願いします。
※郡山の白鳥の田んぼの農家、増戸農場の研修生の田中さんが
 私たちの生きもの調査と草取りツアーを経験して、お礼のメールを
 くれました。
 彼は東京の宇内を出て今年から地元の酒蔵に勤務していますが、
 有機栽培・無農薬を勉強したいと、研修生をしています。

2008年6月17日

6/14-15 佐渡田の草取りツァーに参加して

080614_1.jpg 『佐渡ツァー』この企画はいつも晴天に恵まれる。
東京駅集合、メダカの活動に参加し各地で知り合った仲間と挨拶、こんにちは〜、お久ぶり〜、元気でしたか! 
東京駅7時48分発 とき307号9号車、佐渡へ佐渡へと心躍らせる。
気分は波しずくをあげて海面を飛ぶジェットフォイル並み・・・。
 ところがそんな私たちを、一瞬凍らせる出来事がありました!
新幹線が急にトンネルに入って止まったかと思ったら、“東北地方仙台近くで8時43分!M7の地震がありました”と車内アナウンス、選りにも選って何もこんな日に!!
トンネルの中が怖いことは携帯が使えないこと、外部の情報は車内アナウンスと固定電話で得るしかない。
乗客の皆さん以外に冷静でした。
30分以上足止めを食いましたが、無事新潟駅到着。
 こんなハプニングがありましたが、予定通り11時10分新潟港発〜佐渡両津港へここでのお楽しみは、新潟駅で買う“新潟こだわり弁当”。
季節限定で毎回楽しみにしています。

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■草取り1
 両津港では“ときの田んぼを守る会”斉藤会長はじめ会の方々が迎えてくれました。
とき会館に荷物を置いて早速最初の草取り、山間の山本さんの田んぼへ・・・
大勢で入る田んぼには亀さんも新潟日報に顔を売ったあのウシガエルさんも何事が起きたのかとビックリしていました。
いつもながら数の力に感動します。
 農作業は楽しんで続ける(声を掛け合い、大声で笑い)2枚の田は草が密集、難儀しましたが取り切りました。
“これぞ草取りツァー”と皆で達成感に酔いました。
■草取り2
 今回草取りに参加するにあたって、メダカの事務局に、草取りができるお宅にお泊り願いをしました。
希望かなって井川邸に。
 前夜の懇親会で飲んだお酒も覚めやらない早朝5時過ぎから草取りに出かけたのですが、草が無い!田んぼを間違え!? 
前日の山本さんの田んぼを期待していた私。
後で気づいた事は、井川さんの奥さんは草を生やすのは農家の女性としてプライドが許さない人で(納得)、私たちが来る前にある程度取り終えていたのです。
 井川邸から移動、最後の草取りは斉藤さん管理農家さん、ここは期待通り!?思う存分抜き取りました。
○懇親会 
 温泉で汗を流した後、お母さん達の温かいもてなし料理とお酒に満腹、目玉は正調佐渡おけさ!
おけさは何時聴いてもいいですが、生で聴き、踊りを教えていただいたこと、この夏は忘れないように私のおはこ、阿波踊りと共に盆踊りで楽しみたいと思います。
 この企画に3回参加し、鬼太鼓、浄瑠璃、おけさ踊りと、佐渡の文化に触れられたこと感動し感謝します。
自然一杯〜トキの島は何度訪れても癒されます。
ご一緒して頂いた皆さんに、ありがとうお疲れ様。 
※参加者の方より活動報告記事をいただきました。
 ありがとうございました!!

2008年6月12日

6月7日8日大田原・もてぎ分校の生きもの調査、田の草取りに参加して

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このバットの中には、ユスリカと
イトミミズがたくさんいます
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手押し除草機も初体験の
永田親子

