4月29日 小学5年生の田植体験in椿農場
慶応幼稚舎5年生の田んぼ体験も今年で10周年。ひとえに大野先生と清水先生が椿さんの人柄の知恵や技術力の高さに魅せられてのこと。田植えと稲刈りという楽しいところだけでなく、毎週有志が交代で田の草取りに来るという本格的な田んぼの学習をしています。また、田んぼ体験が農家にとって手間がかかるだけで収入につながらないという一般の問題の解決策として、その田んぼから椿さんが得られるお米代を事前にお支払するというメダカのがっこう方式の形で参加して下さっていることに、とても感謝しています。
午前中の田植えと昼食の後は、いつも椿さんからお米作りのお話を伺います。椿さんは田んぼを牛で耕していた時代から経験している田んぼの達人。稲のことなら何でも知っているので、子どもたちが何を聞いても答えてくれます。田んぼに素足で入ると、夜になっても足がポカポカして気持ちがいいと教えてくれました。もし、農薬を使った田んぼに素足で入ると、足が芯まで冷えてしまいます。
お話が終わると、お米のお土産をくださいました。みんな椿さんとお話したり握手をしました。田んぼにはきれいに植えられた苗がならんでいました(報告:中村陽子)
5月16日伊豆分校田植え
早朝からどしゃ降りとの電話が水口雅彦さんからあり、東京方面の参加者からの問い合わせも朝からあり、それでも田植えは決行すると宣言して向かった伊豆分校でしたが、皆がつくころには雨が上がり、風も吹き、涼しい田植えが楽しめました。
田植えも順調に進み、生きもののお兄さんに聞きながら、サワガニ、カワゲラなど田んぼより川辺の生きものが見つけたり、ツチガエルやモンキアゲハなど関東以北では見られない生きものたちもいました。右写真のかわいいべビは、ヒバカリです。
それから薬と機械を使う近代農法の田んぼでは絶滅状態だったヒルが繁殖し始めているようで、昨年まで被害はなかったのですが、素足で入った方たちが噛まれてしまいました。生きものいっぱいの田んぼに入るには、農作業の服装が必要であることを、肝に銘じました。今後田んぼに入るときは、長靴やタイツをはいて、入ることにします。生きものの宝庫の田んぼが嫌いになったら大変ですから。お昼ご飯の後、今日の生きものたちの解説を聞いて、子どもたちは水路に、おとなたちは草を抑えるための米ぬか播きをしました。(報告:中村陽子)
5月18日 添加物を使わない料理のヒント教室
本日の基本的な調味料として①かえし、②甘酢、③甘味噌、④玉ねぎの酢漬け、⑤醤油麹、⑥ニンニク醤油を作り、それらを組み合わせて、写真のような蓮根バーグに醤油麹でつくったソースかけたもの、ニンニク醤油を使った山うどのきんぴら、玉ねぎ酢に大根おろしとかえしを加えたドレッシングをかけた葛サラダ、デザートは葛小豆のキトルシロップがけを作りました。
来月はさらに今回の内容を発展させた教室とします。この教室は基本編と応用編の2回シリーズで繰り返していきますので沢山のかたに参加していただいて添加物のない食生活を実行してほしいです。(報告:塩野入史子)
5月3日 お米くらぶ会員の田植えin椿農場
椿さんのお米くらぶ会員はたくさんいますが、その中で田植えや稲刈りを体験したい方たちがやる田んぼがあります。今年もたくさんの子どもたちがやってきました。田んぼに嵌っている大人たちもいます。ジェット機のパイロット、IT産業の戦士たち、それから毎日パソコンに向かっている方たちも、田んぼに入って電磁波をアースして体を緩めにやってきます。
とはいえ、田植えは草取りの時のことも考えて、まっすぐに整然と、そして苗の根がすぐ活着するように、みんなを気を合わせて行動しなければなりません。田植えひものビーズをたよりに2本から多くても3本の苗の根に指を添えながら、浅すぎず深すぎず植えていきます。椿さんの名人芸はまねできないので、何しろ丁寧に植えていくしかありません。
田植えが始まりしばらくすると、子どもたちは最後まで田植えをがんばる組と、泥んこになって生きものを追いかける組とに分かれてきます。田んぼの中にはウジャウジャとミジンコが泳ぎ回り、カエルがこちらを見ていたり、タニシが歩いていたり、水路にはメダカも泳いでいました。泥んこ怪獣たちは最後は裸になって洗ってもらいます。
田植え後は椿さんのお母さんが作ってくださった美味しいお昼ご飯を食べながら、椿さん=稲の博士の田んぼ談義を伺いました。田植えは1日だけど、草取りはこれからずっと続きます。毎週皆さん自主的に来て、竹ぼうき除草をしてくださるようお願いして、解散しました。(報告:中村陽子)
4月30日さくら国際高等学校で醤油授業とモロミの引き渡し
長野県上田市にさくら国際高等学校という不登校の子どもたちが喜んで通える各地の学校の本校に当たる高校があります。ここは中村陽子が理事をしている学校で、なぜここの理事をしているかというと、長男が5年間不登校だったときにここの学園長の荒井祐司先生のことが大好きで、この高校の前身であった中学浪人の伸学会で勉強の面白さを覚え、その後進学した高校からは特待生、大学、就職と自分の思った道を進む分岐点であったことから、親として荒井先生のお役にたちたいと思ってやっているのです。
話は長くなって恐縮ですが、ここの子どもたちは不登校というつらい経験を思いやりや強さに変えて素晴らしい学園生活を送っています。でも食に関してはコンビニやスーパーで売っている抗菌、殺菌、発酵を止められた命のないものばかりを摂っている子がほとんどなので、農薬・化学肥料ゼロ栽培の大豆や小麦、伊豆大島の海水を濃縮したミネラルバランスの良い塩という最高の材料で仕込んだ命の塊のような醤油モロミをプレゼントして、ぜひ手造り醤油を体験してほしいと思い、この日3月15日に仕込んで世話をしていたもろみの樽を上田まで持っていきました。
始めに醤油授業をしました。調度ここから約1時間のところに手造り醤油の指導者 岩崎洋三先生が住んでおられ、この日ご都合を合わせて醤油のお話に来てくださいました。同じく理事をなさっている清川輝基先生も大変喜んで迎えてくださり、生徒たちに紹介してくれました。清川先生は元NHKの長野支局長、メディアの仕事をしながら、メディアに脳を侵されている現代の子どもたちのことを心配され「人間になれない子どもたち」という本を出版され、全国で講演活動をされていますが、「この醤油造りは子どもたちの五感を育てる素晴らしいものだ」ととても喜んでくださいました。岩崎先生も「全国の高校生の中で、本当に醤油のもろみを醸造させる手伝いをし醤油に搾る体験ができる人はとても希少だから、この機会を大切にしてほしい」とお話し下さいました。
最後にモロミをみんなの樽に全員で移し変え、太陽が当たり、風通しが良いところに置いて、しかも雨に当てないように、また今後は1か月に1回は天地返しをするようにと、世話の仕方を説明し、置き場を考えたり、覆いをつける計画を立てたり、天地返しの当番を決める相談をしたりして、東京に帰ってきました。搾りの日程は、卒業生に醤油を分けられるように、来年2月22日と決まりました。どんなモロミが育っているか、搾りの日が楽しみです。(報告:中村陽子)