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2015年10月1日

9月20日 食とお米とその周辺の研究会(稲垣栄洋氏をお迎えして)

前々回のテーマである「味噌力」で、稲垣栄洋(ひでひろ)氏の著書『徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか―家康のあっぱれな植物知識』から、玄米と味噌の相乗力を発見し活用した戦国武将の強さと植物の知恵の深さなどを引用させていただきました。彼は、現在静岡県農林技術研究所の主任研究員で、田んぼを中心に農業や農村が作り出す自然や風景の魅力や役割を研究なさっていて、メダカのがっこうとはかなり近い方だと思います。

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興味深かったのは、田んぼは人間が関わることで成り立っている人工のものだが自然のように感じられる。(二次自然)そして、田んぼは、人の手が全く入らない原自然より多くの生きものが住めるということ。それは、人の手が入ることで、弱いものが生きられる環境になるからだという。たとえば、草を定期的に刈ることで、背の高い草が刈られ、背の低いたくさんの草が生えることができる。しかし田んぼにU字溝などの基盤整備や農薬・化学肥料など多くの手が入りすぎると、生きものが住めなくなる。生物多様性を実現するには、よい関わり方がある。それを追及しているのがメダカのがっこうだと、改めて活動の意味がわかりました。

また、ヨーロッパと日本の違いで面白いことが2つ。1つ目は、ヨーロッパの人はトンボが大嫌いだということ。英語でトンボはドラゴンフライ、つまり悪魔の使いと言われる。多分それは、トンボが生まれるのが湿地なので、それが嫌われたのだろうということ。それに引き換え、日本人はトンボが大好きですよね。

2つ目は、ヨーロッパの田園風景が広々していて家も点在していて美しいのは、面積当たりの養える人間が少ないから。つまり土地の生産性が低いから。日本の農村が比較的ごちゃごちゃしているのは、それだけ面積当たりの養える人間が多いから。つまり土地の生産性が高いからだということです。

後半は、味噌とお米の相乗効果や、戦国武将の兵糧となったこの基本の食についてや、「御」が付く食べ物をみんなで探して、御米、御醤油、御味噌、御御御付け、など30個以上出たでしょうか、古くから日本にある食の重要性を学びました。(報告:中村陽子)

2015年7月29日

7月26日食とお米とその周辺の研究会 味噌の研究

米、塩、醤油、種、砂糖、油など基本的な食材の研究会ですが、大事な味噌はまだでしたので、今回調べてみました。味噌は、奈良時代に中国から伝わってきたものですが、未醤=醤油になる前の状態の大豆の発酵度がおいしいので、食べ始めたようです。

体力知力とも日本人が最も逞しかった戦国時代、武将たちは味噌を戦陣食の重要なものとして、織田信長、豊臣秀吉の豆味噌をはじめ、伊達正宗は城内に味噌工場を建てたり、武田信玄は戦争に備えて味噌作りを奨励したり、行軍中に醸造が進む味噌玉を工夫したり、徳川家康は豆味噌を愛し、江戸に取り寄せていたことなど、玄米と味噌の組み合わせが完全食で強い体を作ることを楽しく学びました。兵法書に「味噌無きは米無きより疲れるなり」とあり、味噌力を再認識しました。

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また終戦のとき原爆に被爆した秋月病院で味噌と玄米を摂り続けたところ、原爆症になる人がいなかったという話がありますが、これを科学的に証明したのが、広島大学教授の渡邊博士です。彼は、放射能と味噌の関係を研究した結果、味噌を食べさせたマウスは明らかに細胞の再生能力がアップし寿命が延びたこと、その味噌の成分がメラノイジンという味噌の醸造が進むにつれて褐色になる成分だったことを突き止めました。それだけでなく味噌はがんや循環器の病気や高血圧や糖尿病の発生を抑制する働きもあるという高機能の食品であると彼は言っています。

その味噌ですが、味噌は米麹の割合が多いほど白くて甘くなり、少ないほど赤味噌になります。また、醸造期間が長いほど、褐変反応が進み、色が濃くなり薬効成分が増します。一番薬効成分が多いのは、大豆と塩だけで3年重石をかけて醸造した豆味噌で、上記の広島大学教授の実験も豆味噌で行われました。それから塩分を気にする方も多いのですが、味噌で摂る塩分は良い力になるようでまったく心配する必要がないようです。