息子には、機会を見つけ出しては種々のアウトドアへ引っ張り出し、「現場で本物を見せたい」との願いから、これまで動いてきておりました。
また、大田原の水口様の田んぼでは、足手まといで皆様にご迷惑をお掛けした母が、根気のいる生き物調査活動にはビックリしておりました。さらに、その生き物を育んでいる水口さんの農法のご苦労にも驚いておりました。
小生も、3000万匹でいいカンジの田んぼというご教授をいただいたところへ、「古代米田んぼには7000万匹強もいた」という数字を伺ったときには、あのパレット内の物凄い数のイトミミズは、数え甲斐があったハズだと思うと同時に、スッゴイ田んぼだなぁ〜、と3回目のツアーにして少し理解した思いでした。
また、夜の懇親後と二次会後に部屋へ戻ってからは、息子と昼間のイトミミズの話をしておりました。そうしましたら、彼は過去に読んだ何かの書物で「冬、みず、たんぼ」のことを知っておりました。その書物には、湿地が激減した当時の日本でトラスト運動が起こり、国と農家の方々が鳥のためにタイアップして、田んぼに水を張り、サンクチュアリのような活動を行ったとの要約でしたが、結果的にその土地は、肥沃な土地ともなった、といったオチ(副産物)の話を教えてもらいました。
中村理事長や皆様にとられましては釈迦説な話ですが、彼からかかる話を聞かされようとは思いもしなかったコトでした。彼もイトミミズを数えたり、ユスリカを数えたり、種々のカエルを追いかけているうちに、この話を思い出したとのことでした。
当たり前のことを今更ながら申し上げますが、中村理事長のこれらの活動は素晴らしいですね。
期せずして、彼が「書物の世界」でイメージしていたものを、眼前に現出させることができております。
※参加者の永田さまより感想文をいただき、彼の息子に本物と現場を見せたいという熱意に中村理事長が感動し、一部抜粋して公開させていただきました。
 永田さま、ありがとうございました!
 中村理事長の元には、他にもたくさんの参加者の方々から感想文が届いているそうです。

2008年6月11日

6/7-8 『まよったら、田んぼ』その2

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二日目は、栃木県茂木町にあるメダカのがっこうの棚田に伺いました。こちらで田植え体験をさせてもらえることになりました。
田の草取りと田植えが同時にできるのはなんてラッキーだろう、とわが身の幸運に感謝しました。
そういえば、わたしが子どもの頃は、6月に田植えをするイメージがありました。そのことを聞いてみると「以前は梅雨の雨水をあてにしていたので6月だったんですよ」と教えてもらいました。なるほど、昔の人は自然に逆らわない、自然の恩恵を十分に受けた暮らしをしていたのだ、とあらためて感じました。
田植えは、コンクリート田んぼ(かつて勤務していた小学校にはよくあるのです)以来でしたのでとってもワクワクしていました。反面、恥ずかしながら、昨日の水口さんの労働で、両腿の裏のハムストリングが筋肉痛になっていましたので、最後までできるかな、という懸念もありました。
ですが、棚田を見たとたん、「来てよかった」という感動と興奮があふれだし、足なんてどうでもよくなっていました。
山の斜面が扇形に切り開かれ、斜面に沿って三つの田んぼが階段状に作られていました。
バリ島の棚田を見てきた知人が、「日本人にとってはふるさとの場所みたいなところ」、と言ったことがありました。
その意味が分かりました。聖地に足を踏み入れたような気持ちになりました。わたしたちはもしかするとここから生まれてきたのかもしれない、と大げさかもしれませんがそう思いました。
わたしたちの姿を見かけたとたん、大量のおたまじゃくしが動き出しました。この場がいかに生き物たちにとっても聖なる土地だとわかりました。
田んぼの上には、三面の池があり木道がわたしてありました。奥には沢水。この水が、田んぼのエネルギーを供給するのです。
一緒にやってきた犬がはしゃいで池に入っていました。その気持ちがすごく分かります。
さて、横一列に並んで田植えのスタートです。後ろでは、こちらの管理人の井村さんが、まだ二年目になるこの田んぼの土をトンボでならしていました。
井村さんは、公務員の仕事を辞め、こちらで農業をはじめた方です。前日、懇親会の席でお会いし、お話を聞きました。
その決断、生き方もさることながら、誠実なそして謙虚な人柄に心をうたれました。
「都会にいたとき、自然を見てない、見ないようにしてきた」
井村さんは、そう語りました。人間は自然という全体の一部であるということを優しい言葉の中にも強く訴えている姿に感動しました。
「一人でここで仕事をしていると、生き物たちが姿を見せてくれるんですよ。自分の方がここを借りているという気持ちになります」自然は謙虚な人をますます謙虚にさせ、わたしたちが忘れているものを教えてくれるのだ、と思いました。
わたしの隣には妻がいました。もちろん、田植えは初めてです。そして二人でこのようなことをすることも初めてです。なれない泥に足をとられつつ、根の絡まった苗の束から数本をちぎっていました。ときおり祈るように苗を植えていました。
「時間がゆったり過ぎるね」妻のその言葉が印象的でした。
田植えが終わり、今度は、井村さんの田んぼにうかがいました。
生き物調査をしている林さんがカワニナを発見しました。見に行くととっても大きなカワニナでした。
去年から田んぼを始め、今年で二年目となるそうですが、昨年蛍にはあえなかったそうです。井村さんの人柄にひかれ、今年は出現しそうな予感がします。
井村さんの田んぼにも素敵なビオトープがあり、懐かしい気持ちにさせてくれます。
草が生えてこないように水を深くはっていました。日々試行錯誤だそうです、昨年も労働時間の八割以上を草取りにとられてしまったといいます。
「薬をまけば、簡単なんでしょうが」そのことばにこの農法の難しさを感じました。
そうこうしているうちに帰りの時間となり、わたしたちは茂木を後にしました。
帰りの車の中で、わたしたちに小さな変化がありました。
田んぼを見かけるたびに、稲の生育具合や、稲の並び方やすきま、草の様子などを見ているのです。昨日の出発時とはまったく視点が違っていました。
「見ているようで見ていなかったな」知人が口にしました。
じつは、わたしも知人も仕事を辞め、これからの自分について漠然とした不安を感じている中で参加した今回のツアーだったのです。
『迷ったら田んぼ』ふいにそんなフレーズが頭によぎりました。
この二日間、わたしたちは大きな自然に守られていることを知りました。そして、いかに、偏った一方的な見方しかしていないのか思い知らされました。
自然という全体の中に、小さな自分たちがちょこんといる。
こう思ったしゅんかん、わたしの中にはいくつもの選択肢があるように思えたのです。
何の根拠もなく、わたしたちは守られている、そう思ったのでした。
家に帰り娘と風呂に入ったとき、お互いのツメの中に泥がはいっていました。なぜだかとてもその土がいとおしく感じられました。
二日間の出会いに心より感謝いたします。
※参加者の小塙さまより活動報告記事をいただきました。
 ありがとうございました!

