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活動報告

2014年8月29日

8月23-24日大地の再生講座(山梨県白州町)

 

DSC_1552.JPGフジとコナラが共生 DSC_15321.jpg実のなる木

山梨県白州町にあるメダカのがっこうの理事 向山邦史さんの五風十雨農場の大地の通気通水改善作業を始めて2年たちました。2年前の夏、農場の東を深いコンクリート水路があり、斜面の通気と通水が止まることで、有機ガスとヘドロのグライ層がたまり、樹木が弱り枝が下がり、夏でも葉が茂らなくなるほどでしたが、この2年間に、それが全体に改善され、大地のアク(有機ガスとヘドロのグライ層)が抜けて、樹木は元気を取り戻し、実のなる木には実がたくさんつくようになりました。この夏にも農場の田んぼにイノシシが入り電気柵をしていなかった田んぼがやられてしまいましたが、獣害の根本的な解決策は、時間がかかりますが、山の実のつく樹木を元気にすることだということを忘れてはならないと思います。

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湿り気が回復してきた斜面

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沢風が吹く自然水路

 
沢風が吹く水路湿り気がある斜面
また以前乾燥していた斜面も、樹木の根が元氣になり、草の根が細根化されたことで、湿り気を取り戻し、多種多様な小さな草が生え始めています。
またコンクリート水路の上流にある自然水路も終点のコンクリートの一部を壊し、アクだまりを抜くことで、通気通風を取り戻し、水が流れるようにする作業をすることで、沢風が復活しています。しかし、終点がコンクリートであるため定期的なアク抜きが必要であり、水流を回復させるメンテも定期的に必要です。
全国で起きている大規模な土砂崩れも、コンクリートの立派な砂防ダムを作ることで安心し、折々に大地の通気通水を見ることがなくなった人間と自然との付き合い方の問題が根本にあると思います。大地に差し込まれたコンクリートの壁は、山の斜面の大地に有機ガスとヘドロのグライ層を広げ、樹木の根と草の根を弱らせ、斜面を乾燥化させ、もろい斜面にしてしまいます。大地の再生講座で改善作業と実践し、斜面の変化を木々や草の変化を通して感じていると、この問題が体でわかるようになります。大規模は土木工事は命に関しては何も生み出しません。大地の通気を回復させるための1つ1つの人間の作業が、大地を樹木1本1本から生き返らせるのだと思います。私はその働きをする人間になることと、仲間を増やすことをやっていこうと思います。
DSC_1524.JPG溝切り作業DSC_1525.JPG上の田からの泥水

さて、今回初めて田んぼの改善作業を行い、大変勉強になりました。1枚の田んぼの1画にコナギが茂り稲が委縮しているところがありました。見ると道が泥水でいっぱいで、下がったところにある田んぼに泥アクがたまっていました。その泥水は反対側の田んぼから染み出てくる水が原因のようです。矢野さんは道路に水の道を作り、泥水を水路に流すルートをつけ、泥水が田んぼに流れないように改善しました。これで今後この田圃の有機ガスが減り、コナギの勢いが減り、稲の勢いが増してくるはずだということでした。
泥水だけでなく、田んぼの中のムラは、田んぼの中の水の流れを葉っぱの葉脈のように行き渡らせ水が淀まないようにしたり、畔の草刈りなどで田んぼの上の風の流れを良くすることで改善することができるようです。
田んぼの改善は、今後も勉強して、草や稲の育ちのムラに悩む農家の役に立ちたいと思います。
(報告:中村陽子)