しかし現在市場に出回っている味噌は、醸造・発酵を止めないと、袋が膨張して商品として駄目なことから、加熱処理や酒精(醸造用アルコール)で死滅させているので、生きた味噌が持っている味噌本来の機能は期待できないのです。本当に良い生きている味噌がほしければ自分で作るしかありません。メダカのがっこうの自給自足くらぶで、原料から無農薬、無添加で生きる環境を取り戻してくれる田畑で育った大豆や米で作りましょう。(報告:中村陽子)

 

 

 

 

2015年6月30日

6月28日食とお米とその周辺の研究会 糀の研究―山崎京子講演会(新潟県阿賀町山崎糀や5代目女将)

新潟阿賀町に150年の糀やがあり、その5代目女将はお肌つるつるのエネルギッシュな70歳、その秘訣は糀の力であることを自ら証明している麹ばあちゃんだということで、研究会に来ていただきました。

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今回は、メダカのがっこうの食とお米とその周辺の研究会の糀の研究としてだけでなく、同じく東京大田区のブティックとは言いながら本当に値打ちのあるものを紹介しているお店の国井さんとの共催になりました。最初の時間をいただき、糀の歴史や種類、日本の国菌になった糀の働きや効用など概論をまとめて中村が発表しました。

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糀ばあちゃンこと山崎京子さんのお話は、糀のパワーを余すところなく伝えてくれました。そして甘酒の試飲、青菜や果物と甘酒で作ったスムージーの試飲、キュウリの塩麹漬の試食でみんなの心を掴んでしまいました。家庭で手づくりすることの意味は、企業が作ってお店で売っているものは、菌を殺さないと袋が膨れて返品になるなど、生きているものは一切手に入らない。だから自分で作ることが大切だと、塩麹やしょうゆ糀の作り方から、それを使っての料理をいろいろ伝えてくれました。

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また、糀の力を感じる簡単な方法に、糀水があるのですが、それを3か月実験して、血圧が170から140に、肝臓の数値も尿酸の数値も改善して以前にもまして健康になったメダカのがっこうの根本からビフォーアフターの血液検査結果の発表がありました。

日本人の健康を奈良時代から支えてきた糀、糀はお米の力を何倍にもしてくれる私たちにとってもっともっと活用するべきものです。私事で恐縮ですが、中村も歯なのか歯茎なのかわからずずっと上あごが痛かったのですが、糀水を一日少しずつ良く噛んで摂っていたら、1日で痛みがなくなりました。理由はわかりませんが、これからいろいろ実験してみます。(報告:中村陽子)

 

 

 

 

 

 

 

2015年4月17日

4月12日 食とお米とその周辺の研究会(醤油の研究)

米・味噌・醤油は日本人が健康に生きていくために必要な基本的な食料。これが完全に良いものなら日本人の健康は心配ありません。しかし現状は惨憺たるもの。醤油の自給率は何と0%。原料のほとんどは、遺伝子組み換えの大豆の油を搾った脱脂大豆で輸入されたもの。遺伝子組み換えでないと書いてない限り、遺伝子組み換えであること。その脱脂大豆は油の研究の時勉強したノルマルヘキサン(ベンジン)に溶かして抽出した後の大豆。小麦もポストバーベストを経た輸入小麦。とても使える原料ではありません。

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そこで、今回は醤油の研究をしました。ゲストはメダカのがっこうの持ち込んだ農薬ゼロの大豆と小麦に醤油麹をつけてくださっているあきる野市の近藤醸造店の近藤社長ご夫妻。東京で1件だけ残っている国産丸大豆で醤油を醸造しているお店です。実は私たちは昨年から近藤醸造店に麹をつけてもらっているのですが、この醤油を搾ってみたら今までの中で一番味が良かったのです。そして醤油の搾りかすも今までと違ってとても美味しいのです。どうしてかと思っていたら、思い当たる節がありました。それは夫婦力を合わせて麹をつけて温度管理をしてくれているのです。それと近藤社長の人柄だと思いました。不正やごまかしとは無縁の人間性なのです。