2008年6月11日

6/7-8 『まよったら、田んぼ』その1

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6月7日(土)8日(日)の二日間、わたしは、めだかの学校の栃木路イベントに参加してきました。
妻、小学四年生になる娘と三歳の息子、そして友人とわたしの五人での参加です。
メンバーは、まったくといっていいほど農業経験がなく、しかも、めだかの学校にも初参加という「めだか若葉マーク」です。
ですから、農作業ができるのか、という不安もさることながら、どのような方々がいるのか、農家の方に、「そんな細い腕で田んぼに入れるか!」と一括されたら、とハラハラしていました。
そんな心配も、車窓から見えるビオトープに一気に吹き飛んでしまいました。
初めてなのに、なぜか懐かしいのです。きたはずのない場所なのに、以前一度立ち寄った気がするのです。
胸の奥の方がなぜかうずいて、おもわず「ふるさと」を口ずさみたくなるのです。
遠くに丘のような山、音が聞こえてきそうなせせらぎ、草に覆われた周囲にぽっかりと口をあけるように水辺が顔をのぞかせていました。まるで生き物たちをおいでおいでと招き入れているようでした。
このビオトープによって、生き物たちが戻ってきたというのです。
効率ばかりを考えていると、この水辺が一見、無駄のように思えますが、里山生態系という自然環境を作る重要な役割を果たすというのです。自然に何一つ無駄なものはないのです。
水口さんの田んぼには無数のアカガエルがいました。水口さんの田んぼで育ち、成長とともに、あのビオトープへとかえっていくというのです。そしてそのアカガエルを食する生物が次々に集まってきて、周囲の環境を保全していくというのです。
その全体的な視点に驚きました。ここがだめだから、ここを治療して、という視点ではなく、自然そのものの力を信頼しているのです。
しばらく見とれているわたしたちの前に日に焼けた人懐っこい笑顔の方が近寄ってきました。無農薬農業のエキスパートであり、一日目の場を提供してくださる水口さんでした。
気難しい、頑固な職人のような方をイメージしていたので、びっくりしてしまいました。
水口さんご一家のふるまいでお昼をごちそうになったのですが(ごちそうさまでした)どこにでもいる、気のいいおじさん、という感じでした。
ところが、田に入り、草とりをはじめたとたん、その手際のよさや体裁きに感激してしまいました。こちらは、これは稲か、稗かなんて必死で吟味しているわたしの近くを周囲の人と雑談しながら進んでいるのです。
それだけじゃありません、常に回りを見ていて、気さくに声をかけてくるのです。草取り初体験の小学生の娘にも「ありがとうね」と声をかけてくれているのです。素晴らしい人だと思いました。
わたしは、かねがね、冬田に水を入れる意図を理事長から聞いて感心していたのですが、他の農家さんがそれをしないのはなぜか不思議だったのです。
そんな素人丸出しの質問を水口さんにぶつけてみました。
「よさはわかるんだろうけど、水をくみ上げる電気代もばかにならないからね」
そういって、水口さんはとなりの田んぼを指差しました。
「優等生の田んぼだ」
そういって涼しそうに微笑んでいました。
見ると、規則正しく稲が並び、稲と稲の間には一本の草もありませんでした。今までそれが田んぼだと思っていました。それが当たり前だと思っていました。
何往復も田の草をとり、糸ミミズが乱舞するとろとろの土にふれていたたせいで、その整然さがなんとなく気味悪く感じられました。それは、なんとなくわたしがかって勤めていた学校という場所を思い出させました。
ここでも効率という言葉が頭に浮かびました。しかし、効率という言葉で安易に農薬を使う方法を否定できないことは、たった数時間の田の草取り体験でもわかります。
水口さんの信念や本物をもとめる良心を強く感じたのです。
きっと気苦労も軋轢もおありなのにそのことをちっとも見せない。プロフェッショナルの極意だな、と感心せずに入られませんでした。
「うちのお米を食べてもらう、消費者にたべていただく」、水口さんの口から何度もその言葉が出ていました。視点が他者にあるのです。
それは、自然の恩恵を知っている人の心からの言葉のように感じられました。
そういった水口さんの信念や人柄をしたい、その日も環境学を学ぶ学生、シュタイナー学校の先生や子どもたちが集まっていました。仕事の後、トマトをかじる姿は、祭りのような温かさと優しさを感じました。下の息子は、水口さんのお孫さんと意気投合し、ちゃっかり水口さんのお宅に上がりこんでしまいました。なかなか見つからなくって帰りの時間が押してしまいました。
しかし、たけのこをにぎって走り回る姿、かえるにおそるおそる人差し指をのばしている姿は「人間は自然の一部」ということを改めて思い出させてくれました。
そして、何よりもどの人からも『好き』が伝わってきました。
理事長や副理事長が、水辺にしゃがんで子どものように生き物を見ている。気がつくと中に入って土に手にしてながめている。「うほほほ」という笑い声さえ聞こえてきそうな陽気な目をしているのです。調査隊の林さんも目を離すと、どこかに行ってしまう子どものようにあっちの木で、こっちの草原で生き物を採集しているのです。
本物の人たちと過ごす時間は、こちらの本物魂を呼び覚ましてくれるのです。
そしてその力は、何も手を下していないように見える里山生態系がつくりだしてくれたのでしょう。
水口さん、ご家族の皆さん、ご縁の会った皆さん、そして素敵な水口さんの里山さん、本当にありがとうございました。

