4月30日さくら国際高等学校で醤油授業とモロミの引き渡し
長野県上田市にさくら国際高等学校という不登校の子どもたちが喜んで通える各地の学校の本校に当たる高校があります。ここは中村陽子が理事をしている学校で、なぜここの理事をしているかというと、長男が5年間不登校だったときにここの学園長の荒井祐司先生のことが大好きで、この高校の前身であった中学浪人の伸学会で勉強の面白さを覚え、その後進学した高校からは特待生、大学、就職と自分の思った道を進む分岐点であったことから、親として荒井先生のお役にたちたいと思ってやっているのです。
話は長くなって恐縮ですが、ここの子どもたちは不登校というつらい経験を思いやりや強さに変えて素晴らしい学園生活を送っています。でも食に関してはコンビニやスーパーで売っている抗菌、殺菌、発酵を止められた命のないものばかりを摂っている子がほとんどなので、農薬・化学肥料ゼロ栽培の大豆や小麦、伊豆大島の海水を濃縮したミネラルバランスの良い塩という最高の材料で仕込んだ命の塊のような醤油モロミをプレゼントして、ぜひ手造り醤油を体験してほしいと思い、この日3月15日に仕込んで世話をしていたもろみの樽を上田まで持っていきました。
始めに醤油授業をしました。調度ここから約1時間のところに手造り醤油の指導者 岩崎洋三先生が住んでおられ、この日ご都合を合わせて醤油のお話に来てくださいました。同じく理事をなさっている清川輝基先生も大変喜んで迎えてくださり、生徒たちに紹介してくれました。清川先生は元NHKの長野支局長、メディアの仕事をしながら、メディアに脳を侵されている現代の子どもたちのことを心配され「人間になれない子どもたち」という本を出版され、全国で講演活動をされていますが、「この醤油造りは子どもたちの五感を育てる素晴らしいものだ」ととても喜んでくださいました。岩崎先生も「全国の高校生の中で、本当に醤油のもろみを醸造させる手伝いをし醤油に搾る体験ができる人はとても希少だから、この機会を大切にしてほしい」とお話し下さいました。
最後にモロミをみんなの樽に全員で移し変え、太陽が当たり、風通しが良いところに置いて、しかも雨に当てないように、また今後は1か月に1回は天地返しをするようにと、世話の仕方を説明し、置き場を考えたり、覆いをつける計画を立てたり、天地返しの当番を決める相談をしたりして、東京に帰ってきました。搾りの日程は、卒業生に醤油を分けられるように、来年2月22日と決まりました。どんなモロミが育っているか、搾りの日が楽しみです。(報告:中村陽子)