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大企業の醤油造りは、本醸造と言っても温度をかけた即醸作りが主流。砂糖や甘味料(ステビアなど)、ブドウ糖果糖液糖など遺伝子組み換えのトウモロコシからとったコーンスターチから抽出した糖分、アルコール、アミノ酸などが裏の表示にあるものもかなりあります。本醸造の説明からは理解できない添加物です。それでもこの本醸造はまだ良い方、新式即醸作りだと、大豆を加水分解した旨味を使ってさらに短縮したり、2週間で作る方法もあり、醤油の味を作っているようです。加水分解とは塩酸で溶かしだし、苛性ソーダで中和させてうまみを引き出す方法です。しかしこの塩酸や苛性ソーダは原料ではないので表示する義務はないのです。

それに引き換え、近藤社長ご夫妻の醤油造りのお話は誠実さにあふれ、本当に良い方に麹をつけていただいていることに感謝いっぱいになりました。近藤社長は、従来の醤油造りとは違う、太陽と風による醸造を面白いと認めてくださり、今年は店先で1樽この方法で醸造して下さっているのです。醤油造りはまだ募集中です。1口17000円(会員15000円)で5升の醤油が手に入ります。関心のある方は事務局までご連絡ください。(報告:中村陽子)

 

 

2015年2月25日

2月22日食とお米とその周辺の研究会―春の野草研究―

「米と塩と野草が分かれば生きていける」というのは自給自足くらぶの基本。この研究会では、塩、米、種、油と勉強してきました。今回は春の野草を取り上げました。

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春の七草を始めその他の食べられる野草20草のコメント、薬効、料理の仕方などをまとめてみました。また間違えやすい毒草もいくつかご紹介しました。野草の摘み方、アク抜き法数種など。草の名前の共通して使われている言葉の解説や例など。いろいろ草に親しんでいただけるよう工夫しました。また草を人間の都合で分類すると、①薬草は、薬になる草だが美味しいとは限らない。②野草は、毒のない草で、美味しいかまずくない草である。③ただの草は、毒はないがまずくて食べられない草である。④毒草は毒がある草だがまずいとは限らない。の4つになると思います。

市場に出回っている野菜が次に命をつながないF1種であること、遺伝子組み換えがどんどん広がっている今、厳しい条件下でも自分の力で種を落とし繁殖する力のある野草を知り、体を痛めない食べ方を知ることは、とても意味のあることです。次回は野に出て実際に草を見ながら行う予定です。どうぞお楽しみに。(報告:中村陽子)

 

2015年1月28日

1月25日 第4回 食とお米とその周辺の研究会(油の研究)

飽和脂肪酸はだいたい動物性でほとんど固体、不飽和脂肪酸はだいたい植物性でほとんど液体、必須脂肪酸って何?トランス脂肪酸って何が悪いの?ω(オメガ)3系、ω6系、ω9系ってどこが違ってどうなっているの?という生半可な知識を一度スッキリさせてみようと、構造式の違いからしっかり勉強しました。種は命の源、搾ればそれぞれ良い油が採れるはずですが、搾る方法によって、まったく中身が変化してしまうことがわかりました。玉搾り法、低温圧搾法(コールドプレス方法)、高温圧搾法、溶剤抽出法(ヘキサン抽出法)がそれぞれどんな搾り方なのかを勉強しました。オリーブオイルの3等級の違いには驚きました。また種の中身も、ハイブリットなのか、在来種なのか、遺伝子組み換えなのかは、地球上の生態系に大きな影響を及ぼすこと。私たちにできることは、自家採種の種を蒔くことと、低温圧搾法で搾ること。今はほとんど姿を消してしまった油の圧搾所ですが、自分で収穫した種の油を搾るという大切な営みだったのだと思います。これをメダカのがっこうのオイルプロジェクトで復活させていきましょう。(報告:中村陽子)

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上の写真は、昨年のオイルプロジェクトで自家採種、農薬・化学肥料ゼロ栽培のひまわり種を低温圧搾法で搾油し濾過しているところです。濾過は2回、1回の濾過に2~3日かかります。市販のひまわり油よりオレイン酸が2倍、ビタミンEも1.2倍で、熱に強く酸化しにくい油ができました。

