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活動報告

2014年12月27日

12月23日第3回食とお米とその周辺の研究会 テーマ「種」

第1回「塩」、第2回「米」、に引き続き、第3回は「種」に迫りました。種子は古代ハスのように何千年も植物のすべての遺伝子の記憶と命のカプセルであり、一粒万倍と繁殖し広がる力を持つ、本当に感動が尽きないものです。しかし、遺伝子組み換えと言って、2代目に同じものができないF1種を交配で作ったり、自殺種を作るといったことで、種本来の力を奪う操作が行われており、その勢力が世界の農業の66%を占めています。遺伝子操作には、2つの種類があり、①除草剤に耐性を持つ作物、②殺虫力を持つ作物 遺伝子銃により、植物に毒性を持つ菌の遺伝子を入れ込み、毒性を持つたんぱく質に変質させるなど、危険な操作が行われています。

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これらの詳しい事情を勉強し、私たちができることを考えてみようと思い、ゲストに斎藤博嗣・裕子ご夫妻をお呼びしました。中村陽子は裕子さんが、ご結婚前の本間裕子さんの時代に知り合い、彼女が福岡正信さんの最初で最後の弟子として、日本中で集めた400種以上の種を鳥や獣に食べられないように粘土団子で包み、砂漠化した地に蒔き、草地化する砂漠緑化運動をしていた時、協力していたことがありました。メダカのがっこうを始める前の海のミネラル研究会時代に、粘土団子教室や福岡正信さんの講演会などを何回か開催していたのです。彼女は日本で集めた種を整理・分類し、何トンもギリシャや、イタリアのマヨルカ島や、中国西域に送り、福岡正信さんをお連れして、粘土団子作りと種まきをしていました。

その後、斎藤博嗣氏を結婚し1男1女を生み育てながら、茨城の阿見町で福岡正信さんが提唱する1反百姓をご夫妻で実践しながら、自然農法で種を増やし「じねん道たねや」を始めました。

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お二人はこの研究会の辛気臭い雰囲気をブッ飛ばしてくれました。「エブリディーグリーンピック」百姓は毎日が緑の祭典、国民皆農、毎日種を蒔き続け、見守り、生きるために少し収穫し、種取りをし、また種を蒔き続ける。お二人にとって、結婚も出産も子育てもこの種まきと自然農法の一部なのだと感じました。人生は種まきだ!というオーラが、研究会の参加者を照らし、多くの参加者が、とにかく種を蒔こうという気になりました。

彼らは足尾銅山のように鉱毒で荒野になった山を緑にするという目的がはっきりした種まきだけでなく、マンションのベランダ、中庭、駅や空港のプランターなど処構わず種を蒔いている話をしてくれました。農的生活などと構えず、人の仕事は種まきだったのだと農耕民族のDNAを思いだすような感覚でした。

私ははじめ、遺伝子組み換えの対策として、買わない、食べない、安全だと証明されていないものを許可しないように行政に働きかけるためにも、世論を盛り上げようという一つの答えを持って、この研究会に臨んだのですが、もう一つの道が示されました。それは、遺伝子組み換えの種を企業が蒔く以上の種を、みんなで蒔くことです。これがシンプルで最強の答えではないでしょうか。

この研究会に参加した方がどう受け取ったのか、感想をご紹介します。

農業、作物を作ることの先入観が音を立てて崩れた。とても有意義な時間でした。これはこう植えるもの、これはこういう土で育てるもの等の教科書通り作ることが良いという固い頭になっていました。自然はもっともっと自然であること その懐の深さ、雄大さに気づくことができました。・・・・・今後の生き方に活かしていこうと思います。(Mさん)

大変楽しく伺いました。農法の「おおらかさ」に土に生きる楽しさを知り、種まくことより始めていこうという氣になりました。(Nさん)

「買う」ことしか農家さんとつながれないと思っていたけど、これからは「種まき」したり、プランターもやってみたいと思いました。自然について考えることができたし、いろんな盲点がなくなった気がします。とにかくすごく楽しかったです。(Kさん)

合言葉は「種を蒔いてきました」ですね。来年は、庭に種をたくさん蒔いて「待ち」ます。(Hさん)