2008年6月5日

5/31 椿農場の草取り・生きもの調査

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 天気はあいにくの雨雨でしたが、田の草取りと生きもの調査のため椿さんの田んぼへ行ってきました。
私自身は先日の田植えに続いて二回目の田んぼ体験でしたが、中村さんからもらった草取りのやり方のプリントをみて、なんとか見よう見まねでやってみましたあせあせ(飛び散る汗)
椿さんから田んぼの端の草取りをお願いされ、イネかヒエかの違いもよくわからずやっていましたふらふら
たまにそばを通る椿さんに聞きながら、ほんの少しだけですが無事に終了することができましたぴかぴか(新しい)
参加したみなさんも、親子で田コロガシに挑戦したりがんばっていました。
 その後はみんなで生きもの調査をしましたるんるん
気温が低かったためカエルは見かけなかったですが、イトミミズ、ヌカカ幼虫、ミジンコ、ヒメゲンゴロウ幼虫、そしてなんと田んぼにシジミ(赤ちゃん)がいるとは驚きでした!
結果はやはり椿さんの田んぼが生きものの数も種類も多かったです。(確か?)椿さんのお話でも言ってましたが“見た目のきれいな田んぼは除草剤を使っているので、生きものも来ないし(いないし)、田草も生えてこないからきれいにみえる”、なるほど!と思いましたひらめき
また田んぼの泥の感触も他の田んぼと違いやわらかいそうです。
 それからお腹をすかせて、みんなで公民館へ行き、おいしいおにぎりとみそ汁、そして新じゃが、そら豆などをいただきました。
とてもおいしくいただきました揺れるハート
本当にいつもありがとうございます。
私自身まだまだ何も知らないことだらけですが、これを機会にいろいろと学ぼうというきっかけになりました手(チョキ)
またよろしくお願いします。
※参加者の板羽さまより活動報告の記事をいただきました。
 ありがとうございました!