参加者の感想をご紹介します。

・知らなかった事がたくさんありました。参考になりました。コーヒーと玄米茶のミックスが良かったです。
・油は世の中の情報量が多すぎて難しいと感じるジャンルでした。油と塩をしっかりとると肉を欲しないと聞いてから油も結構摂るようになり、油には注目していたので改めて見直す良い機会になりました。日本はまだまだトランス脂肪酸OKだし一番搾りと書いてあっても何%か入っていれば記載可のようで、どこまで信用するか…。自分で作ることほど安心なものないですね。
・オイルの見方が分かって良かったです。
・油は以前から関心があったので、個々では知っている事は多くありましたが、本日頂いた資料ですっきりまとめてあったので、理解が深まり、再確認出来たので大変良かったです。
・油については「ひまわり油作り」で勉強しましたが、今日はより専門的に学べて良かったです。それにしても市販の油は買えないと分かりました。
・油はこんなに危険なものだったのかとびっくりしました。これからは意識をして拾捨選択していこうと思います。オイルプロジェクトも参加したいと思っていました。貴重な実体験をふまえたお話を聞けて良かったです。
・知らず知らずに油の取りすぎをしていて、気をつけなくてはいけないなぁと思いました。勉強になりました。
・大変勉強になりました。油のすごさを改めて認識出来ました。
・いろいろ分かりやすく勉強になりました。
・油について詳しく勉強できてすごく良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014年12月27日

12月23日第3回食とお米とその周辺の研究会 テーマ「種」

第1回「塩」、第2回「米」、に引き続き、第3回は「種」に迫りました。種子は古代ハスのように何千年も植物のすべての遺伝子の記憶と命のカプセルであり、一粒万倍と繁殖し広がる力を持つ、本当に感動が尽きないものです。しかし、遺伝子組み換えと言って、2代目に同じものができないF1種を交配で作ったり、自殺種を作るといったことで、種本来の力を奪う操作が行われており、その勢力が世界の農業の66%を占めています。遺伝子操作には、2つの種類があり、①除草剤に耐性を持つ作物、②殺虫力を持つ作物 遺伝子銃により、植物に毒性を持つ菌の遺伝子を入れ込み、毒性を持つたんぱく質に変質させるなど、危険な操作が行われています。

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これらの詳しい事情を勉強し、私たちができることを考えてみようと思い、ゲストに斎藤博嗣・裕子ご夫妻をお呼びしました。中村陽子は裕子さんが、ご結婚前の本間裕子さんの時代に知り合い、彼女が福岡正信さんの最初で最後の弟子として、日本中で集めた400種以上の種を鳥や獣に食べられないように粘土団子で包み、砂漠化した地に蒔き、草地化する砂漠緑化運動をしていた時、協力していたことがありました。メダカのがっこうを始める前の海のミネラル研究会時代に、粘土団子教室や福岡正信さんの講演会などを何回か開催していたのです。彼女は日本で集めた種を整理・分類し、何トンもギリシャや、イタリアのマヨルカ島や、中国西域に送り、福岡正信さんをお連れして、粘土団子作りと種まきをしていました。

その後、斎藤博嗣氏を結婚し1男1女を生み育てながら、茨城の阿見町で福岡正信さんが提唱する1反百姓をご夫妻で実践しながら、自然農法で種を増やし「じねん道たねや」を始めました。

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お二人はこの研究会の辛気臭い雰囲気をブッ飛ばしてくれました。「エブリディーグリーンピック」百姓は毎日が緑の祭典、国民皆農、毎日種を蒔き続け、見守り、生きるために少し収穫し、種取りをし、また種を蒔き続ける。お二人にとって、結婚も出産も子育てもこの種まきと自然農法の一部なのだと感じました。人生は種まきだ!というオーラが、研究会の参加者を照らし、多くの参加者が、とにかく種を蒔こうという気になりました。

彼らは足尾銅山のように鉱毒で荒野になった山を緑にするという目的がはっきりした種まきだけでなく、マンションのベランダ、中庭、駅や空港のプランターなど処構わず種を蒔いている話をしてくれました。農的生活などと構えず、人の仕事は種まきだったのだと農耕民族のDNAを思いだすような感覚でした。

私ははじめ、遺伝子組み換えの対策として、買わない、食べない、安全だと証明されていないものを許可しないように行政に働きかけるためにも、世論を盛り上げようという一つの答えを持って、この研究会に臨んだのですが、もう一つの道が示されました。それは、遺伝子組み換えの種を企業が蒔く以上の種を、みんなで蒔くことです。これがシンプルで最強の答えではないでしょうか。

この研究会に参加した方がどう受け取ったのか、感想をご紹介します。

農業、作物を作ることの先入観が音を立てて崩れた。とても有意義な時間でした。これはこう植えるもの、これはこういう土で育てるもの等の教科書通り作ることが良いという固い頭になっていました。自然はもっともっと自然であること その懐の深さ、雄大さに気づくことができました。・・・・・今後の生き方に活かしていこうと思います。(Mさん)

大変楽しく伺いました。農法の「おおらかさ」に土に生きる楽しさを知り、種まくことより始めていこうという氣になりました。(Nさん)

「買う」ことしか農家さんとつながれないと思っていたけど、これからは「種まき」したり、プランターもやってみたいと思いました。自然について考えることができたし、いろんな盲点がなくなった気がします。とにかくすごく楽しかったです。(Kさん)

合言葉は「種を蒔いてきました」ですね。来年は、庭に種をたくさん蒔いて「待ち」ます。(Hさん)

 

2014年11月29日

11月24日 食とお米とその周辺の研究会 ー米ー

米と塩があれば生きていける。神様に捧げる2つの代表的なお供え物。前回は塩、今回は米をテーマに取り上げました。

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縄文時代に大陸から渡ってきたお米。1200年前の木簡が採掘され、それにお米の品種改良でできた新しい品種名が書かれていたのです。日本の風土に合い、主食となり、日本の各地方や気候条件に適応したお米にするため、は日本人が情熱を傾けてき田お米の品種改良。当時すでに早稲と晩稲や、多収穫の品種がありました。

熱帯地方が原産のお米ですから、日本の東北地方や山間の冷たい水にも病気にならず収穫できる品種の改良には、農民たちは心血を注ぎました。その一つの結果が亀の尾という品種であり、コシヒカリの先祖となりました。

研究会は、品種の歴史や、現代の品種改良の方向性の問題点、メダカのがっこうが今後地域ごとの品種を増やしていきたいこと、それらを同じフェアートレード価格で取引したいと考えていることなどをお話しました。

その他にも古代からのお米の食べ方、羽釜で炊くのは鎌倉時代からなど、食べ方の歴史。また話の中心は、この13年間、農家や田んぼと付き合ってきて、出会った様々な問題点、斑点米防除の農薬の問題、県指定の品種と在来種を作る農家の問題、自家採種の大切さ、現代のお米の検査制度は誰のためにあるか、世間のクオリティーと、メダカのがっこうが考える最高のクオリティーのお米についてのお話をさせていただきました。また、中村が描いている循環のビジョンもお話しさせていただきました。

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終了してから食で身体を改善した経験をした方が多く、それぞれの体験談で盛り上がりました。(報告:中村陽子)

 

2014年10月5日

10月1日 食とお米とその周辺の研究会(新発足)

中村陽子は、メダカのがっこうを始める前に、海にミネラル研究会を主宰していました。そこでは、自然の摂理や自然の循環が寸断されていることがわかるミネラルを物差しにして、地球の歴史や命の始まり、地球の富の始まり(光合成)、分解者である微生物の驚くべき働き、日本の塩の歴史や現状など、私が知りたいことを実際に携わっている農家や生産者や研究者をお呼びして勉強していました。

数年後、この研究会で出会った生きものいっぱいの田んぼの魅力にはまり、子孫に生きる環境と安全な食料に困らない日本を残せる手だてが見えてきたので、メダカのがっこうを始めたのです。一番初めに発見したことは、絶滅危惧種は、メダカやトキではなく、環境に配慮した農作業をしてくれている農家だということです。そして、田んぼ環境トラストや、お米のフェアートレードを始めました。

次に、お米と塩・味噌・醤油と野草が分かれば生きていけるという自立の基本に立ち、命を大切にする農家と協力して、都会にいても自給自足生活のおすすめを提案し、自給自足くらぶを始め、味噌、醤油、梅干し、たくあん、油など、無農薬・無化学肥料の原料で無添加の調味料や基本的な食材を作れるようになりました。

自分で作ってみると、日本の食の状況がとてもよくわかり、ますます安全なものは自分で作るしかないと思うようになりました。

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この新しく発足した研究会では、私たちが分かってきた日本の食の事情の勉強をし、いかにこの状況の中で自立していくかを研究をしていきたいと思います。

第1回は、中村陽子が研究してきた「塩」についての研修と、研究会のメンバーのやりたいことなどを話し合いました。これからテーマによっては、現場の方をお呼びしてお話を伺うこともあると思います。